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【ラテンアメリカ旅行 #14】🇧🇷人の優しさの連鎖でバイーア到着


リオからカラヴェラスへの移動が大変


⚫︎ リオからカラヴェラスに移動

リオを楽しんだ後はとうとうブラジル北東部のカラヴェラスという街に移動。

バスに乗りまずはベロ・ホリゾンテに移動。朝6時過ぎに到着し、ターミナルは開いてないし、電波もないので何も調べようがない。。。
次の目的地はタイシェイラ・フレイタス。

10分ほど途方に暮れていると、大通りを挟んで反対側にちょうど大型バスがやってきたので急いで走って向かった。が、タイミング悪く出発してしまった。そして近くにいたおばさんに「タイシェイラ・フレイタス行きのバスはあのバスでよかったの?」と聞くと「そうだよ。次はお昼前ね」と残念な事実を知る。

今度はおじさんが話しかけてきて「タイシェイラだったらあのバスで行けるよ」という。その方向にはポンコツの車が一台。これ、タクシー?と聞くが違うという。意味がわからない。。。
しばらく必死に理解しようとしていると青年が歩いてきて、その車に乗り込んだ。「これ何?タイシェイラに停まるの?」とその青年に聞くと「タイシェイラが終点の乗合タクシーのようなもので、途中、道端で人を拾いながら走るんだよ」と教えてくれる。とりあえず乗車し、走り出す。

そして途中、おばさんが路肩で手を上げて待っていたのでピックアップ。みんなで会話しながらタイシェイラに向かう。途中、僕はタイシェイラからカラヴェラス(今回の目的地)までの行き方を青年に聞くと、青年がおばさんに「タイシェイラのターミナルについた後、この日本人をカラヴェラス行きのバスに案内してあげて」と伝えてくれた。
めちゃくちゃ優しい。その青年は僕のインスタアカウントを聞いて、別れを告げて途中下車。その約10分後、タイシェイラ・フレイタスに到着。

すると、おばさんは僕を連れてカラヴェラス行きのバスまで案内してくれた。「このバスはカラヴェラス行き?彼をカラヴェラスまで乗せてって」とバスドライバーに依頼してくれた。おばさん、ありがとう!!

⚫︎ ようやくカラヴェラスに到着

ようやくカラヴェラスに到着。バスドライバーもまた親切で、カラヴェラスに到着次第、バスターミナルのオフィスで働いている人たちのところまで誘導してくれた。
彼らに宿泊先までのバスでの行き方を教えてもらい、なんとか到着。地元のみんなのご縁を繋いでの到着に感謝。

今回の移動はこちら。
実際はこのルートではなく、地図上に記されているベロ・ホリゾンテを通り、タイシェイラ・フレイタスという街で再度乗り換えてカラヴェラスに到着するというルート。バスで22時間ほど。この果てしないバス移動、ペルー、ボリビア、エクアドル、メキシコ、とまだまだ繰り返される。

カラヴェラスという田舎町


● カラヴェラスってどんなところ?

カラヴェラスは海沿いの街で、旅行客はアブロルホスという国立公園に行くため、ここからボートに乗るので立ち寄るそうだ。ビーチはとても静かで水もリオよりもさらに綺麗で波も穏やかで泳ぎやすい。
そしてご飯も美味しく、治安も最高にいい。

外国人観光客はほとんどいない。僕がいた際は一人も会っていないくらいマイナーな場所のようだ。今回僕がこの街に立ち寄ったのは、アブロルホス国立公園でダイビングに行くためだった。

漁業を営む人が多く小さなボートがたくさん停まっている

● 宿泊について

今回の宿泊した部屋は、ダブルベッド1台にシングルベッド1台とかなり広く、大きめの一軒家の一部屋ずつを貸しているようだった。
宿泊費は1泊2000円ほどでリオの相部屋とほぼ同じ価格設定。バイーアは物価が比較的安いことが判明。

そしてオーナーがすごく親切で、オーナーが街に行く時毎回一緒に行くか聞いてくれて乗せて行ってくれたり、アブロルホス行きのボートも一緒に探してくれたり、と色々助けてくれた。
フランス人の友人が日本の田舎で迷っているとみんな助けにきてくれたり、家に泊めてくれたりという話を聞いたことがあるが、僕もここに辿り着くまでの道のりや、このカラヴェラスの街で同じような経験をしていた。

⚫︎ アブロルホス海洋国立公園とは?

