見出し画像

「黄金の3日間」に伝える「3つのたま」の話

皆さんは、学級開きでどんなお話をされますか?第一印象がその後の関係にも大きな影響を及ぼすことは、一般的によく知られた事実かと思います。また、「黄金の3日間」という言葉もあります。学級開きの出会いからの3日間の指導が、その後の学級経営に大きな影響を与えるということです。私は、1年生の担任を引き受けてから、半日で子どもたちと出会うので、かなり慌ただしく当日を迎えました。学級開きで低学年の子どもたちに伝えたい、大切なことを伝える指導実践が「3つのたま」の話です。

夏休み明け、久しぶりに登校した子どもたちは、担任が変わったことを校長から告げられます。前任の先生に会えることを楽しみにしていた児童もいるでしょう。心の切り替えができていない中で、学級開きをする。かなり厳しい状況からのスタートになることが予想されました。

私は、指導教員であった一年生を担任するK先生から教えていただいた「3つのたま」のお話を学級開きですることに決めていました。K先生が担任をされていた1年生は、自ら考えてテキパキと行動し、協力して活動していました。初任研では、年間を通して毎週1回、K先生の授業を見る機会があり、低学年の指導を具体的に学ばせていただきました。私が最初に1年生を担任したのが、16年前、最後に1年生を担任したのが10年前です。過去2回とも「3つのたま」のお話をしました。その時は、子どもたちの心に届いたように思います。先輩教員から継承した指導は現代の子どもに届くのか?いつの時代も変わらない効果的な指導はあるのか?そんな思いもあり、私自身は、わくわくした気持ちで、当日を迎えました。

簡単な自己紹介をし、前日に作成した3つのたまの掲示物を見せ、「しんせつだま」、「はっけんだま」、「ねばりだま」のお話をしました。
掲示物は、丸いかたちの中に、はっけんだまなどと書かれた印刷用紙をラミネートしたものです。しんせつだまは黄色、ねばりだまは赤、はっけんだまは、緑色です。

3つのたまの話を簡潔にすると、
「しんせつだま」、親切にされたら嬉しいよね。ありがとうって言われたら嬉しいよね。
「はっけんだま」、自分で発見して自分から行動しよう。
「ねばりだま」、粘り強く取り組もう。
みんなの心の3つのたま(宝物)を磨いてね。
という話です。

実際に話すときは、具体的な例を挙げて伝えました。1年生の子どもの表情を見て、理解を確かめながら話を進めます。具体的な例を挙げるときは、子どもたちが、うんうん、と頷くような例を挙げることが大切です。

例えば、「お勉強、嫌だなぁ、面倒だなぁ、疲れたなぁ。といった気持ちになることもあるよね。そんな時はどうしたら良いかなぁ。粘り強く頑張ったら良いことがあるかな。そうだね。みんなで、励まし合って粘り玉を磨こうね。」といった感じです。

あの日の出会いから、半年が過ぎました。先週の朝の会で子どもたちが考えた今日のめあては、「しんせつだま、はっけんだま、ねばりだまをがんばろう」でした。子どもたちは、「しんせつだまだね。」、「〇〇さん、はっけんだまだね。」と互いの良さや頑張りを認め合いながら日々成長してきました。先輩教員から継承した指導は現代の子どもに届いたと感じます。いつの時代も変わらない効果的な指導はあるとわかりました。

私の実践が、皆さんの「黄金の3日間」の参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?