見出し画像

ああ、今日も泣きそうだ #11:時間へのリスペクト

新年から日常に戻りつつある。でもオミクロンは許してくれない。感染者の人数は拡大して感染者の増加グラフは垂直に伸びる。

 

話はオミクロンの前、去年の11月ごろの話だ。

大学一年生の次男が、地元の中学の友達8人と冬の花火をしたらしい。近所の公園での出来事だが、花火の後始末がうまくできず、ゴミ箱に火が付いた。所轄の警察に当人達と保護者達がそれぞれ呼ばれ、説教かと思いきやそれどころではなく、火事の恐れがあったので、今回は身元引受人ということらしく、特に拘束はされていないのだが、引き受けるため署名してきた。

悪気はないのだ。友達との花火は思い出に不可欠だ。かつて若者だった親として、それはとてもよくわかるが、それが近隣の家に燃え移れば、確かに火事の恐れがある。そうなった後の危険性は想像にやすい。

色々なものがダメージを受ける可能性がある。命の危険もあるかもしれない。家が燃えれば思い出も燃える。柱の傷もアルバムも、誕生日のプレゼントも色々な人の膨大な時間をかけた営みで、そうなるともう取り戻せない。

そういうことがイメージできれば、火の始末もきちんとするのだろうが十代後半では、小さいときは覚えてないし、時間の長さが体感でわからないんだろうなぁ。

 

イベントを主催している。

殆どコンペティションだ。人の膨大な努力した時間を預かる。本番は積み重なり凝縮されたエネルギーが解き、分散されるので動画はもちろんだが、瞬間瞬間を切り取った写真はどのアングルからでも美しく躍動感にあふれている。

コンペという性質上、一切の撮影を禁止させていただいている。だから、こちらで責任をもって撮影を担う。いいアングルで、いい機材で、いいモチベーションで撮影してもらう。

カメラマンの方の時間もいただく。コストもかかる。でも、出来るだけ出演者の時間が凝縮されたたくさんの写真を、出来るだけ安くお届けしたいと思っている。動画もそうだ。

そのためにアロハネクストは作った。写真が必要な人にできるだけ安くお届けする。

中には他の人から廻してもらう人もいるだろう。もちろん、悪気はないのはわかっている。一生懸命に練習して、涙まで流すステージは、少しの理解とコストでほぼ永遠に残すことが出来る。

そういう事ができるようになってる仕組みがいけないのだ。なので少しルールを変更するとおもう。悪気がないのはわかっている。時間にリスペクトを込めて。

 

ああ、今日も泣きそうだ

アロハラボラトリー代表の篠原が毎週メールマガジンに寄稿しているエッセイ「ああ、今日も泣きそうだ」のアーカイブです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?