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【大学入試センターに詩を愛しているとは言わせない・01/13】共通テストにおける詩の出題について

現代文講師は詩を愛しているか


 大学入試共通テスト国語2018年の試行調査は、詩が出題されました。

   もちろん、2021年からはじまったじっさいの共通テストは、文学的な文章ということでは、詩ではなく小説を取りあげていました。また、2022年は俳句を引いた設問があったとはいえ、ひとつの詩作品の読解を問うというわけではありませんでした。素材となる文章はあくまで小説です。

 しかし、2023年以降、詩を対象として正面から取りあげる可能性がないわけではありません。けれども、詩を読むのは、それほどかんたんなものではありません。実際、2018年の試行調査を受けて、塾の先生が詩の読解における迷いを正直に告白しているブログがあります。それに、過去問題集の解説には、著者の苦労がうかがわれるページもみられます。そうしたなかで、‘詩は情報量の少ない小説と考え、感情的表現だけ狙って線引きです’と一言で済ませる参考書が出版されました。さすがに危機感をいだかざるをえなくなりました。

   そこで、2018年の試行調査第3問(吉原幸子の詩「紙」と同著者による随筆「永遠の百合」を題材としたもの)にかんして、昨年末から今年1月末にかけて個人的に執筆したノートを、数回にわけて公開しようとおもいます。

   このノートは、もともとは、開業予定の塾の宣伝のために、書きはじめたものでした。読んでもらえれば、本文の読解法や設問の解法について、受験生に語りかけるかたちのものになっているということがわかっていただけるとおもいます。
 
 とはいうものの、書き終えたあと、それが必ずしも効率的な方法の伝授になっているというわけではないことに気づきました。したがって、高校生や受験生を対象としているとはいえないかもしれません。むしろ、指導者の方が大学受験における詩の出題についてかんがえるさいの一助としてもらえることをのぞんだほうがいいと結論づけるようになったものです。

問題はリンク先の26頁から34頁までのもの→https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00035513.pdf&n=02-01_%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%86%8A%E5%AD%90_%E5%9B%BD%E8%AA%9E.pdf


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