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【P-MODEL】FINAL「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE~」(1999.11.06.SAT 渋谷ON AIR EAST)

▼更新(2020.11.12)
・e-ticketのカードの写真を鮮明なものに差し替え&追加
・e-ticketのカードについて数行追記
・最後の曲「DAI」について追記

【概要】

P-MODEL LIVE TOUR FINAL
「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE~ 音楽産業廃棄物取扱技能者総決起集会」
1999年11月6日(土)渋谷ON AIR EAST
開場:16:00 開演:17:00
前売:6,500 当日:7,000(多分)
■公式レポート

・GREEN NERVE Vol.3(P12~13)写真のみ
・GREEN NERVE Vol.4(P16)写真とエピソード、曲順など
■VHS、DVD
「音楽産業廃棄物 LIVE AT ON AIR EAST」(11/6公演のみ収録)
タワーレコード通販 MAGNET(配給元)通販
■本
改訂復刻DIGITAL版 音楽産業廃棄物
■CD、MP3
音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE
グッズ類(出典:降り積もる地層
ツアー告知(出典:平沢博物苑
■他の日のレポート
10/4東京 10/5東京 10/12名古屋 10/14札幌 10/26博多 10/28大阪

※ケイオス関連以外の通販利用に関しては、各自判断で行ってください

【セットリスト】

1. DUSToidよ歩行は快適か?
2. 回収船
3. Waste Cabaret
4. ASHURA CLOCK
5. LAYER-GREEN
6. Heaven 2000
7. Rocket Shoot II
8. Rehash
9. Mind Scape
10. 衛星ALONE
11. ENN
12. BOGY
13. Moon Plant-II
14. COLORS
---
15. 論理空軍
16. ルームランナー
17. サンシャイン・シティー
18. 美術館で会った人だろ
19. ミサイル
20. 「ラヴ」ストーリー
21. ヘルス・エンジェル
22. ダイジョブ
---
23. ローレシア
24. Ancient Sounds
25. BA-DA-DHA
26. ENOLA
---
27. DAI

【開場】

この頃はまだ「O-EAST」表記じゃない頃ですね。
P-MODEL結成20周年記念ツアーという事で、ファンからのお祝い企画も多数決行された最終日。スツーカのプラモデルを3台を化粧箱に詰めて献上したり、寄せ書きをみんなで書いて送ったり、大きな花束をメンバー3人それぞれに贈ったり、花輪を贈ったり、福間さんのお誕生日が今月という事で、歳の数だけカエルグッズを贈る(当時の福間さんがたまに「ローゲー大臣」というハンドルネームを冗談で名乗っていたことから)(いやどんなハンドルネームだよ)等々、盛りだくさん。

ちなみに当時の渋谷はガングロ最盛期(アムラーの後、ヤマンバの手前、センター街ではみな地べたに直に座ってたむろしている)ぐらいですので、そんなイケイケなド派手エリアに、黒づくめで謎の腕章を付けた人々が続々と集結するというのは、何というか、コミュノハイブリディアということにしておきたい。

さて、入口ではP-MODELの20周年記念特別デザイン(!)のe-ticketカードをかざして入場。

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e-ticketなのに結局紙を渡されるんですが、明細というか入場証明的なものですね。よく見ると黒オビのタイトルの所の「FINAL」が「FINA」になってて笑っちゃう。「総決起集会」も「決起集会」になっててちょっとずつ惜しい。そしてこのe-ticket、これ以来、1回もサービスを利用したことが無くて、ほんと、何かすまん。

ステージは東京2DAYSと同じ(図解は東京1日目を参照)。照明バトンは下がっていませんでしたが、バリケードが通常よりも下げられていて、そのエリアにスチールカメラと、ビデオカメラが3台も入って豪華。既にDVDが出ることは発表されていましたが、ライブをやったら映像作品が出るのが当たり前「ではない」ので、ありがたい限り🙏

