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桜色に染まった知恩院 成人祝賀式


皆さんこんにちは。今年は例年より早く、桜の開花宣言を迎え、3月の下旬にはすっかり満開でしたね。そんな、鮮やかなピンク色に彩られながら3/25に京都の知恩院で行われた成人祝賀式に参加しました。

editor:京都外国語大学 2回生 河原のどか

母も参列した知恩院成人祝賀式

知恩院は法然上人が開祖した浄土宗の総本山。実家が浄土宗の小さな寺院で、そこで育った私にとって知恩院は馴染み深い場所でもありました。そんな場所で成人式が行われていることを知ったのは祖母とのなにげない会話からでした。


祖母:「のどかさん、成人式はいつやの?」


私:「2024年の1月やで」


祖母:「そうか、あんたのとこ(神戸市)の成人式はいまも20歳やねんな」


そう。成人年齢が18歳に引き下げられたこともあり、現在ではいくつの自治体で成人式を18歳以上を対象におこなっているところもありますが、私の地元の神戸市ではいまも20歳のみを対象に「はたちを祝う会」として実施されているのです。なので私の成人式は来年なのです。

祖母「ところであんたのお母さん、知恩院さんの成人式に出てはったんやで」

私:「え?!!」


私はとてもビックリしました。なぜなら知恩院は馴染み深いといっても国宝ですし、そんな大きなお寺の成人式に私の母が出席していたことが衝撃的だったからです。そこで母にも尋ねてみたところ、母は浄土宗の仏教系短期大学に通っていたこともあって、それで知恩院に成人式に参列したのだということがわかりました。そして、その話を横で聞いていた父が


「そういえばちょうどこんなお知らせが来てたよ」


と知恩院で毎年開催されている今年の成人祝賀式への招待チラシを見せてくれました。母が参加したというのもこの成人祝賀会のことです。


こちらは対象が18歳以上だったので、なんと私にも参列する資格があるのです。そしてちょうど来年の私の成人式で着る予定で知り合いの方から譲っていただいた振袖が、すでに手元にありました。「せっかく振袖もあるんやし、少しでも多く着たい!」私はそう思い立ち、知恩院さんの成人祝賀会に参列することにしたのです。




成人祝賀式当日。朝から美容師の祖母と着物の着付けの資格を持つ母の2人がかりで振袖を着せてもらいました。帯や紐を締めた時、2人から日頃の鬱憤を感じるほどきつく感じたのは気のせいかしら…?と思いながら耐えていました。
幼稚園の頃から遠足、運動会等で雨ばかりだった雨女の私ですが、晩に降っていた雨もあがりなんとか振袖を濡らすことなく、知恩院へ向かいました。3月の後半でしたが至る所にある桜はもうすっかり満開で、知恩院に隣接している円山公園の「祇園しだれ桜」も満開でした。

三帰三竟


桜と一緒に写真を撮ってもらい、思い出を残した後、会館で『三帰三竟』 に関する法話を受けました。自由と責任が伴う成人になるため、「明るく」「正しく」「仲良く」生きていきましょうという教えです。講師のお坊さんは、死者を弔い、遺族と接する日々のお仕事の経験から、諸行無常の人生の中で普段から後悔のないように他者と接してほしいと仰っていました。

法話を終えると、雅楽の演奏に合わせながら御影堂へ移動します。御影堂は元祖法然上人の御影を祀ることから御影堂と呼ばれています。2004年には国宝に指定され、2020年に約9年に及ぶ大修理を完了したばかりです。式の流れとして、法要を行い、お祝いの言葉を受け、先ほど教わった『三帰三竟』を口に出して唱えました。新成人は脇陣の1番前に座ることが出来たため、和尚さんや伴僧さんの所作を間近で見ることができ興味深かったです。

今回の成人祝賀式は私の中ではリハーサルの気分でしたが、参列できて良かったと思いました。それは、晴れ着を着せてもらえたことや、知恩院で法要を受けられたことだけでなく、なにより一緒に参列してくれた祖母の喜ぶ姿を見れたからです。お坊さんの法話の話にもありますが、大好きな祖母を含め、大切な家族・親戚、そして友達も来年には、もしかしたらいないかもしれないと思うと、晴れ姿を見せられて良かったとふと思います。改めて20年も育ててくれたことを感謝するきっかけになりました。

今回法要がおこなわれた御影堂は無料で拝観できます。堂内には大きくてきらびやかな装飾があり思わず圧倒されます。また、春や秋には桜、紅葉のライトアップを楽しむことができます。ぜひ知恩院に足を運んでみてくださいね。
成人祝賀式も18歳以上の方であれば参加可能のようです。興味のある方はぜひチェックしてみてください。


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