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2020年7月の記事一覧
星が堕ちる最期の際の金の名残
山の上に星の尻尾を観に行ったら
同じように観たいひとだらけで
車のライトで山の麓より夜が明るかった。
それでも流れ星をふたつと
双眼鏡の向こうにかすかな尻尾
肉眼で見える前に
悠太郎がネムネム限界なので
山を降りた
6000年に一度の天体ショーに
ひとは(わたしは)こうもざわめくけど
毎日日が昇り日が沈むことだって
地球の上の我々が振り飛ばされず立ってることだって
葉っぱの上の朝露がコロリン
森の奥のそのまた向こう
森の向こうに
川がある
川の向こうに
町がある
町の向こうに
山がある
山の向こうに
海がある
海の向こうに
島がある
島の向こうに
船がある
船の向こうに
鳥が飛ぶ
鳥の向こうに
風が吹く
風の向こうに
岸がある
岸の向こうに
霧が降る
霧の向こうに
星が堕ち
星の麓に
きみがいる
きみのさなかに
ぼくがいる
ぼくのさなかに
森がある
森の向こうにあるものは
巡り廻りて螺旋となって
まわる小さな