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2022年12月期通期決算に関するご質問にお答えします

アライドアーキテクツでは、投資家の皆様への情報発信の強化とフェアディスクロージャーを目的に、2023年よりIRに関する情報を公式noteでお伝えしていくことにいたしました。公式サイトのIRページと合わせてご覧いただけますと幸いです。
 
アライドアーキテクツ 公式IRページ


今回は、先日2023年2月10日に発表いたしました2022年12月期通期決算に関しまして、同日に開催した決算説明会における投資家の皆様からのご質問に対する当社代表中村の回答をまとめてご紹介いたします。
 
※回答内容はご質問をいただいた時期により多少変化する可能性がございます。今回の回答につきましては2023年2月10日時点での当社方針とご理解ください。

2022年12月期通期決算説明資料はこちらからダウンロードしていただけます。


Q:2022年の業績についてですが、売上高は期初予想を据え置いていた形で、若干未達の着地であったのに対し、なぜ営業利益は期初予想からプラス20%近い上振れになったのでしょうか。

A:利益面に関しましては、元々成長投資のために予算を大きめにとってあったこともありますし、粗利率が改善してきているということもあります。売上に対して利益額が多い状態を昨年から作ることができ、非常にいい体質を持てたかなと思います。


Q:第4四半期でG&Aコストが減って、R&Dが増加したのはなぜでしょうか。

A:第2四半期、第3四半期はG&Aにおける特殊要因、例えば海外SaaSの日本拠点の設立やソリューションにおけるM&A等がありましたが、第4四半期は特にそういったものがなかったので、G&Aコストは減少しました。

R&Dに関しましては、国内SaaS事業の開発センターをベトナムに持っていますので、そちらへの業務委託費において円安の影響を受け、第4四半期は増加した形となりました。


Q:2022年は将来の成長に向けた投資の年ということでしたが、投資実績は100点満点中何点でしょうか? また、将来に対してどのようなプラスとなりますでしょうか。

A:投資に関しては元々の計画よりも増加しましたが、増収効果が高かったので利益が上振れた状況になっており、決して投資を絞って利益を出したということではありません。各事業で2023年の飛躍に向けた投資はしっかりできたと解釈しておりますので、2023年の成長にご期待いただきたいと考えております。


Q:22年は第3四半期まで純利益を非開示とされていましたが、23年はレンジ予想とはいえ、期初で開示が可能なのはなぜですか。

A:22年は有価証券の売却損益などの影響を織り込むのが難しい状況でしたが、有価証券の整理が一巡し、想定外の要因が少なくなったため、今年は期初より予想開示ができる状況になりました。


Q:23年の方針に、グループの総合力によるさらなる成長という言葉がありますが、グループの総合力としてはどのような点が強みだと感じていらっしゃいますか。

A:コアコンピタンスのページでご説明した通り、これからはマーケティング支援のマーケットでは制作領域が伸びると確信しております。そして、海外SaaSで手掛けている3D制作における能力やネットワーキングというものに非常にニーズがあるだろうと考えています。

一方で当社がずっと手掛けておりますUGC(ソーシャルメディアによって生成されたコンテンツ)、それを企業が活用し、さらにユーザーがどんどん発信して、ファンを増やしていくというマーケティング手法において、我々がずっと培ってきているのも制作の部分です。

そして、この領域に対するソフトウェアの進化や、データを活用したオートメーション化などを考えていきますと、今現在我々が持っている事業資産というものが、今後の広義な制作領域において、非常に強みになってくると考えております。


Q:海外SaaS事業について、売上高の第3四半期から第4四半期の下がりは比較的軽微であるのに対して、ARRが過度な下落となっているのはなぜですか。

A:弊社ではARRを四半期末月のMRRの12倍と定義しております。ちょうど第4四半期末である12月に最大顧客の一時解約が発生し、その全てがストック売上であったため、MRRが大きな影響を受け、それを12倍する形で算出しているARRは過度な下落となりました。

