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【P-MODEL】DAY6「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE~」(1999.10.28.TUE 大阪BIGCAT)

P-MODEL LIVE TOUR
「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE~」

1999年10月28日(木)大阪BIGCAT
開場:18:00 開演:19:00
前売:6,000 当日:6,500

■公式レポート
・GREEN NERVE Vol.3(P12~13)写真のみ
・GREEN NERVE Vol.4(P14~16)写真と各地ミニエピソード
■VHS、DVD
「音楽産業廃棄物 LIVE AT ON AIR EAST」(11/6公演のみ収録)
タワーレコード通販 MAGNET(配給元)通販
■CD、MP3
音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE
グッズ類(出典:降り積もる地層
ツアー告知(出典:平沢博物苑
■他の日のレポート
10/4東京 10/5東京 10/12名古屋 10/14札幌 10/26博多 11/6東京

※ケイオス関連以外の通販利用に関しては、各自判断で行ってください

【セットリスト】

※東京2日目、名古屋、博多と同じ
1. 論理空軍
2. 回収船
3. Waste Cabaret
4. ASHURA CLOCK
5. LAYER-GREEN
6. Heaven2000
7. Rocket Shoot II
8. Rehash
9. Mind Scape
10. 衛星ALONE
11. ENN
12. BOGY
13. Moon Plant-II
14. Colors
15. ローレシア
16. Ancient Sounds
17. BA-DA-DHA
18. ENOLA
19. DUSToidよ歩行は快適か?
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20. Welcome
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21. Black in White

【開場】

親に「どこか出掛けるの?」と聞かれ「ちょっと大阪まで」と答えた東京都民は私です。気安く来た大阪は、天井も高くステージも広い会場だった為、例の特製垂れ幕が復活&照明のバトンが下がっている、東京1日目2日目と同じ仕様。(解説画像は東京1日目を参照)

【本日の強制労働】

という訳で恒例の、平沢さんの影アナで進行するVIRTUAL LIVE用の歓声録音のコーナー。博多同様、今回のざわめきや歓声は「VIRTUAL LIVE-3」に入るとのこと。

■録ったもの
・「曲終わり」と「アンコール」の盛り上がる歓声
・特定の台詞を叫ぶヤジ
■録音にあたって平沢さんからの注意点
・関西訛りを要求いたします

関西はノリがよかろうという事なのか、本日は曲終わりとアンコールの時の「一番盛り上がる時の歓声」を重点的に。かなり何度も歓声を上げさせられる重労働を課せられましたが、こういうことにはむしろ強気で挑んでくれる関西勢のおかげで進行はスムーズ。

アンコールの歓声録りでは、1980年代当時、実際にヤジられた「麦茶くれ!」を捏z…再現。京大西部講堂でのライブはとにかく暑かったらしく、観客の1人が言い出したのをキッカケに、会場の全員が「麦茶くれ!」をアンコール代わりに連呼したそうで。

平沢「そこで我々は関西人の恐ろしさを知りました」

そしてこの台詞が今日のアンコールに繋がっていくとは、この時まだ平沢さんは知らないのでありました。(後半に続く)

【開演】

おなじみ今回のアルバムのリミックスのような出囃子の中を、防菌服を着たサトケンさん登場。博多同様にまたしても福間さんのPowerBook2400c(Macのノート)にバイオハザードマークをペタリ☢。
元々「廃棄物扱いされたものはステージで使えない」的な演出があるツアーですが、しかしこのPCはタイナコの動作を制御してるマシン。まさか博多に続き、大阪でも出演できないの…??

