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裏表を間違えない=できた!が増える┃「裏表のない世界」 モニターインタビュー vol.3 髙村陽子さん

コンプレックスに悩むのはやめにして、みんなが自分の「弱さ」や「苦手」を生かせる社会づくりをめざしたい。

そんな想いでオールライト研究所のメンバーが手がけたプロジェクトの第1弾「裏表のない世界」から、裏表のない服が誕生しました。

もっと言えば前後もありません。すべての着こなしが正解。そんな服をモニターさんに使っていただいて感想を聞いてきました。今回は3組目、髙村陽子さんのインタビューをお届けします。

髙村陽子さん
特定非営利活動法人クルーズで福祉啓発活動・障がい者施設支援活動に従事。保育士や福祉施設職員をしながら、先天性小頭症の息子さんと、娘さん、旦那さんとの4人暮らし。

出会いのきっかけ

ー 元々プランナーの「きょー」さんとお知り合いだったとのことですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

息子が障がい児施設に通っていた頃、障がい者の方が手作り製品を売りに来られることがあったんです。

縫い目や仕上げは丁寧で完璧なんですけど......おしゃれに日常的に使いたくなる製品というよりかは、1つ500円で購入したら気持ち的には寄付してる感じになるような。

その時にすごく残念だなと感じたんですね。生地や包装にもう少し力を入れて「かわいい!素敵」と思える商品にしたら、きっと適正な形で売れるのにって。

その数年後に、障がいを持つ人が作っているけど、キラキラした素敵な商品をフェリシモさんが販売し始めたことを知ったんです。「可哀想だから買ってあげてください」ではなくて「こんな素敵な物があるのでよかったらどうぞ〜!実は障がいを持つ方に作ってもらってるんですけど」みたいな感じのカタログ (CCP/チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト) を見つけて。

私、高校生の頃からフェリシモユーザーなんですよね(笑)。で、うわ!このカタログが欲しい!と思って、メッセージ付きのメールをお送りしたら「きょー」さんからお返事をいただいて。それがきっかけですね。

息子が周囲のみんなに親しまれるようになったら、生きていきやすいじゃないですか。

きょー)まさにそういう想いで作っていたので、メールをいただいてすごくうれしかったのを覚えています。私と同じ、障がいをお持ちのお子さんのいるお母さんがそんな気持ちでカタログを見て、商品コンセプトに共感してくださったのがすごくうれしくて。

そこから少し経って、CCPで障がいのある方たちのことをもっと知ってほしいという想いで作っていたブログで髙村さんに連載をお願いしたんです。

髙村)もう拙くてアホな連載なんですけど(笑)息子の子育て日記というか、娘も出てきてわちゃわちゃの。

きょー)髙村家のすごくおもしろい毎日が楽しく描かれていて、障がいをお持ちの方やそのご家族ってすごく大変なんだけど、こんなにも明るく暮らしているんだという内容で。

髙村)私の座右の銘は「人生はネタばかり」なんです(笑)。人生で起こる色んな出来事をできるだけネタにしていくというのを信条にしています。辛いことがあってその時は無理でも、何年か後には人を笑わせられるネタになる!と思って生きています。

こういう話ってネガティブになりがちというか、愚痴っぽくなると聞かされる方もしんどいし......だからなるべくさらっと笑える話にしたいんですよね。そうしたら、聞く方も「そうなん!?」って一緒に笑いながら聞いてくれて、いずれは、障がいを持つ人や家族がより社会に馴染んでいけるんじゃないかなと。

息子が周囲の人たちに親しまれるようになったら、きっと生きていきやすいじゃないですか。必ず人の手を借りなければ生きていけない子なので。

もちろん最初は、かなりの落ち込みもありました。けれど私は息子を「おもしろい子に育てよう!」って思ったんですよね。おもしろかったら、関西ではなんとかなるやろ!って(笑)。それから25年経ちましたが、成功だったなって思ってます。

きょー)というように、すごく前向きなキャラクターで、CCPのカタログにも出ていただいたりと長いお付き合いなんです。

福祉発だと、機能性優先でおしゃれは後回しになりがちだけど

ー 最初に「裏表のない服」の話を聞かれて、率直にどう思われましたか?

髙村)最初はリバーシブルみたいな感じかな?と思ったんですけど、本当に裏表のない服なんだ!って驚きました。リバーシブルは裏と表で違う柄だったりしますけど、縫製を見て更に驚きましたね。大変だっただろうなと思いました(笑)。

このおしゃれな感じは、マイノリティーだけじゃなくてみんなが着れるということだと思うんですけど、障がいや福祉発の服となるとどうしても機能性が優先されておしゃれは後回しみたいな所があるんですよね。でも、せっかくだったらおしゃれな物を着たいじゃないですか。私自身おしゃれするのが好きなので。

ー 実際に着てみられていかがでしたか?

髙村)着てみてもやっぱりかわいかったです! Tシャツの後ろ側の襟ぐりが結構開くかな?と思っていたんですけど、着てみたら全然そんなことなくて。すごくかわいいシルエットでした。

息子は身長が150cmないくらいなんですけど、それでもちゃんとしっくりきたんですよね。ダボっとするんですけど、それはそれでかわいいというか。なので、これは本当に考えて作られたTシャツなんだろうなと思いました。

ー ダブルガーゼパンツの方はいかがでしたか?

