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日本語学校の現場よりお伝えします①(2022年3月)

いよいよ3月も明日で終わりですね。

とうとう1~2年もの間入国を待っていた新入生がやってきます。
既に3月半ばから日本に入国している学生もいますが、毎日のように各国から日本へやってきています。
「明日、飛行機に空席ができたので急遽行くことになりました」というケースも耳にします。

入国のタイミングは国や個人の事情によって異なりますが、学生側としては「このチャンスを逃したら、また何年も待つことになるかもしれない」という想いもあると思います。

実際に2020年の末に一瞬だけ入国可能になった際に、「4月に行きます」と言っていた学生がいましたが、4月には「鎖国」となってしまったため、今まで来日できない状態が続いています。

「日本に入れないので、留学を諦めた」という人たちのお話をよく聞きます。残念ながら、思い描いていた日本での留学生活を諦めざるを得ない人たちもたくさんいます。

私たち日本語学校の職員がこれから出会うのはそういった学生たち。
毎日わくわくしながら待っています。

ところで、日本語学校の現場としてはわくわくだけではありません。
日本行きを待っていた学生が2年分、やってくるのです。

学校によって様々ですが、
一気に入ってくる学校であれば、通常の新学期の3,4倍の学生が入ってくるかもしれません。

日本語学校では、彼らが入国するためのビザに必要な書類を改めて準備しています。
その上で、彼らが日本大使館から許可を得たかどうかを確認し、何月何日の何便で日本へやってくるかを確認し、入国の手配をします。
学生と学校の間にはエージェントが入り、やりとりもエージェント経由でしているところもありますが、一人一人のスケジュールを把握するためには人数分の確認が必要です。
更に現在は入国の条件として来日後の隔離待機やPCR検査を受ける義務などもあります。その手配もしなければなりません。
更に更に日本で住む場所の手配もあります。

そして全員が日本の空港への到着、隔離待機施設での生活や、新たな自宅にスムーズに入居できるかどうか、といったトラブルの対応もあります。
「空港に着いたが違う出口から出てしまって、迎えの人と会えない」
「施設でお湯が出ないが日本語ができないので通訳してほしい」
などなど、小さな(本人にとっては大きな)ことも、彼らにとっては日本語学校が一番の相談相手となります。

また、最初に書いたような「急遽、明日行くことになりました」という人がいれば、急いで待機施設やPCR検査や交通手段の準備もしなければなりません。

こういった「新入生の入国サポート」の仕事とは別に、既に日本国内にいる学生の生活などのサポート、これから新たにビザを取得して留学を希望している人の対応もあります。
他にも学校を運営する上で「お上」とのやりとりなども常にあります。
更にはコロナの陽性者や濃厚接触者が出た場合の対応もありますよね。

と、ここまでは(学校によりますが)専門のスタッフの方が担当し、日本語教師はノータッチの場合もあります。

では日本語学校の専任の教師は何をするのかというと・・・
新学期の初日に授業がスタートできるように、全ての準備をします。

よく非常勤の先生から
「授業がない期間、専任はどんな仕事をしているんですか?」と聞かれることがあります。

確かに、非常勤の先生方がお休みの期間、何をしているんでしょう??

実は授業がない期間こそ、専任ならではの仕事をしているわけですが
具体的なお話は次の記事でご紹介しようと思います。

※今回の内容はあくまで一例であり、日本語学校の職員の業務内容は学校によって変わってきます。
内容としては同じであっても、誰がどこまで担当するかは学校次第です。


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