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働かないおじさん問題をきっかけに人生100年時代を楽しく生きるヒントをみつけた(前編)

 こんにちは、国家資格キャリアコンサルタントで第1期プロティアン認定ファシリテーターの山本です。8月のイベントで2期の方とチーム組ませて頂いたり3期、4期とファシリテータ増殖中のためわざわざ1期と書いて先輩ヅラしてみました。すいません笑。で、今回は「働かないおじさん問題」をきっかけにこの数年で気づいて実践したことについて、先日とある勉強会にてお話させていただいたのでその内容を紹介したいと思います。勉強会は大変ありがたいことに33名もの方にご参加いただきました。もしこの内容に興味を持たれましたらDMください。プロティアン認定ファシリテーターとしていつでもどこでもお話させていただきます。

プロティアンキャリア講演20210926

「働かないおじさん」問題とは

 冒頭ご紹介した「働かないおじさん問題」とはどういう問題なのでしょうか?これについてはプロティアン・キャリア協会認定アンバサダーの難波先生が書かれた本「働かないおじさん問題」のトリセツがとてもわかりやすいので先に紹介しておきます。

この中で、働かないおじさんの6つのタイプが紹介されています。

タイプ1:期待している成果がでない
タイプ2:仕事への意欲が不足している
タイプ3:本人が良かれと思ってやっている言動がズレている
タイプ4:成功体験が邪魔して話が伝わらない
タイプ5:年上部下・年下上司が、お互い遠慮してしまう
タイプ6:改善へ変化をするのに時間がかかる

この問題の前提では「働かないおじさん」とは仕事をしていないおじさんではありません。このご時世、生産性がゼロの社員を置いておく余裕のある会社の方が少ないでしょう。「働かないおじさん」は仕事をしているのです。しかも上のタイプ別でいうとタイプ1~4までは生産性が低いですが、タイプ5,6は必ずしも生産性が低いとは言い切れません。そのため問題が顕在化したときにはかなり大きな病巣になっていることがあります。

いつから働かない呼ばわりされるのか

 こういう人たちはいつからこう呼ばれるようになったのでしょうか?私の経験では、私が新入社員~若手の時代だった15,6年前から憧れていた先輩や大変お世話になった方も50歳を過ぎて結構こう呼ばれるようになっていると思います。自分も含めて、残念ながら働かない呼ばわりされてしまっているおじさん達だって、かつて20代のころは社内で優秀とまでいかなくても仕事を覚えようとしっかり学んで成長してしいました。それから顧客やチームの信頼を得て周囲からも一目置かれる30代を過ごし、大小あれどもリーダーとしてチームを束ね悩みながらもメンバーのことを懸命に考えた40代を過ごしたでしょう。にも関わらず突如「働かないおじさん」と呼ばれる50代。悲しくありませんか?切なくありませんか?この先こうなりたいと思う人はいないと思います。私もとても怖くなりました。「働かないおじさん」が生まれる理由がわからなければ対策のしようがありません。

成長と成熟を同じに考えてはいけない

 問題解決にはやはり原因究明が必要です。「働かないおじさん」誕生メカニズムを明らかにしないといけません。「働かないおじさん」のそれぞれのタイプについて考察しみましょう。期待とのズレは期待の変化がもとにあります。仕事は社会のニーズからうまれます。社会環境が変化すればニーズも変化し期待も時代の流れとともに変わっていきます。意欲の低下は同じことの連続に飽きていたり、成長実感がないことに起因します。ベテランでも成長は実感したいと思うものです。言動のズレは思い込みや視野の狭さが関係してきます。アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が悪い方に進むとハラスメントに繋がるの要注意です。成功体験が邪魔になるのはその経験を同じ領域で再現させようとするときです。その経験の本質を他の領域に展開した方がいいです。当然ですが部下も常に成長しています。20代と40代の差は大きいですが、30代と50代の差はそこまで大きくありません。レベル差が縮まったときに関係性を互いに再構築できないと関係性の問題を回避しようとお互いに遠慮が始まります。変化に対するハードルの高さはこれまで変化してこなかった期間の長さに比例します。このように考えると2つのポイントが見えてくると思います。ひとつは「同じ領域に留まっている」こと、もうひとつは「成長幅が変わっている」ことです。つまり一つの領域で成長を続けているとその成長幅は徐々に小さくなっていくということです。