そしてVIRTUAL LIVE用の歓声録音はありませんでした。10/28大阪で録りきったという事なのでしょうね。おつかれさまでした…。

【開演】

15分ほど遅れて開演。暗転するとワーグナーの「Die Meistersinger von Nurnberg(ニュルンベルクのマイスタージンガー)」から『第1幕への前奏曲』が流れ、小西さんがサイバートラメガ(拡声器)を手に持ち颯爽と登場。

タイトル通り、P-MODELは「マイスター(職人)ジンガー(歌手)」であるという言葉遊びだったのではと思いますが、それよりもオーケストラの堂々たる高らかなメロディに対して、小西さんの風貌がガラ悪過ぎてどうしたらいいんですかw

▼小西さんの衣装(こんな感じの衣装)

バックでは女性の声(Amigaの声かしら)で宣言文の英語バージョンが流れ、スクリーンにはその英文がテキストで流れる中、深紅のニッカポッカをお召しになって、姿勢を正し客席を見据え、「音楽産業廃棄物P-MODEL OR DIE」のマニフェスト(出典:平沢博物苑)を読み上げる小西さん。

敬語ではなく、小西さんらしいアジテーション口調に直してありましたが、片手を挙げ「P-MODEL OR DIE!」と叫ぶ様がとにかく勇ましい。宣言文が終わりに差し掛かった頃、平沢さんと福間さんも登場。

『DUSToidよ歩行は快適か?』
まさかの1曲目、論理空軍じゃない!そして平沢さんの喉が既に辛そうで、お馴染みの「ハイ✋」も声がかすれてハスキーになってしまっており、1曲目からそんなんで大丈夫かと不安に。(DVDでは直されているぜ!✨)

そしてさすが渋谷とでも言うべきなのか、東京2日目に続いてまたしても勢いに乗じて無理やり(しかもこの日のはかなり暴力的に)前に入ろうとした人達が居て、今回はガチ殴り合いの喧嘩に発展。
ステージもスタッフもこの事態には気づいていませんでしたが、後日平沢さんから「事態にステージ側で気付いていたら止めていた(当事者が出ていくまで演奏中断した)」旨の投稿もある始末。当の本人は後日公式掲示板へ謝罪に来たと記憶してますが(別の話だったかも)、何にせよアーティストがオーディエンス側の問題にそこまで言わなきゃいけないのかという感じだったので、ほんともう、ライブは無理やり割り込むもんじゃ無えんですわ。そんなのはノリとかじゃ無えんですわ。モッシュと割り込みは違うんですわ。

開演前に、前に居る友達を探すフリして「すみませーん」と前に割り込んでいくスタイルの人もいるけど、皆は通り道を譲ってるだけで場所を譲ってるわけでは無い。周りが強く咎めないのは、そこで喧嘩してライブを中止にしたくないというだけです。えっその気持ちにつけこんでやってるの?ヤダー☺️

ちなみに当時は「犯人は革ジャンにサングラスの男と、ギャル系の服の女だったから、そんな奴らは絶対平沢ファンじゃ無い(興味もない適当な招待枠に違いない)」みたいなことが、何の悪気も自虐も無く真面目に言われていて、今となっては笑い話です。だってみんな腕章付けてるもんね!アハハー(ウワーン)

『回収船』
大阪に続いて、歌い出しの「Sailer」の部分では、福間さんが歌メロに合わせて

1. 「セーイ」で2本指をこめかみに当てて
2. 「ラー」で外側へチャッ☆とやる

という振りを。曲中で毎フレーズやってたという訳では無いのですが、キュートですなあ。冒頭で今月がお誕生月と書きましたが、あと4日で29歳。若い……!

【MC】

P-MODELは今日が年内のライブ納めになるというお話など。
本日折り込まれたチラシには、翌月12月にサンシャインシティー噴水広場で「P-MODEL/平沢進デイ at サンシャインシティー」というイベント(のちの「ヒラサワエンニチ」)がある旨が書いてありましたが、そっちではライブ演奏的なものは無いという事ですね。

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チラシには

P-MODELと平沢進を取り巻く全ての動きが分かる

と煽り文句が書いてありましたが、当日は「ドリームキャストでゲームをする平沢の動きまで分かる」迷イベントになりました。(?)