銀タルボにもペタリとバイオハザードマークを貼り、さらに平沢さんのキーボードスタンドにも貼り付けてサトケンさんは退場。入れ替わりで小西さんと福間さんが登場。

『論理空軍』
イントロの間に平沢さん登場。小西さんは例のごとく「超ゴツいシンセを強引にストラップで吊るしてショルキーとして弾くというか、全力で鍵盤を殴りつける」という力技の演奏で大暴れですが、本日は平沢さんも激しめのギター演奏で応戦。ライブアレンジだとかなりがっつりギターが入るの良いですね。

『回収船』
さて、通常ならこの曲からタイナコ登場ですが、冒頭でPB2400cにバイオハザードマークが貼られてしまったので果たして…?と思っていたら、福間さんがシールをべりっと剥がして客席へ放り投げると、見事スクリーンに映し出されるTAINACO-e!という、大変ニクい演出。

この時の福間さんの手際があまりにも鮮やかだったので、気を取られてあまり覚えていませんが、多分平沢さんもキーボードスタンドに貼られたシールを剥がしていたはず。そして福間さんと違って客席に投げるほど優しくないはずw

歌い出しの「Sailer」の部分では、福間さんが歌メロに合わせて

1. 「セーイ」で2本指をこめかみに当てて
2. 「ラー」で外側へチャッ☆とやる

という振りを。

こちらは元々、関西勢の一部のお嬢さん方が独自にやっていた振り付けだったと(※当時のP-MODELが振り付けの多いバンドだったのでユーモアも込めてやってたのではないかと)記憶してますが、何と本家が逆輸入(?)。ご当地はサービスが違います。福間さんはファンの参加できるネット企画を開催してくれるなど、こういうノリの良さがあったので、ほんとモテモテ。

【MC】

今日が終わればもう追加公演を残すのみ。最終日の東京では「VIRTUAL LIVEの曲も演奏する」ことが正式決定したそうで、これから構成順序を練るとの告知。今のP-MODELによる1st曲のサルベージですから、期待しないわけにはいきません。

そしていつも通り「素晴らしいプロモーションビデオ」という表現で『論理空軍』のPV紹介をする平沢さんでしたが、「素晴らしい」を連発し過ぎて、最終的には「素晴らしいP-MODELのプロモーションビデオ」と仰っていて、どっちにかかる形容詞ですかw

さて、博多では客席のユンカースのプラモデル2機を、

「我々も帰り際には3台、楽屋に欲しいものです」
「我々は本日楽屋に届くユンカースに乗って旅を続けて行きます」
「本日楽屋に届けられるユンカースに乗ってさらに進みたいと思います」
「我々は楽屋に届くユンカースに乗って大阪東京へと向かいます」

と4度に亘って丁寧にカツアゲした平沢さんでしたが、本日も

「我々は心のユンカースに乗ってツアーを実施中です」
「福岡では1機半届けられましたが、不十分です」
「我々が乗るには更に多くの台数が必要です」
「自宅用とか…」

と、更なる丁寧なカツアゲ。

いやまて何だその「心のユンカース」って。
あと何だしれっと「自宅用」って。

ちなみに福岡で「1機半」なのは、カツアゲされたうちの1機が客席で墜落して半壊していた為ですがw、ケイオススタッフの方に訊いた後日談によると、ちゃんと接着剤で直したとのこと(!)。「REDOで何千回でも試みる」を地で行くスタイルとは流石です。

『HEAVEN2000』
間奏で平沢さんと小西さんがデストロイセッションをしてくれがちなこの曲ですが、本日は平沢さん1人で大暴れ。この日は全体的に機材の調子もよく、ライブパフォーマンスも好調だったように思います。

『Mind Scape』
間奏のシンセは、小西さんによるJP-8000手弾きソロ。こんなにちゃんとしたシンセソロなのはこの曲ぐらいだったかも(※殴りつけるのはちゃんとしてない扱いとします)。ソロ終わりで音楽的に何かキッカケがあるらしく、間奏中に福間さんが小西さんをじっと見つめていたのが印象的。

小西さんは右手でメロディを、左手でモジュレーションを調整しながらの演奏でしたが、身体がちょっと斜めになるせいで、お衣装的に完全に「木材をカンナで削っている棟梁」でしたね…。

注)当時の小西さんのお衣装(イメージ)

