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旅人は星を数える

昔々のその昔。
約35年程も前のお話。
僕はその頃400ccのバイクに乗っていましてね。
カワサキのZ400LTD-IIというアメリカン・タイプのバイクでした。
よくツーリングに出掛けていましたね。
お金はないけれど、こいつさえあれば日本のどこにだって行けるんだ。
そんな風に感動していたのを思い出します。
僕のバイクにはスピーカーが付いていましてね。
付いていたというよりも付けたんですけれども。 w w
タンクに縛り付けたツーリングバッグに忍ばせたソニー・ウォークマンIIと接続すれば、走行中に音楽が聴けるというシステムを装着していました。
もちろん町中では迷惑になるので聴けませんが
このシステムにはミュートボタンという優れた機能がついていたので
信号待ちの時などは音量を小さく出来たのです。
山中や海岸線のワインディング・ロードを走行している時に聴くお気に入りの音楽は最高でした。
なのでせっせとツーリング用に選曲したカセットテープをよく作っていましたよ。
気持ちのいい、スケール感のある曲や、さあ!行くぞ! みたいな曲を好んで収録していましたね。

そんな時によく聴いていた曲の中の一曲をふと紹介しようかと。笑

『Days Are Numbers(The Traveller)』。
The Alan Person's Project の『Vulture Culture』に収録されてるナンバーです。


The Alan Person's Project - Days Are Numbers(The Traveller)

 Remember
 Days are numbers
 Count the stars
 We can only go so far
 One day, you'll know where you are

 Remember
 日々は過ぎてゆく
 星々を数えてみればいい
 僕らはどこまで来たのか
 いつの日か 君はどこにいるのかきっとわかるのさ

まさに旅人の歌ですね。
風とエンジンの音と匂い。そして音楽。
『旅人は星を数える』という邦題にもシビレたものです(笑)。

The Alan Person's Project と言えば『Don't Answer Me』が有名です。
この『Don't Answer Me』が収録されたアルバム『Ammonia Avenue』は1984年に発表された7thアルバムで、前作の『Eye In The Sky』の大ヒットに続いてまたまた大ヒットしたアルバムです。
デビュー当時はプログレッシブ・ロックだとカテゴライズされていた The Alan Person's Project が、ポップス・シーンで確固たる地位を築くことになった頃のアルバムですね。
『Vulture Culture』はそんな彼らの前年までの勢いそのままに、翌年の1985年に発表された円熟の8thアルバム。
ところで「アラン・パーソンズ・プロジェクト」と言ってもだまされてはいけません。
アラン・パーソンズはプロデューサーでありアレンジャーという感じで実際に歌ってるのはエリック・ウルフソンや他の人たちです。
元々はビートルズやピンクフロイドなどのアルバムでエンジニアをしていたアラン・パーソンズが、マネージメントをやっていたエリック・ウルフソンと共に結成したアルバム・プロジェクト。
曲ごとにミュージシャンは違うというスティーリー・ダン方式のプロジェクトなんですけれど、1987年の解散までライブは一度たりともやったことがないという異色のバンドなんですね。(のちに再結成以降はライブをしています。。。。)
2009年12月2日、エリックが腎臓癌のため64歳で死去。
あのちょっと頼りなげで儚げなのにどこか温かい声は永遠のものとなってしまいました。

ポップスを毛嫌いするロック好きにはとかく批判などされることも多かった The Alan Person's Project ですが、この清涼感とスケール感は癒し以外の何物でもありません。
プログレ出身らしい風刺とユーモア。そしてどこか知的で温かいサウンド・ワールド。
久々に聴いてみると紹介したくなる。
そんな名曲なのでした。

The Alan Person's Project - Don't Answer Me




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