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いちごだけを食べる彼女

彼女とは数年前、Sさんの講演会&お食事会で出会った。

その会に私も彼女もそれぞれ1人で参加していて、席が隣だったことが知り合うきっかけだった。

講演会はいきなり参加者の自己紹介から始まり、それを見ていて
「あ、なんかちがう…」
とすぐ分かってしまった。

そこに来ていた人たちは、「ここで何か得て帰りたい!」というエネルギー満載の方々で、ただSさんのお話を聞いて、ついでに美味しいものを食べれるなんてラッキー♡という私とは全く種類の違う人たちに思えた。

なので居心地がめっちゃ悪かった。

食事会が始まると、「今お仕事何されてるんですか?」と話しかけに来られたり、「今度イベントするのでFacebookでつながりませんか?」とか
色んな人がただつながりを広げるためにここに来ているような感じだった。

食事は美味しかったけどそんな雰囲気にやられてしまい、もう帰ろうかと
思っていた時、私と同じように席を移動せず目の前のごはんを黙々と食べている隣の彼女に話しかけてみた。

私:「美味しいですね」
彼女:「そうですね」

最初はそんな何気ない会話だったけれど、彼女も私と同じようにその場の空氣が苦しかったようで、ぽつりぽつりと話しをするようになった。

そして最後のひと皿が終わった瞬間
「帰りましょう!」
とそそくさと2人で会場を後にした。

その時の帰り道のことは今でもよく覚えている。

私 :「あーしんどかったー」
彼女:「ごはんが美味しくなかったら途中で帰ってたよね」
私 :「話の通じる人が隣にいてよかった」
彼女:「私、あそこで交換した人たちのアドレス、全部消すんだ~」
私 :「!!!」

その頃の私は、まだ自分を責めるクセが抜けなくて、エネルギーテイカーの
人たちが集う場だったにも関わらず、その場に馴染めなかった自分のことを
「弱っちい」とか「社交性がない」など、どこかで思っている自分がいた。

そんな時彼女からの「アドレスなんていらないもん。すぐ消すよ」のセリフに衝撃を受けたのだった。

「この人自分をちゃんともってる。すごい!」

駅までの道すがら簡単なお互いの自己紹介をし、別れ際に「また会いましょうね」と言って別れたのだった。

それから数か月後、彼女から連絡があり
「今度大阪に行くのでごはんでもどうですか?」

とのお誘いを受け、それ以来彼女が大阪に来る時はホテルでゴージャスなランチビュッフェを楽しむ間柄になった。

そんな彼女がいつもステキだなぁと思うのは「ありのままの自分」をまるっと受け入れているところ。

ホテルのビュッフェだろうが何だろうが自分の好き嫌いを表に出すことを
躊躇しない。

例えば彼女はいちごが大好き。
なのでデザートにいちごのタルトが出ていれば3つタルトをとってきて上にのってるいちごだけ食べて下の生地は食べない。

ホールで出ているチョコケーキの上にのってるいちごだけとってきて食べてしまう、とかまるで子供のような行動に笑ってしまうのだけれど自分の欲求に素直な姿が見ていて氣持ちがいい。

タルト生地だけが残ったお皿を係の人が下げる時にも
「ごめんね~。美味しくないわけじゃないの。いちごが好きなだけなの」
と言ってしまえるところもステキだなぁと思う。

どこにいても「自分」というものを持っている人は強くて魅力的だ。

それ故、風当りが強いことも多いらしく、人からあれこれ批判されたりもするらしい。

きっとその人達は自分がやりたくてもできないことを彼女がサラリとしている姿に嫉妬しているのだろう。

周りに何を言われても「だって私これが好きなんだもん!」と言ってありのままの自分でい続ける彼女をかっこいいと思う。

彼女に大きな愛を感じるのは、会う度にその姿に言動に「あなたもそのまんまでいいんだよ」と言われているように感じるからなのだろう。

彼女のエッセンスをもらって私も堂々と自分でありたいと思う。









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