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雨を詠う

雨なのだね。
雨が降るとランニングにも出られないし、
傘を差しての散歩もどうかと躊躇してしまいます。
どうも外に行くのもおっくうになりがちで、
雨だと知った時はいつもちょっとがっかりしてる自分がいます。
雨はなにかと残念感とともに育まれてきた気象状況なんですよね。

でも日本人はこの雨と深くつき合ってきた民族です。
雨に関係する言葉も膨大で、
そのひとつひとつが情緒的で詩的で、
日本語の奥深さを味わうことが出来たりします。

元来、雨音や雨の匂いは好きだったりします。
特に用事のない時間帯に、雨垂際(あまだれぎわ)の窓を開けてぼんやりしてる時間はとても贅沢な時間だと感じます。
雨が降りそうな様子を雨催い(あまもよい)といいます。
春に降る雨は甘雨(かんう)とか軽雨(けいう)と詠み、
その匂いを雨香(うかう)と呼びます。
雨の気配を雨の気・雨気(あめのけ・あまけ)といい、
その様子を雨気付く(あまけづく)といいます。
日本には雨をぼんやり眺めることを雨見(あまみ)と呼ぶ形容動詞もあります。
雨音(あまおと)は「うせい」とも詠み、
雨見(あまみ)をしながら詩情を誘われる様子を雨催詩(あめしおもよおす)などと詠います。
そして雨に降られて外に出られないことを「雨障」(あまつつみ)などと表現したりするのです。

なんて豊かで粋でたおやかな感性なのでしょうか。

春や梅雨や秋はなにかと雨の多い季節でもあります。
ちょっとゆったりする時間を5分でも見つけて、
コーヒーやお茶を飲みながら、
ぼんやり雨を眺める時間を作ろうと思います。
きっと日本人のたおやかな感性の源を感じることが出来るような気がします。
雨を好むことを表す言葉に愛雨(あいう)という言葉があるのだそうです。
今日の雨。
愛雨の心で眺めてみようではありませんか。

ちなみに浜や磯に降る雨を磯時雨(いそしぐれ)と言うそうです。w



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