【カツアゲ実施中】

他にもこの日は、

平沢「我々は「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE」というプロジェクトの名の元に、MP3による音楽配信、ユンカースのカツアゲなど実施中です」

ついにご本人の口から「カツアゲ」という4文字が出た記念すべき日でしたが、いやカツアゲまでプロジェクトの一環にしないでください。

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当時はみんな思い思いのユンカース(ストゥーカ)を作り、そしてすべてカツアゲされていったのでした…。(ひどい)※そういう遊びです

今日は30曲近くの曲をやる予定とも仰っており、普通そういうのは先に言っちゃダメじゃないでしょうか!w。「だからアンコールは無し」というお知らせでしたが、そんなに演ってくれるなら仕方ないか…と分かっていてもそこはお約束。

客席「えーーーー!」

平沢「えーじゃない」(力無い)

「ハイハイどーせお前らはそう言うと思ってました~ハー…」みたいな、すごい投げやり感のある「えーじゃない」が出て、さすが20周年記念。(?)

『LAYER-GREEN』
初っ端からマイクが不調で、平沢さんの声が聴こえないトラブルなどありましたが、福間さんがVS-1680を調整して回復。(DVDでは直されていr)

サビでは福間さんと小西さんが交互に片手を挙げるフリがありますが、それをみんなで追う様は、袖から見てると幼稚園児と保父さん状態に見えるそうで、それ左側の保父さんちょっとゴツくない…?右側の保父さんも鍵盤舐めたりするんでマズくない…?真ん中の人もう園長じゃない…?(?)

『Rocket Shoot II』
この日のライブ前半は平沢さんの喉の不調と、音響側の不調がちょいちょい出る感じだったので、いきなり高音で始まるこの曲しんどいかしら?と思っていましたが、この曲は完璧。サビの美しさはとにかく逸脱でした。

『Rehash』
20周年特別バージョンのタイナコと言えば、歯を食いしばった先代(先代言うな)の顔がドアップになるという仕様がありますが😬🥁、なぜかこの曲で一瞬パチッとその顔が入るのが面白くてしょうがなかったです。何故この曲でw。どんなサブリミナルなのよ。

この曲もマイク側の不調により、平沢さんの声が後半までほぼ聴こえないという深刻な有様で、「(がんば…がんばやで…)」みたいな顔で手に汗握ってしまう客席。

『Mind Scape』
雪深い、遠い異国の窓辺を想わせるようなこの曲、ほんとカッコいいんだよなあ。間奏は小西さんによるシンセソロ。カンナで材木を削っているかのように、しゅっと左手でキーボードを払った様が、削った後の木目を見る棟梁にしか見えず、親方ー!

『BOGY』
ボギーだぜ!バリライトも回るぜ!スチールカメラもビデオカメラも全機が福間さんに完全釘付けだぜ!という訳で、音源とは違い、ライブ版は大変ダンサブルなBOGY。福間さんのボーカルもこぶしが回っていて色っぽい。今回は会場の質なのか、平沢さんの声もあまりエコーがかからずクリアに聴こえる事が多く、とても堪能しました。

【1980年パート】

『COLORS』が終わると、スクリーンには西暦が。集計カウンターのようにばーっと数字がスクロールして「1980」に!メンバーは退場し、今回のツアーの出囃子が流れ、防護服を着た男(サトケンさん)登場。

メイン機材に次々とバイオハザードマークを貼り、両腕で大きく×マーク🙅‍♂️を示して演奏を阻止しようと目論見ますが、ほどなくしてストゥーカが飛来する音が。雨あられと降ってくる急降下爆撃に、慌てふためく防護服の男。音響と照明とジェットスモークの合わせ技なのですが、本当に爆弾が降ってきてるみたいで凄かったです。

