見出し画像

剱物 真桜と京都について



剱物真桜(けんもつ まお)ALKOTTO所属、京都外国語大学グローバル観光学科2回生


 「いま、ここ、じぶん」。なにか節目の時には、自分が何を目指すのかだとか、何のために何をするのかを、この3つの視点から考えてみなさい。という、中学時代の国語の先生からの教えだ。ALKOTTOに携わることになったわたしを知ってもらうためにも順を追いやすいと思うので、今回はこれに沿って、わたしのことについて書いてみたいと思う。


 「いま」2022年7月。梅雨明けが発表された。今年は梅雨入りが遅く梅雨明けが早かった。梅雨のさなかであるのに異常な猛暑も続いたこともあって、今年の梅雨は全国的に例年より降水量の少ない「空梅雨」であったという。

 実は「空梅雨」は、わたしにとって印象深い季語でもある。5年前の6月、修学旅行で初めて京都を訪れた時も同じく「空梅雨」といわれていた。雨は降らないが蒸し暑い曇り空、普段であれば心が躍ることなんて起こらなさそうな天候だったが、そうであったことも含めて、初めてこの体で感じた京都が忘れられなかった。15年間、神奈川県川崎市で生きてきたわたしが憧れてやまなかった京都というまちは、どんよりとした空梅雨の天気も気にならないほど、荘厳で煌びやかだった。どれほど長くこの京都の地で歴史を見守ってきたのか悠々と語っているようだった。空梅雨のある日、わたしは京都というまちに心を鷲掴みにされた。そしていま、同じ空梅雨の2022年も、埋蔵金のように掘れば掘るほど出てくる京都の興味深いあれこれに魅了され続けている。

 「ここ」京都府京都市右京区、西京極。軽い気持ちで調べて見つけた京都の大学に、なんと本当に通うことになった。現在は西京極周辺で暮らしている。

 西京極といえば、駅のすぐそばに競技場があるが、ここにも不思議な縁があったのだ。高校生の時にわたしは(いわゆる強豪?の)陸上競技部でマネージャーをしていた。西京極で陸上といえば想像がつく人もいらっしゃるかもしれないが、高校3年の時、わたしの高校の長距離チームが京都市の西京極たけびしスタジアムを出発地とする全国高校駅伝大会(通称、都大路)に初出場した。神奈川県大会で優勝した1チームのみが出場することができる。わたしたちにとっては悲願であり、初出場は快挙だったのだ。神奈川県大会で優勝し、都大路出場を決めた日、忘れもしない2020年11月1日。なんと偶然なことに、わたしが大学受験の結果通知を受け取り、京都外国語大学に通うことになった日も、11月1日であった。

 まるで西京極という場所、京都というまちが温かく歓迎してくれていたかのようだ。今となってはそんなことを思ったりもする。

 「じぶん」剱物真桜、神奈川県川崎市出身、2003年3月生まれ。

 小中学生の頃、親の影響で見始めた大河ドラマや某戦国シミュレーションゲームにより、歴史に興味を持ち始め、中学3年生ごろから幕末、新選組の沼にどっぷりとハマる。この頃はただの歴史オタクであり、高校の時はそれをあまり他人に見せないように隠す努力をしていた(してはいた)。また、小中学生の時はソフトボールをしており、わたしという人間の人間性の6割は、そのソフトボールが育ててくれた。残りの2割は高校の時の陸上部、最後の2割は一緒にソフトボールをしていた強烈な性格の幼馴染2人だ。ちなみにこれは両親や家族を除いている。何が言いたいかというと、もしソフトボールをしていなくて、それを通じて幼馴染と出会っていなくて、陸上部のマネージャーもしていなかったら、わたしは人間的・社会的に欠陥だらけの人間だっただろうということだ。もしそうなっていたなら、神様はわたしに京都とのこんなに素敵な縁を与えてはくれなかったに違いない。


 基本的に旅行好きなので、全世界の文化や伝統には興味を持っており、どんなものにでも好奇心旺盛なほうである。そんなわたしの好奇心を定期的に刺激しつつ、調べても調べてもなかなかその全容をみせてくれない京都。奥が深すぎてむしろミステリーだ。どんな場所でも歩いているだけで「あれは何だろう」「どうしてここにこんなものが」「これはあれと関係があるのだろうか」と、絶えず疑問が浮かんでくる。なんてexcitingなまちなのだろう!私がこのメディアを通して伝えたいことはそのことだ。京都に住んでいる人、京都を訪れたいと考える人、京都のことをまだあまり知らない人、それがたとえ外国の人でも、みんなに私の疑問やわくわくと京都の底知れなさを知ってほしいのだ。ぜひみなさんに、わたしが愛してやまない京都のミステリーワールドを体験してほしい。ALKOTTOではそんな情報発信ができたらいいと思っている。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?