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優しいひと

一昨日から言葉の通じない異国に来ている。

ホテルまでのタクシーでは、こんにちは、ホテルレオまでお願いします。 Hello.Can you take me to Hotel LEO Plz? の後に予め準備したホテルまでの地図をお渡し。無事ホテルに到着です。

困ったのはホテル。
日本語対応スタッフ〇となってましたが、ここまで3人お話ししてどなたも英語対応。何が困るってわたしの拙い英語力では簡単なことしか質問できないこと。喉が痛いから風邪薬が欲しいな・・・とフロントに近くの薬局を教えてもらおうと思ったら。薬局はありますか?の前にホテルに薬はないから近くの薬局かコンビニに行ってくれ。と言われてしまった・・・(だからその薬局はどこにあるのよ><え?コンビニ?コンビニにあるなら、聞かなくていいや)()内は心の声。

街を見渡しても見慣れない文字。何のお店かも分からないから夕飯はコンビニでポテチとポッキー。カルビーとグリコの文字にホッとした。

朝から薬局を求めて、目的の史跡の方へ徒歩移動。コンビニがめっちゃ多い!ひと区画に複数ある!交差点の角、全部コンビニなんじゃってくらい。その中でもキレイ目、大き目のひとつに入って、探してみるけど・・・それらしきものはない。

進みながら、キレイ目大き目を見つけるたびに同じことをしてみるも、やはりなし。3つ目で断念。歩いてるうちに喉の痛みが軽くなってきたしね。

ナビ曰く1時間10分のところを2時間以上歩いて目的の史跡到着!!
さて、無事に入れるか?
確か有料と聞いていたけど、それ(発券所)っぽいところは現地文字のみ。
(たぶんこれやけど、違ったら、「違うよ」と言われるのが分かんないな。そもそも、「ココに入りたいけど、発券所ココですか?」の聞き方が分かんないし。まあいいや)Can I go inside? 返ってきたのは Are you Japanese? (え?なになに?いきなりカモられるの?)ええ、もう、Yesと答えましたがね、もちろん。金額を提示されてお支払い。Ticketと差し出されたレシートのような紙をもって中に。(日本人か?は興味本位?まぁいいけど気をつけようね!中には日本人と間違えるなんて!って怒る人もいそうだよ)
待ち構えたお姉さんが日本語の入場者用のパンフレットを渡してくれた。どうやらこのために確認された模様です。

平日だからか、観光地に人もまばら。鳥のさえずりと木漏れ日が気持ちよくって、ゆっくりまったり歩きました。

一回りして出たら、向かいにコンビニ。入ってみると・・・ドア左手レジカウンターの上にありました!薬っぽい!しかも店員さん若い男性(ひと)!
I'd like some medicine for cold. −cough?headache? と聞き返してくれた。 −both.
ひとつ箱を取り出して、書かれた現地語を指さしながら、cough,headache. と説明してくれた。ありがとう。

いったんホテルに戻って・・・帰りはタクシー、薬を飲んでひと休み。現地の薬を飲むときは・・・ってな注意文を幾度もみたけど、英語もないんじゃお手上げですよ。ただ、たぁ、風邪薬だし。空腹じゃない方がいいよね、とバターワッフルをつまみました。

夜になってふと入ったコンビニで、カードのサインをしたら「日本人ですか?」と笑顔。
日本語が嬉しくてわたしも笑顔になった。
たった1日半ぶり、いや前夜も夫と娘とビデオ通話したから1日ぶりだけど、久しぶりに心が緩む。(海外では良し悪し?そして付け込まれるのか?氣を付けなきゃ(><))

彼女が素敵な笑顔で流暢な日本語を話すから、不思議と心強く、この国ですごす残り2日がなんだか明るくなった氣がして、今日が楽しみでしかたない。

なんだろうな。
ことばがなくても通じることはたくさんあるし、わたしはそれを大切にしてきたのよ。
でも「ことばは通じる」ことを大前提にしていると思う。だから、ことば…日本語を使う時は丁寧に選んで尽くすのだし。きっと多くの人はそうだろうよね。
でも、通じないと選びようもまして尽くしようもない。
昨日一日だけで、日本語も英語も通じない人たちにどれだけ遠ざかられたことか。ほんとに、後ずさるのよ。
相手も居心地の悪い思いをしたと思う。心であれこれ思っても、それを伝える手段がないのだから。その歯痒さから、背を向けて遠のいていく優しい人もいたんじゃないかな。

ことばが通じてもまた、分かり合えないことは多くて、ここから先はまた別のお話。

相手の受け取れるカタチにすること。外国語を使うのもその一つなんだなぁ、と。

わたしの今日と明日を明るくしてくれたのは、言葉じゃない。
わたしが日本人だと分かったら、わたしの分かる言葉を話してくれた彼女の優しさなんだよね。ありがとう。

この国に素敵なものを見つけることができました。




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