防護服の男が逃げ惑う中をメンバーが再登場し、貼られたバイオハザードマークを全て剥がして、一部は客席へポイと投げてくれる大サービス☢

『論理空軍』
イントロで平沢さんがギターをギュイーと弾きながら、ヘッドを防護服の男に向けると、ステージ上の花火が爆発し、ジェットスモークが発射!あはれ防護服の男は爆発四散したのでありました。

しかし普段P-MODELのステージでそこまでの特殊効果を使わないせいか、火薬が爆発した瞬間、思わず身体がビクッとなってしまう平沢さんw
そんな派手演出には慣れてませんからね…

この曲は1980年の曲ではありませんが「1999年から1980年へ、論理空軍は飛来した」という趣旨なので、この曲で始めるということのようです。それにしても小西さんはシンセがガンガンだし、福間さんは踊りがグネグネだし、平沢さんはギターがギチギチだし、客席はもうギュウギュウ。

『ルームランナー』
聞き覚えのあるイントロが流れて、当然色めき立つ客席。
もともとこの日に1980年の曲をやるという告知は既に出ていたし、同年6月「Future Screen of Tokyo New Wave」でも1980年代の曲は演っていましたが(そしてそれをもう1回再演するんだろうなぐらいに思っていたのですが)、初手からまさかの(このメンバーでの)初お披露目曲。

歌いだしの「キミはスーパーマン」で、ウィスパーボイスになる平沢さん。セクシーが過ぎる。

『サンシャイン・シティー』
「VIRTUAL LIVE-1」と同じ流れですが(と言っても例のヤジはありませんでしたがw)、ほぼ間髪入れずにこの曲へ。DVDではこの曲の冒頭に『ルームランナー』の最後のリフを残してて、音的にも普通に消せただろうに何でかなーと思ってましたが、意味を踏まえた編集だったのかもですね。

しかしAメロの「ア~アァアァアア~⤴」、間奏手前の「ア~アァアーーーー⤴」の、喉返しと声の裏返り方が、とにかくセクシー。というか当時こんなに歌上手くないので、またそれがな…(とても良いという話です)。コーラスは客席も大合唱で、そして大モッシュ。

『美術館で会った人だろ』
小西さんはスタインバーガーの黒ベース。間奏ソロは福間さんがJP-8000で。手さばきハイパー高速。ニューウェーブなので本当に弾いてるかは特に問題じゃないぞ!w
平沢さんは一番最後の「火をつけるよ」でまたしてもウィスパーボイスに。現在と歌唱方法が全然異なるので、声量の抑えどころが掴みづらいんでしょうかね。音廃の曲と音域も異なるし。

『ミサイル』
こちらは「VIRTUAL LIVE-2」から。何かの折に間奏のギターソロは「デタラメに弾くパート」であるという旨を仰ってた気がしますが、デタラメギターもそのまま再現。サビの小西さんと福間さんの「やっ!」という掛け声も、普段そんな威勢のいいコーラスなんかしないので。かなり新鮮。

『「ラヴ」ストーリー』
元々独特の歌いまわしの曲ですが、20年の歳月とソロを経た今の平沢さんの歌唱法も加わるといよいよ独特に。平沢さんの「アーッハッハッハーーッ!!💢」が聴けて良かったです。

『ヘルス・エンジェル』
同年6月「Future Screen of Tokyo New Wave」では、福間さんが田中さんばりの股裂きジャンピングを披露した(!)この曲。当然「飛ぶ…?飛ぶ…?」と、つい期待に満ち満ちてしまう客席w

福間さんは飛びませんでしたが、ピコる心でキレる演奏というニューウェーブの真骨頂を見せていただきました。

『ダイジョブ』
1980年パート最後はこの曲!さては神かよ平沢さん。
「私しぶとい伝染病」では、小西さんと福間さんが両サイドから平沢さんを丁寧に手で指し示すと✋、平沢さんがこのフレーズを歌うというニクい演出。

どうせなら秋山さんのようにちゃんと人差し指でビッ👉とやって頂きたかったですが、立場上福間さんが平沢さんを指でさす訳にもいかないのでしょう、という解釈をすることにしますw。それにしても本当に最高な1曲でした。

