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アレグラは思ったより注意点が多い?

いつき博士です。
アレルギー患者教育向けサイトを運営しております。

ドラッグストアの鼻炎コーナーやCMで
よく目にするアレグラですが
効かなくなったかな
こんな時って飲んで大丈夫なのかな
なんて思ったことはありませんか?

市販のアレグラについて
どんなことに注意すべきか
処方薬とどんな違いがあるか
含めて勉強していきましょう。

1.そもそもアレグラとは?

アレグラは抗ヒスタミン薬と呼ばれ
1日2回の服用で花粉症などによる
鼻水やくしゃみを抑える薬
です。

アレグラの成分名は
フェキソフェナジン』となります。

個人差はありますが
抗ヒスタミン薬の中でも
脳内への移行が低く、眠気も出にくい
と報告されております。

ちなみに抗ヒスタミン薬は
花粉飛散時期の2週間前から
服用始めると悪化を回避できると考えられています。

2.アレグラの注意点はなに?

一般的にフェキソフェナジンで挙げられている
注意点について紹介していこうと思います。


2-1.食事の影響

食後で吸収率が15%低下することが
報告されています。

これはフェキソフェナジンが
脂肪に溶解しやすい性質
を持っているためです。

高脂肪含有の食事を摂取すると
脂肪とフェキソフェナジンが競合して
吸収されにくくなる
可能性があると言われています。


2-2.ジュースの影響

リンゴジュースにより
AUCが低下して効果が弱まる
ことが知られています。

AUCは簡潔に説明すると
どのくらいの濃度、時間で
薬がどのくらい利用できるか
を示したものです。

マニアックな話ですが
リンゴジュースにより
腸内のOATP2B1やOATP1A2が阻害され
吸収が低下すると言われています。

グレープフルーツジュースや
オレンジジュースでも同様に
阻害
されてしまうため
注意が必要となりますね。


2-3.医薬品による影響

アレグラ以外にも薬を
服用している方は少なからずいるでしょう。

下記に示した薬を服用している方は
注意が必要となります。

アルミニウム、マグネシウム含有製剤
⇒アレグラの効果が減少するため
 上記配合の頭痛薬や風邪薬、便秘薬は2時間間隔空ける

エリスロマイシン
 (マイコプラズマ肺炎、クラミジア等で用いられる)
⇒アレグラが効きすぎてしまうため
なるべく一緒に併用しない

抗ヒスタミン薬、市販の風邪薬
⇒自己判断で服用せずに医師、薬剤師へ相談


2-4.妊娠・授乳中

市販のアレグラには
下記のように記載されています。

・授乳中は避けるよう
・妊婦は相談

本当に使えないのでしょうか?

結論
授乳中でも妊娠中でも
安全に使用できると報告されています。

授乳中は避ける理由は
ラットによる試験において
母乳への移行があったからと考えられます。

ヒトにおいては基本的に安全に使用できますが
授乳中では下記2点に注意が必要です。

生後2か月はできれば避けること
血中濃度のピークを外すこと

妊娠時においては
オーストラリア分類B2
比較的安全に服用できることが
記載されています。

3.処方箋と市販での違い

先生に出してもらうアレグラと
ドラッグストアなどで購入できるアレグラ
実際に何が違ってくるのでしょうか

ここでは異なる点を下記に3つ示します。


3-1.効能効果の幅

市販薬:くしゃみや鼻水といった花粉症をはじめとするアレルギー症状の緩和ハウスダストによるアレルギー症状の緩和

医療用:花粉症、蕁麻疹、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎等)に伴うそう痒

市販薬は効果の記載が
鼻の症状のみとなっています。

成分は同じため
そう痒感にも効きそうな気もしますね。


3-2.年齢制限の違い

市販薬:アレグラFX15歳以上    
    アレグラFXジュニア15歳未満で7歳~14歳の小児

医療用:成人には1回60mg1日2回経口投与    
    7歳以上11歳の小児に1回30mg1日2回    
12歳以上の小児には1回60mg1日2回

市販薬と医療用で
小児の使用年齢
多少異なるんですね。


3-3.価格

1か月(28日分)の価格で比較していきます。

市販:アレグラFX 56錠包装 3,850円
(店舗ごとに異なります)
医療用:アレグラ 56錠   609.8円
(3割負担時の価格)

医療用は病院へ行く診察代
薬局で調剤報酬
というものが加わります。

行う検査等でも変わってきますが
診察代として2,000円程度です。

トータルだと市販より
病院でもらう方が
安くなりそうですね。

市販で安く購入する方法としては
以下2点があります。

フェキソフェナジンを成分として含む
 他の市販薬を購入する。

オンラインで安いところを見つける。

3.いつき博士の考察

アレグラを服用する上での
注意点を下記2点にまとめます。

①食事
・なるべく食事の前に服用する
・ジュースなどとはいっしょに服用せず水で服用する

②どんな方に注意必要か
・妊娠・授乳中
・頭痛薬や風邪薬などを併用

こんな時は?
といった疑問がある際は
医師・薬剤師に相談すると良いでしょう。

今回は医療用とも比較しましたが
有効成分は同様です。

そのため
すぐに欲しい方、受診の時間がない方は
ドラッグストアやオンライン

で購入することもお勧めです。

効かないから2錠服用して
用法用量を守らないなど
たかがアレルギー薬と甘く見ずに
しっかりと注意点を理解したうえで
購入することをお勧めします。

《参考文献》
医療用アレグラ添付文書
市販薬アレグラ説明文書
アレグラインタビューフォーム
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
果物ジュースと薬の飲み合わせ 公益社団法人日本薬学会