比較的ゆったりとした感じの曲ですが、福間さんは倍の拍数。平沢さんはさらに倍で拍を取ってらして、面白かったです。聴いてる音が違うんですねえ。

『衛星ALONE』
間奏のシンセソロがこれまでにないアレンジ。COLORSの間奏にちょっと似ているような、メロディを逆から弾いたような。違う曲の逆再生のメロディを入れるのは平沢さんお得意の技なので、案外本当に逆だったのかも。

『ローレシア』
間奏は、平沢さんのデストロイギター&福間さんのデストロイシンセ。
福間さんは

1. JP-8000に右脚でカカト落としを喰らわす
2. その右脚を膝から足先まで鍵盤の上にベタっと横付けで乗せて
3. 膝の辺りにほお杖をついて
4. 客席を向いてにっこり

ちょっともうカッコいいってレベルを超越してるんですが大丈夫ですか現代の皆さん(?)。当時の私も「モデルのポージング!オータムコレクション!」などと書いていた辺り、まったく大丈夫ではなかったです。ファッションモデルはそんなことしない。

『ENOLA』
ご当地という事もあってか、小西さんは道頓堀1号を演奏したままステージをくまなく移動してくれて、サビ辺りで福間さん側へ。

▼道頓堀1号とは
センサーパッドが5つ(上段2つ・中段中央1つ、下段2つ)並んだアクリル板を、駅弁売りのように黒いプラチェーンで首から下げ、ドラムスティックでパチパチと叩く小西さんの自作楽器。ありがたいお坊さんのシール付き。

いつもだとサビ後はすぐご自身のポジション(舞台下手側)へ戻ってしまうのですが、今回は2番の間ずっと平沢さんと福間さんの間に立ち、演奏を。ありがてえ…。しかしこの楽器、傍に来られるとアクリルのパチパチ叩かれる音が生でガッツリ聴こえてすごい。

小西さんは演奏をしつつも福間さんを(わざと)ジッと見つめたり、福間さんのPB2400c(タイナコの操作をしているPC)を覗き込んだり、絶妙にちょっかいだしてて面白かったです。

【MC】

2回目のMCはTAINACO-eの紹介というお馴染みの流れ。
福間さんの操作で激しいドラミングをしたのち、最後に盛り上がったところで、田井中さん独特の「歯を食いしばった例の表情」がスクリーンいっぱいになると😬🥁、客席から「かわいいー!」の歓声が上がりましたが、全員正気に戻りなさい。

平沢「(振り返りながら)実写のインパクトが強すぎて、次の製作者は今ごろ泣いている事でしょう…しかし我々は応援しています。応援はラクです」

ハハーン最後のは我々に対する当てつけのおつもりですね。知らないでしょうけど、こっちは応援するだけなのになぜか毎度色々変な事させられて大変ですし!(?)

結果的にはタイナコシリーズはこれで打ち止めになった(2020年現在)訳ですが、この口ぶりだと、当時は続き(バージョンアップ)がある想定だったのかもですね。真相は平沢さんの心の中。

『DUSToidよ 歩行は快適か?』
東京に近づく程、平沢さんの「ハイ✋」が力強くなってる気がします。
この曲が終わると3人退場、すると客席では一斉に下記のウチワを取り出してスタンバイ。

画像1

大きめの写真は平沢博物苑こちらを参照

実は開場前、関西のファン有志が「(結成20周年記念という事でメンバーにはナイショで)1回目のアンコールの時に「P-MODEL20執念記念特製ウチワ」を振るってみませんか?」という企画を仕込んでおり、多くの人が事前に配られたこの特製ウチワを、こっそり隠し持っていたのでした。

【アンコール】

「P-MODELに皆でイタズラを仕掛けてやるぞ」という気持ちなので、客席は「早く出て来い😙」とニヤニヤして高めのテンション。そして既に客席はギュウギュウで暑いので、このウチワがまた便利。

ほどなくしてメンバーが再登場しましたが、歓声と共に大量のウチワが振られる光景に福間さんが思わずギョッとした顔をしてしまったものの(小西さんはサングラスで不明)、さすがは芸歴の長い鉄面皮のヒラサワ、これぐらいでは全く動じない。

が、曲紹介で

平沢「じゃ、サバイディールー」

お師匠そんな曲名じゃないです。

『welcome』
「遥か僻地の…」のコーラスに間に合うよう、小西さんが自ら譜面台とマイクスタンドをステージ裏から持参する曲ですが、マイクが間に合わず、なんとガイコツマイクを持ち運びながらの歌唱。ロック歌手だ!(?)