髙村)もう、これは絶対に仕事着としても普段着としても使いたいと思いました。

着てみた時に、「私…すごい似合ってるわ〜」って思ったんです(笑)。裏返しにしてみたり、前後ろ反対にしてみたりして、どれも似合ってる〜!って。私ガリ子(痩せ)なんですけど、いい意味でカバーしてくれるのもうれしかったですね。

裏表前後ろのないまるっとダブルガーゼパンツ〈グリーン〉

娘も気に入ったみたいで、修学旅行に持って行こうとして(笑)。でも、サンプルでお借りしている物だからって止めたんですけど。

形もかわいいし、キレイに着られるし、これもすごく手間をかけて作られたことが分りました。

前後ろを間違えない=「できた!」しか起きないということ

ー 息子さんにも着ていただけましたか?

髙村)「風太」は自分でかぶる動きなんかは難しいのですが、首まで通したら、手を伸ばすなどの動きは手伝ってくれます。このトップスはすごくスムーズに着れました。

なかよし学級の先生をしている友達にこの服の話をしたら、「めっちゃいいやん!」と言ってました。前後ろがないということは、前後ろを間違えないということで、それは「できた!」しか起きないということだからって。

褒めるってことは普通の子育てはもちろん、障がいの子たちにとってすごく大切なことなんですよね。障害児支援の中ではよく言われていることなんですけど。とにかく褒めることをたくさん増やして、うれしい気持ちが増えることで、結果的に良い行いも増えていくみたいな考え方があって。私は大賛成。それをふまえて、息子も褒めてほめて面白い子に育ててきたつもりです。

保育の専門家としては前と後ろを認識したり、裏表をひっくり返すという技術を教えたり、子どもたちが覚えるということはもちろんとても大事なんですけど。そこまで行けない子もやっぱり何%かはいるんですよね。そういう時に「どうして出来ないの?」とか、「また間違えてる!」とかの言葉って、言う方も、言われる方も嫌になるんじゃないかなって。

それが、「自分でできた!」とか、「この靴下だったらできる!」に変わるって、すごく大きいことだと思うんですよね。これができたから、「よし次はあれにチャレンジしてみようかな!」にきっと繋がる。

それに、老人になったら障がいの有無に関わらず介護が必要になりますよね。その時も同じだと思うんです。不自由になった老人の方だって、間違わずに着れたらきっとうれしいですよね。そういう世界って素敵だなって思うんです。

まあ、裏返しに着ても笑って済ませられたら、それはそれでいいと思うんですけど(笑)。でも、そうじゃない人もたくさんいると思うので。私も最初からこうだった訳じゃないですし。だから、この発想が素敵だなって思うんです。

ー うーん、なるほど。とても参考になるお話をありがとうございます。ちなみに、靴下はいかがでしたか?

髙村)この靴下ってサイズがすごく幅広いですよね、それにまず驚きました!家族の中では足が大きい娘にも、足の小さい息子にもピッタリと大丈夫で。すごくフィット感が良いんですよね。

個人的にはつま先の縫い目がどうなってるのかな?と気になって見てみたら、縫い目がなくて「これ本当に裏表ないやん〜!」って、これは本当にすごい......こんなことができるんだなって。衝撃でしたね。

靴下って一番裏返しになりますからね。

ー そうなんですよね〜!

髙村)息子は膝が伸びないので空気椅子みたいな状態で歩くんです。かかとが常に浮いてる状態のまま、めちゃめちゃ歩くので、靴下のいつも同じ場所に穴が開くんです。

でもこの靴下なら穴が開いた部分をずらせばまだまだ使えるから、1足で4足分は使えるんじゃないかなって(笑)しかも1足から買えるって聞いて、めっちゃ良いやんって思いました。

この靴下も成功体験が増えますよね。靴下ってワンポイントが付いていると左右の違いが気になってしまうんですけど、この靴下は無地なのでそこも良いなと思いました。

あと、プレゼントにも良いなと思っていて、靴下ってプレゼントしやすいじゃないですか。特にこの靴下は話のネタにもなるし、絶対によろこんでもらえると思うし、これからはこの靴下をプレゼントしようと思っています(笑)

ー 良いお話がたくさん聞けました、ありがとうございます。最後に何かあれば。

髙村)実はひとつだけ残念なことがあって......以前に旦那さんと洗濯物を裏返しのまま出す出さないで揉めたことがあって。それ以来、旦那さんにはわざと裏返しのままできちんと畳んで返してるんです。でもこのTシャツだとその意地悪ができなくなるなと。それだけが......(笑)

ー その点だけは困ったことになりましたね(笑)。最後にオチがついたところで締めたいと思います、本日はどうもありがとうございました。

髙村さんにモニターしていただいた商品はこちら

オールライト研究所 みんなにやさしくかっこいい 裏表前後ろのない シルケット加工できれい見え ポケットTシャツの会
月1枚 ¥4,980(+10% ¥5,478)


オールライト研究所 みんなにやさしくかっこいい 裏表前後ろのないまるっとダブルガーゼパンツ
1本 ¥5,980(+10% ¥6,578)

〈ブラック〉

〈グリーン〉


オールライト研究所 みんなにやさしくかっこいい 裏表前後ろのないすっきりフィット靴下の会
月1足 ¥1,900(+10% ¥2,090)

〈ネイビー〉

〈グレー〉