【1999年パート】

ここでスクリーンは再び西暦をスクロール。「1999」が再び表示され、1980年コーナーは終了。再び1999年現在の曲へ。

『ローレシア』
激しめの曲から再スタート。
間奏では平沢さんが前に出てきてデストロイギター、それに寄り添うスタインバーガー黒ベースの小西さんという、画が強すぎて直視できないやつ、誠にありがとうございます。

なお、そんなおじさま2人にビデオカメラが釘付けになっている間、福間さんは大阪と同様に

1. JP-8000に右脚でカカト落としを喰らわす
2. その右脚を膝から足先まで鍵盤の上にベタっと横付けで乗せて
3. 膝の辺りにほお杖をついて
4. 客席を見てにっこり

大阪が手をグーにして甲の上にアゴを乗せるスタイルのほお杖だったのに対して、本日は手のひらでほっぺたを触る感じの乗せ方。大阪でも笑顔でしたが、今回もニッコリ笑顔。これがDVDにきちんと収録されてないのマジ遺憾の意。

『BA-DA-DHA』
サビ手前では小西さんのおなじみの儀礼がありますが、

▼サビ手前の小西さんの儀礼とは
1. 予めおもむろにマット(礼拝的なサイズ)を敷く
2. 膝をつき、手も前について土下座(お尻は足裏に付けない)
3. 「バーダーダーアー…」でそのまま両手を挙げて上体のみ起こす

普段は該当パートにちょうど間に合うように準備して…という感じなのですが、本日はもうAメロ早々にひれ伏してる(お尻が上に突き出ている土下座)状態に突入してしまい、小西さんそれストレッチしつつこっそり休憩してませんか…?状態でしたがw、ビデオカメラの人もその状態を最初から延々と撮っていて、遠目に見て大分面白かったです。

『ENOLA』
小西さんは中盤から道頓堀1号を操作しながら福間さん側へお越しに。

▼道頓堀1号とは
センサーパッドが5つ(上段2つ・中段中央1つ、下段2つ)並んだアクリル板を、駅弁売りのように黒いプラチェーンで首から下げ、ドラムスティックでパチパチと叩く小西さんの自作楽器。ありがたいお坊さんのシール付き。

「胸の隅の…」のコーラス部分では、リズムに合わせて平沢さんと福間さんがシンセを叩きつけるお馴染みの振り付けがありますが、小西さんも腕を振り上げ客席を煽る煽る。場内も皆一斉に腕を振り上げてて、いい光景。

【MC】

盛り上がりまくる観客をウィスパーボイスで一喝したのち、次で最後の曲だと告げる平沢さん。この時点で26曲もやってるのだから、いかに大盤振る舞いしてくれているか、分かってはいるのですが、客席は「えー」の嵐。それを見た平沢さん一言。

平沢「ィやっかましい!」

出ました見事な東京下町訛り!

他にはTAINACO-Eの紹介。これで見納めなのですねタイナコ…。Nifty Amigaフォーラム(FAMIGA)で「TAINACO-E スクリーンセーバー」が公開されるとの告知も。こちらは翌年2000年2月に上記フォーラムで公開され、翌月には「雛祭りエディション」も公開されました。(なぜ)

さて、当時自分たちで音楽配信を始めていたP-MODELの特別サイトでは、毎月新曲のサンプルをMP3で聴けるサービス(もちろん無料)がありましたが、ツアーの最後にそこから『DAI』をやってくれるとのこと。

著作権の都合で(本人が作った曲なのにね)歌詞と曲タイトルを微妙に変えてアップしている訳ですが、「ダイ」というのはタイ語で「大丈夫」という意味なので、つまりあの曲のことですw
(ニュアンス的には「イケる」「OK」みたいな感じなのではと思いますが、日本語に直すなら「大丈夫」で良いってことなのかもしれません)

