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さみしいも、たのしい


ついに実家を出る事となった。
彼女と同棲するためだ。もちろん楽しみも不安もある。

実家まで自転車で25分程度の場所に引っ越すのでいつでも帰れるとはいえ、さみしさもある。


僕は小学生の時、サッカーを習っており、夏の合宿が希望者のみの参加で、各地から大元のクラブが同じサッカー少年たちが集まるが、僕のクラブからは毎年何故か僕しか行かなかった。つまり、僕は知り合いがいない状態で二泊三日を過ごすのだ。
あれは本当に地獄だった。毎年行く前も帰ってきたも泣きたくなるほどだった。いや、泣いていたかもしれない。
だったら希望しなければ良かったじゃんって感じだけど何故か行ってた。なんでやろうな。

あの頃から事あるごとに僕はなんやかんや家族が大好きなんだと自覚させられた。

受験勉強で僕が疲労困憊の時にセキセイインコの雛をお迎えしてくれたり、交通事故を起こしてしまった時に相手の対応も良くなく僕の味方をしてくれたり、仕事がしんどかった時もいつも変わらずおにぎりを作って持たせてくれた。僕の大好きなシチューもたくさん作ってくれた。
親の反対を押し切って1人で京都に行った際は寂しくて家族に会いたくなって泣いた。
旅行に行った際も「無事着いた?」などのLINEを必ずくれる。

親って偉大だ。いくつになっても特別な存在だ。
「親が死ぬまで死ねない」と自分自身に言い聞かせる事で生き延びられたシーンが何度もある。
これから先の人生で親の死という最大の悲しみが待っている事がしんどい。


親元を離れるってこんな気持ちなんだ。
思えば思うほど寂しくなってしまう。
ただ、僕の幸せを願ってくれる両親の為にも僕は彼女を幸せにしてあげたい。

いつか「実家に帰るのがめんどくさい」なんて思ってしまう時があるかもしれない。
だけど、このさみしさは決して忘れたくない。

さみしいも、たのしい。

これは『ゆるキャン△ season2』のテーマでもある。

さみしい気持ちも大切に。
さみしさを噛み締める時間も悪くない。

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