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【コラム】海外協力隊の実態

国際栄養士の太田旭です。
私は2012~2015年まで海外協力隊(旧海外青年協力隊)の栄養士として中米へ渡り、帰国後は現所属先で国際的に栄養改善事業を実施しています。そんな背景もあり、海外協力隊や国際栄養に興味がある方からよく進路の相談を受けることがあります。今回は海外協力隊制度の紹介と、志す方からよくある質問について紹介したいと思います。

海外協力隊とは

海外協力隊とは日本国政府が行うODAの一環として、外務省所管の独立行政法人国際協力機構 (=JICA) が実施する海外ボランティア派遣制度です。元々は青年海外協力隊と呼ばれ20~39歳の年齢制限があり、40歳以上は シニア海外ボランティア と区分されていました。それが2018年に制限が廃止され、69歳まで応募が可能となっています。募集期間は年2回(春と秋)。募集される分野は農林水産・保健・医療・観光・教育・スポーツなど120以上もの職種に分かれています。この制度に応募して、毎年約1400名の日本人が途上国へ2年間派遣されています。

ここからは海外協力隊の応募に関してあまり知られておらず、よく質問を受ける事項について紹介します。

何も資格がなくても応募できる職種がたくさんある
栄養士職種への応募は栄養士の資格が必須条件となっていますが、特に資格を問われない職種に応募して、栄養士隊員と同じような活躍をすることもできます。いくつか例を挙げると、小学校教育職種で応募し、学校にて栄養を切り口に教育を実施したり、コミュニティ開発職種や家政・生活改善職種へ応募し、食・衛生を切り口に教育を求められ、実施したりするという場合もあります。

無給で全額自腹というわけではない
派遣される国などにより金額は異なりますが、居住費・交通費・安全対策費・健康管理費などが含まれる一定の金額が支給されます。ぜいたくをせず普通に現地で暮らしていれば不足するような額ではありません。

派遣国の語学力がゼロでも応募できる
様々な言語を使って活躍している海外協力隊員ですが、英語を含む11言語のいずれかで応募が可能となっています。

応募の段階で希望する派遣先の言語スコアを習得していなくても大丈夫ということです。合格し派遣国が決定後にはweb上で学習したり、派遣前に参加する約2か月間の研修に参加したりすることで、基礎を習得できるレベルにまでみっちり勉強することができます。

太田旭


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