一方で、四半期売上としては3ヶ月の内、影響を受けたのは1ヶ月分なので、このような差が生まれていると考えております。


Q:海外SaaS事業における最大顧客A社の解約は一時期、一時的なものというご説明がありましたが、一時解約とはどのような状態なのでしょうか?戻ってくる余地があるということでしょうか?なぜ一時解約されたのか、ご回答いただける範囲で教えてください。

A:年間契約に関しては一時解約という形になっていますが、今も当該顧客とはコミュニケーションをしっかり取れている状況です。
お客様側の事情でマーケティング制作活動を一時停止されるにあたって、弊社以外の外注先との取引においても一旦保留されており、一時解約の理由は弊社由来のネガティブな要因ではございません。当該顧客とは共に良いパートナーである認識に齟齬はなく、今後も友好な関係を続けていきたいと考え、顧客要望に応えた形です。

今後どのような計画を立てられるかはまだ分かりませんが、マーケティング制作活動は再開されるとは思いますので、そこには期待しつつも、今は他での成長に注力してまいりたいと考えております。


Q:海外SaaS事業において最大顧客A社が万が一戻ってこない場合に備えて、どのようなリカバリー策を考えていますか。

A:グローバルのゲーム市場は本当に大きいマーケットで、グローバルTop300のゲーム会社の広告制作費のマーケットだけで、1,944億円もあると我々は考えております。そういった意味で考えると、A社はもちろん非常に大きなクライアントではありますが、それ以外のTop300社への営業をしっかりと強化しきってなかったというところにリスクがありました。

今年はこのTop300社への営業をしっかりとやっていくことで、成長余地はまだまだ十分あると考えております。もちろんA社とのコミュニケーションも続けてまいりますが、「2024年末までにTop300社のうちの100社獲得」の目標に向けて邁進すること、そして既存顧客との向き合いをしっかりやっていけば、今年の後半にはリカバリーが十分可能であると見込んでおり、その後さらに大きな業績成長を続けていけると考えておりますので、そこをご期待いただきたいと思っております。


Q:アメリカがリセッションに入ると、海外SaaSの最大顧客以外の北米の顧客の解約は出ないのでしょうか。

A:最大顧客の一時解約の要因はリセッションではなく、A社固有の事情によるものです。確かにこれだけGAFAやSaaSカンパニーのリストラクチャリングが報じられる中では、やはり身構える部分もあるのですが、ただ、基本的にはゲームの業界というのは比較的リセッションの影響を受けにくいと考えております。

また、我々は、ブランディング的な広告というよりも、顧客獲得のサポートという性質の広告扱いが非常に多いので、そこへの広告出稿費の絞りは起きにくいと考えており、リセッション下においても力強い成長をしていける感覚を持っております。


Q:海外SaaSの新規顧客獲得の方法とコストの内容を教えてください。広告宣伝費への投資が増えるのでしょうか?海外SaaSの今後の北米以外の展開可能性もあわせて教えてください。

A:新規顧客獲得の方法ですが、メインターゲットとしているグローバルゲームTop300社というものは我々の中ではすでに想定があるお客様です。そのため、多額の広告宣伝費を投入するわけではなく、セールスパーソンによるお客様とのコミュニケーションを重視していく形になってくるかと考えています。

ターゲット顧客に対してしっかり接点を持つために、今年は業界の中でのコネクションを持っているメンバーがかなり入ってきてくれています。そして、今、アフターコロナの中で、カンファレンスや展示会の開催がかなり戻ってきていますので、そういったところでターゲット顧客との接点を作り、じっくりと説明して、我々の利用者になってもらうような活動をメインに考えています。

また、北米以外の展開に関しては、欧米ゲーム企業においては昨今、日本や韓国での売上が好調なことからアジア向けのマーケティング費用を増やす傾向にあります。我々は日本でのマーケティングに強みをもっておりますので、こうした新たな需要をしっかりと取り込んでいきたいと考えています。


Q:海外SaaSの世界Top300のゲーム会社の顧客目標数を、来年末に100社としていますが、この目標は到達可能な目標と考えていらっしゃいますか。2022年に顧客数があまり増えていないので、かなり高いハードルに感じております

