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【大学入試センターに詩を愛しているとは言わせない・02/13】共通テスト2018試行調査・国語第3問のリード文について

複数テクストの構成や前後関係、詩の読解

 【リード文】を読んでみます。

次の詩 「紙」(『オンディーヌ』、1972年)とエッセイ「永遠の百合」(『花を食べる』、1977年)を読んで(ともに作者は吉原幸子)、後の問い(問1~6)に答えよ。なお、設問の都合でエッセイの本文の段落に1~8の番号を付し、表記を一部改めている。(配点 50)

https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00035513.pdf&n=02-01_%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%86%8A%E5%AD%90_%E5%9B%BD%E8%AA%9E.pdf

複数テクストの構成をチェックしよう

 まず、複数テクストの出題は、リード文から、それらテクストの構成をつかまなければなりません。構成とは、この問題(2018年共通テスト試行調査第3問)のばあい、1972年に出版された詩集の詩と、1977年に発表された書物のエッセイとでできあがっているということです。

複数テクストの前後関係も意識しておこう

 つぎに、2つのテクストの発表年にも注目しておきましょう。つまり、詩は1972年以前に書かれたものであること。そして、エッセイのほうは77年以前に執筆されていることに着目しておくのです。おそらく詩がさきに書かれ、エッセイの執筆があとにくるのでしょう(もちろん、この前後関係は逆である可能性もありますが)。出題者がわざわざ、素材の文章がいつ発表されたのかを記しているのには、何らかの意味があるのではないかと推測しておくのです(このことを指摘している解説書はありません。ということは、模擬試験や対策問題集でシミュレートできないことを意味します。注意しておきましょう)。

詩とエッセイを関連づけよう 

 さらに、詩はそれだけで読んで理解するのがたいへんむずかしいものです。したがって、最初にエッセイを読んで、その内容をつかむようにしましょう。そうして、その内容に関連づけながら、詩のほうを読んでいくとよいでしょう。いわば、エッセイは詩のヒントになるのだろうと想定してみるのです。

 


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