平沢「(最後の曲は)20周年限定でもう2度と披露はしないと思います。これをもって幕としたいと思います」

『DAI』
歌詞が微妙に異なり、通常は「はなれなくても ダイジョブ」のところを「押し寄せても ダイ!」と歌う、著作権問題回避かつ20周年限定の特別バージョン。日経ネットナビ(1999年12月号)付録のCD-ROMと、P-PLANT CDに「2番のサビまで」版が収録されていますが、フルコーラスはこれが初お披露目&収録はこのライブのビデオ(DVD)のみ、というなかなかのレア曲です。

お師匠ギターめっちゃ弾きますやん…みたいな圧の強さで、とにかくカッコよい。1980年パートの『ダイジョブ』同様に、「私しぶとい伝染病」では小西さんと福間さんが、両サイドから平沢さんを手で指し示す演出✋。

最後は、ダン!というドラムと共に暗転、ストゥーカ3台が轟音と共に飛び去り、そして次のダン!でステージ前面に真黒な幕が一気に降ろされ、何とも鮮やかな手際の終幕!

まるで手品でも見せられたかのように、一瞬あっけにとられ、そして場内にワーッ!!と湧き起こる大歓声。20周年記念にふさわしい、本当に素晴らしい演出でした。

【ある意味アンコール】

しかしこんなカッコいいものを観てしまい、帰れるはずもないワガママな客席であります。しつこく粘り続けていると、EAST恒例の「後ろのキャットウォークからご挨拶」コーナー開催!

平沢「これで最後と言っただろう、かえれーーーーーーー!!💢💢」

高いところから見下ろされ、睨まれ、キレ気味に言われてるんですが、平沢さんの声がもうガッスガスでちっとも怖くないww

音域の幅がある曲を27曲もやればそうなりますよね…これでアンコールさせたら鬼ですね…ってぐらいに酷い声でちょっと笑ってしまう。「出口はごぢらでず」(声がひどい)など言いながらも、水を飲んだりしつつ、しばらく上に立って姿を見せてくれてて、ありがたい限り。
福間さんがデジカメで客席の写真を撮ったりしていたので、客席も手を振ったり大盛り上がり。おめでとう!20周年おめでとう!

平沢「じゃ、ザヨナラ」(※声がひどい)

と挨拶してメンバー退場。
我々も、夢でも見ていたんじゃないかと思いながら帰途に就くのでした。

【おわりに】

東京2日目の感想にも書きましたが、「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE」というのは、平沢さんたちとリスナーの関係性を新しいフェーズへ移した、とても意義のあるプロジェクトでした。既存の価値観を再考し、不要なものにはNOを突きつけ、立ちはだかる障壁があれば「REDOで何千回でも試み」壊し、アーティストとリスナー、しいてはボクとキミの全きコミュニケーションを模索し続ける平沢さんの新たな、そして大きな一手。

ミュージシャンによる音楽配信、映像配信、どれも当たり前のサービスになった21年後の今、この人はリスナーとの変化していく関係を一体どこまで見据えていたのだろうかと、心から敬服します。

平沢さんのこの一貫した、リスナーとの関係を模索し続ける姿勢については、下記も参考になさってください。

最後に、小西さんが読み上げた「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE」マニフェストより、一番好きなフレーズを載せて終わりにします。お読みいただきありがとうございました。

音声圧縮、配信など、音楽の伝達において
先進的であろうとする全ての技術者、賛同者、
そしてリスナーに感謝する

さることのありしかなかりしかしらねども
あったとしてきかねばならぬぞよ

という感じで改訂レポを終わります。

【お知らせ】
田村指圧治療院
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ニューウェーブ周りの音楽にも大変詳しいですが、2014年『パラレル・コザック』(赤坂BLITZ)の時に、カフェ「Gazio」で楽屋弁当を食べながら限定ライブ中継を観た伝説の先生なので、お話もしやすいと思います。

■田村指圧治療院
https://twitter.com/tamura_shiatsu
https://tamura-shiatsu.com/
☆茨城県:取手治療室…JR常磐線/関東鉄道常総線「取手」駅より徒歩6分
☆東京都:上野治療室…JR山手線/京浜東北線「御徒町」駅より徒歩2分
※診療時間など詳細は上記URLへ