A: 2022年は基本的に既存のお客様にフォーカスし、既存顧客からの信頼獲得をしっかりやっていくという方針でした。A社の件のように、既存顧客が大きくなりすぎたことによるリスクも顕在化しましたが、既存のお客様に満足いただく、お客様から大きなバジェットをいただくという状況を作るのに専念してきた1年であったと考えております。

一方で23年は、昨年より進めておりますインハウス化などによって高まった供給能力を使って新規顧客獲得強化にチャレンジしてまいります。セールス&マーケティング部分への投資は昨年あまりやってない部分でもありましたので、今年は大きくギアチェンジをすることによって、2024年末までに顧客100社を目指してまいります。


Q:サブスクリプションモデルのビジネスで下期偏重になる理由を教えてください。

A:海外事業の最大顧客A社の件が2023年の上半期に影響するとお伝えしておりますが、2022年の通期で計上しているA社からの売上4.4億円分がほぼサブスクリプションだった状況ですので、ARRの大きなへこみ分はどうしても(A社以外の)既存顧客の成長だけでは一旦補いきれませんので上半期は若干低調にならざるを得ないと考えております。

ただ一方で国内事業も、海外事業も、新規顧客の獲得をしっかりやっていくなかで、売上の手応えが出てくると思いますので、今期においては下期偏重の要素が多い1年と考えております。


Q:国内SaaSの「Letro」について従来は既存顧客に注力と説明されていたと思いますが、新規顧客獲得に戦略変更された背景を教えてください。また、今後も新規顧客を増やしていく計画なのでしょうか。

A:グループ全体にも言えることではあるのですが、2022年は既存顧客の深堀をしたというお話をしてきました。当社は基本的に、新規顧客を取っていく前に、既存のお客様と、とにかく何度も何度も反芻して、いい成果が出せるようなプロダクトに仕上げてから、拡大した方がいいという考え方を持っております。

その意味で「Letro」は昨年、既存のお客様と非常に良い成果を出してくれましたので、この基盤は新規顧客との取り組みでも非常に効果を発揮すると考えております。2023年は販売代理店との連携や営業人員の拡充にも取り組み、新規顧客の獲得を頑張ってまいりたいと思っております。


Q:2022年に1件、M&Aをされているかと思いますが、今後のM&Aへの注力領域や検討規模を教えてください。また、新領域の開拓、ビジネス化は何年ごろを想定されていますでしょうか。

A:M&Aの対象企業としては、既存の事業とのシナジーの高い企業の優先度を高くしています。2022年もソリューション事業とのシナジーを考えて実施させていただいたM&A案件となります。今後も我々の強みをさらに加速してくれる、もしくは持ってないものを補足してくれる会社とご一緒出来ればと考えております。

今後は新領域の部分も将来的な構想としてはございますが、既存の4つの事業をしっかりと深めていくだけでも、かなり成長できると考えておりますので、新たな領域についてはそこを軸に検討していこうというのが今の考えになっております。


Q:今後、企業の成長とともに、株主への還元は考えているのでしょうか?考えているのならば、どのタイミングでしょうか。

A:現在はまだ成長フェーズだと考えておりまして、人材拡充を中心とした継続的な投資をしております。ただ、配当など株主還元に関しては将来的にはもちろん実施したいと考えておりますので、まだ発表できる状況にはなっておりませんが、適切なタイミングで検討してまいります。


Q:22年の成長を牽引した海外SaaS事業にとって、上期は少し厳しい時期なのかなと思いますが、短期目線にとらわれず、これからも応援しておりますので、頑張ってください。質問ではないコメントですみません。

A:ありがとうございます!私たちが手掛けているマーケティングSaaSというのは、伸びるときは大きく伸びるけれども、やっぱり少しボラタイルな部分があるというのが特徴だなとは考えております。ただ、中長期的な目線は一つも変えておりませんし、我々が今築いてきているアセットというものが、これから開花していくところに入ってきていると感じておりますので、短期目線にとらわれずというのはまさにおっしゃる通りです。

株主の皆様には引き続き、我々の成長を長い目で応援していただければありがたく思います。


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