いや、大工の恰好したサングラスでスキンヘッドの人がガイコツマイク持って歩きながら歌ってるの、ほんと意味分かんないですね…。もちろん最高にカッコ良かったです。

サビでは客席が一斉に特製ウチワを振り上げて大盛り上がり。これがまた壮観!平沢さんのギターもサビに入る時に唸りをあげたりと、客席の熱がステージングでフィードバックされた感じがして非常に良かったです。

【アンコールその2】

メンバー退場。この際に福間さんが暗がりでつまづいたので一瞬ヒヤッと。

そして当然タダでは帰らない大阪人。開演前の「VIRTUAL LIVE用の歓声録り」でやった「麦茶くれ」を文字って「ウーロン茶くれ」(語呂悪いw)コールが発生するわ、一方で客出し音楽で流れていた「KAMEARI POP」(VIRTUAL LIVE-1版)に合わせて歌い出すわで、最終的に


HEY! YOU

THIS SONG

IS POP

\ ウーロン茶!! /


という歌になってました。何やねん大阪。

【関西人の恐ろしさ】

ほどなくしてメンバーが再登場。
ウチワを振って大盛り上がりの客席を見た平沢さんが

平沢「…今、字が読めました。我々は「寿司」と読んでいました」

画像2

寿司ー!!(ズコー

画像3

確かに「寿」が「寿司」に見えなくも…いや楽屋で「何あれ?」「寿司?」「寿司?」って3人で会話したのかと思うとお腹痛い。寿司へのツッコミと笑いと歓声と、20周年おめでとー!の声援とで、完全に収拾がつかず湧きまくる客席に一言。

平沢「ハイ、負けました」

80年代の「麦茶くれ」コールもそうでしたが、電子悲劇ツアー大阪では今回と同じ首謀者に三三七拍子で音頭を取られ、通常は無いアンコールに引っ張り出されたP-MODELは、今回もまた関西人の恐ろしさを知るのでありました。時代的なものもありますが、どちらも「ファンのイキった扇動」にならなかった辺りはお見事でしたね。

引き続き湧きまくる客席を「よろしいでしょうか?」と諭して、例によって今回のツアー会場で配られるアンケート企画(メッセージ欄に何か書いて提出すると、VIRTUAL LIVEの2か3のCDケース内にランダムに封入される)の説明。

回収したメッセージと出荷されるCDの量は合致しないので、封入されていないCDも当然あるとのこと。間違っても「メッセージ入りのが当たるまで買わせよう」という悪徳商法ではなく、ただの遊びなので加担しなさい等々。なるほど、そういった意味でもメンバー直筆のメッセージは無いという事だったのでしょう。

『Black in White』
最後はこの曲。グネグネの激しいステージングの勢い余って、ドリンクの水をこぼしてしまう福間さん。床を拭くローディーさん。遠慮しつつもしかし激しい脚のステップは一切辞めない福間さん。手早く、しかし非常に険しい顔で拭くローディーさんwという構図が面白かったです。(※いつ見ても険しい顔だったので多分そういう地顔のお方です)

サビでは客席のウチワも振り上げられ、またしても壮観。(サイリウムとかごついペンラが主流になる前の)アイドルのコンサート感ちょっとありましたね。寿以外は髑髏とバイオハザードマークの不穏すぎるモチーフで、アイドル要素ゼロでしたけど💀☢🍣

かくして、本日も客席のユンカース(PVよろしく顔もついている)は丁寧にカツアゲされ、「P-MODEL20執念記念特製ウチワ」と一緒に楽屋に奉納されたのでありました。

さぁ次は追加公演。その名も「音楽産業廃棄物取扱技能者総決起集会」!暴走族じゃん。

という感じで改訂レポを終わります。

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