バイーアの南海岸沖に位置する島々で火山起源。バイーア州の南海岸の40マイルの周りに複数の島々と珊瑚礁で形成されている。この島の周囲には、「チャペイロイス(chapeirões)」と呼ばれるユニークなサンゴ礁が広がっており、底から水面に向かって大きなサンゴが、大きなキノコのように生えている。8月以降は数ヶ月間、ザトウクジラが見学できるボートツアーもあり、様々な生態系を楽しむことができる場所。

● カラヴェラスを散策

初日は曇っていたが夕方には晴れ間が広がり、無人のビーチでゆっくり歩いていると時々散歩している人とすれ違う。リオデジャネイロと違い周りに気をつける必要もない。

静かなビーチでようやく完全にリラックス

● アブロルホスのダイビング断念

翌日は晴れ。午前中はひたすら散歩。
午後はダイビングに行く方法を街のほうに行き聞き周る。途中から宿泊先のオーナーも手伝ってくれるが、誰に聞いてもまずこの季節にボートを出してくれる人がいない。他に乗客が誰もいないから利益が出ないのだという。

最後に一箇所、可能性のある人を尋ねたが、残念ながらオンショア(沖の方から吹いてくる風)が吹いている時は船が出せず、この先一週間はオンショア、ということでダイビングは断念。

オーナーには申し訳ないが翌日の宿泊はキャンセルさせていただき、次の街、イタカレに向かうことにした。

そして面倒見のいいオーナーがバスターミナルまで送ってくれ、バスに乗車した。バイーアの人たちもまた、「客」というよりも「仲間」のように接してくれて心を動かされる。

バスの中からサンセットを見る

中継地点でトラブル発生


⚫︎ 中継地点イレウスで襲われる

イタカレまでの直行便はなく、途中、イレウスという街に立ち寄り、さらにタイミング悪く乗り継ぎのバスが終わってしまっていたのでイレウスで一泊することになった。

カラヴェラスからイレウスまでの移動はこちら。バスで8時間ほど。

バスを降りた時はすでに夜10時を過ぎていて、治安が悪そうだったのでタクシーに乗った。
すぐさまタクシードライバーにメーターのスイッチを入れるように依頼したが、タクシードライバーに途中で降ろされ、追加料金を請求され口論になる。そしていきなり怒鳴って思い切り殴りかかってきたのでバックパックでガードして距離をとって説得する。

もちろん大荷物で逃げることなんてできないし、あんなガタイのいいヤツにぶっ飛ばされたらタダでは済まないと思い、必死に説得して1500円くらい追加し、目的地まで乗せていってもらう方向で話をつけた。
周辺は夜遅くにも関わらず何人か外に溜まっていて明らかにスラム化している危険な雰囲気があったのであの場所でバックパックを持って放置されては何が起こるかわからない。わざとそういう場所で降ろしたのだろう。
観光客から数千円を取るために犯す犯罪が貧困を物語る。

目的地についてもゲートが閉まっているので、オーナーが来るまでは外で待っていて、薬物中毒みたいなヤツに絡まれたり、かなり面倒な街だった。
とにかく、怪我もなく無事に目的地に到着できて良かった。
言葉もろくにわからないのによくこの状況を切り抜けたと思う。
残念ながらブラジルではバスターミナルで荷物を持っていると、明らかに狙われているのを感じることが時々ある。

ようやく宿の中に入ると、宿のオーナーのおばちゃんは親切で、丁寧に案内してくれたが、再び外に出る気にはなれず夜も遅いので寝ることにした。

⚫︎ 翌朝イタカレに向けて出発

翌朝起床し、バスの時間に合わせて準備をしていると、オーナーがチェックアウトの時間に合わせて鍵を受け取りに来てくれた。
コーヒーを淹れてくれ少し話をしてタクシーを呼んでもらって再びバスターミナルへ向かう。そしてバスに乗車して、再びイタカレを目指して出発した。

イレウスでは特に観光をしたわけではないし、何があるかもよくわからないが、悪い記憶と束の間の宿のおばちゃんの笑顔の記憶しかないので出発できてホッとした。この経験はブラジルを含む世界の大きな問題である貧困が生み出す教育格差、犯罪、暴力のうちの一つであって、考えさせられるものがあった。

今回はここまで。次回はイタカレの街に到着し、バイーアの文化をより体験していく。

最後に一曲紹介


Dom Salvador e Aboliçãoによる『Hei! Você』
Disk Unionのアルバム紹介ページにアーティストや曲の紹介がうまくまとまっていたので引用する。

サンバ・ジャズのピアニストとして今も活躍する伝説的なピアニスト、ドン・サルヴァドールことサルヴァドール・シルヴァ・フィーリョが、のちにバンダ・ブラック・リオを率いチン・マイアを象徴とするブラック・リオ・ムーヴメントを牽引するオベルダォン・マガリャエスらと結成したバンドが「アボリサォン」である。ジョーヴェン・グアルダと呼ばれたブラジルのイエイエ的ムーヴメントにおける「ブラックサイド」を担った、ジェルソン・キング・コンボの兄としても知られるジェトゥーリオ・コルテスの代表曲 "Hei! Voce" なども取り上げるあたりに彼らの幅広い音楽性が見て取れるだろう。歌詞の面でもブラジルにおける人種差別の問題、そしてサンバとソウル、ジャズ、ファンクといった音楽の融合と爆発を歌った歌詞は、のちの世代のブラジル人音楽家に新たな道を拓いたと言える。

https://diskunion.net/latin/ct/detail/1007173932


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