メカニズムの鍵は希少性

 ひとつ領域で成長を続けるということは言い換えると「成熟」するということになります。成熟は長くはもちません。果物でいうと熟しすぎると味が落ちていきますし、最後は腐っていきます。これは人の経験と能力も同じです。決して能力が劣っていくわけではありませんが「希少性」が失われていきます。成熟は最初のうちは希少性を高めていきますが、最後は希少性を下げてしまうのです。改めてこの成熟モデルから「働かないおじさん」生成メカニズムを見てみましょう。

プロティアンキャリア講演20210926 のコピー (1)

 新入社員の頃は半人前から始まり早く1人前になろうと頑張ります。頑張りは成長に比例しやすく成長を感じられます。そして4~5年たってやっと1人に数えられます。それからも経験を積み、後輩の指導役も任されるなど成長を続けていくと10年目くらいで50人に1人くらいの希少性が生まれます。そして仕事を続けて顧客やチームからの信頼を得て大きな成果をあげる頃には100人に1人くらいの存在になります。懸命に仕事をしていれば多くの人が誰でも何かの領域で100人に1人くらいにはなれます。ところがこの辺から成長のための努力と希少性が比例しなくなります。ひとつの領域でその専門性を絶えず磨いていくことは大切ではありますがこの先200人に1人、500人、1000人に1人と希少性を高めていくことが徐々に難しくなっていきます。繰り返しますが決して成長が止まったからでも能力が劣化したからでもありません。成長と希少性が比例しなくなるからです。結果的に40後半になってくると能力成長を続けていても希少性は高止まりしそれを維持しているだけという状況になっている人が多いと思います。この状況に気づかずにいると周りの後輩たちに希少性で追いつかれ、気づくと希少性が低下していたということになっているのです。

成熟より活躍の場を広げる方が希少性は高めやすい

 ではどうやって希少性を高めていけば良いのでしょうか。答えは、「キャリアの掛け算」です。これまでと異なる領域で再び100人に1人の存在になり、それらをかけ合わせることで簡単に希少性を高めることができます。100人に1人の領域を2つ組み合わせると単純計算で1万人に1人の計算になります。3つ目の領域を組み合わせると100万人に1人になれます。こうして活躍の場を広げていくことが希少性を考えるうえでとても重要なポイントになります。

プロティアンキャリア講演20210926 のコピー (2)

仮に10人に1人くらいの希少性であっても3つを掛け算すれば1000人に1人くらいに簡単になれます。たったこれだけで「働かないおじさん」より10倍の価値があります笑

 ちなみに私は、それぞれのキャリアをアナザーステージと呼んでいます。一つ目のキャリアを1stステージ、それ以降を2ndステージ、3rdステージというように言っても良いかもしれませんが、2ndステージというと定年退職後とか、転職した後とか、1stステージを終わらせて始まるのが2ndステージという意味合いが強いと思うのであえて2ndステージとは呼ばずにそれぞれのステージをアナザーステージとしています。また、これらのステージは全て同時並行で進行していくマルチステージです。そして各ステージは仕事に限る必要はありません。仕事の場ということであれば複業ということになりますが、趣味の場、学びの場、地域貢献の場などどんなステージでもマルチ化することが重要です。

人生をマルチステージ化する

 こうして私は「働かないおじさん問題」をきっかけに「マルチステージ」という人生100年時代における大ヒントを得ることができました。そんなことはLIFE SHIFTに書いてあるじゃんと思われるかもしれません。その通りです。私はあとからこの本を読みました。そして、なんだ最初からこの本読んでたら悩まずに済んだのにって正直思いましたよ笑。でも自分事化して理解できたことははるかに大きな財産になりました。

ちなみにLIFT SHIFT2が間もなく出版されます(10/29発売、予約受付中みたいです)。

 さて前編はここまでとして、後編はアナザーステージに「どう踏み出すか」「いつ始めるのか」「何をやるのか」「どうやって始めるのか」など、アナザーステージに向かうためにいくつかのハードルが立ちふさがります。どのようなアクションを起こすことでそのハードルをクリアするのかについて紹介したいと思います。ぜひ後編もお楽しみに。

最初の一歩に勇気のいらない世界を

 新しい世界への第一歩。ワクワク、ドキドキ、「みんなオラに力を・・・」なんて思うことありますよね。踏み出したいときにすんなり一歩が踏み出せる。いつでもどんなときもアナザーステージを行き来できる。そんな世界が作れないかなと日々、試行錯誤しています。そんな世界にぴったりのキャリア理論がプロティアン・キャリア理論です。プロティアン・キャリアをもっと知りたいよとか、一緒に広めたいよという方がいらっしゃいましたらぜひDMください。お待ちしています。
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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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