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走れアラフォ 転

アラフォはまたも嫁ヌンに依頼してきた。
自転車の如く無限にキコキコできるアレを求めて来た。
仏の顔も三度という。3の数字ではバカになれよと人は言う。

だがこの依頼も実は三度目では無い。
五度目なのである。
その起源はぶらさがるだけでイインダヨマシーンとひたすら腹筋を
できるよワンダーだよねマシーンに遡る。


それらが今どうなったのかは語るまでもあるまい。

それらの思い出を振り払い、先ずは聴く事にした。
何でも今回は某有名な西に属する芸能人の話がきっかけらしい。
何でも、ながら運動でやるのが効率が良いのだとか。

嫁ヌンは怒りで明鏡が止水するのを夢想した。
アラフォのビジネスユーチューバーのつまみ食い口上は
一定周期でアラフォに訪れるはしかのようなものなので
にこやかなる受け流しが基本であった。

それにアラフォは言うても、丸呑みしたものをそのまま吐き出すような事は今まで無かった。

だが今回は欲望が先行し、それを怠って吐瀉してもうた。

やってもうた。

嫁ヌンは黄金に輝く怒りを纏っていた。

この私にそのような吐瀉物を浴びせてのたまうかと。

彼等に入り込むでもなく半端に横目でみている程度で
借り物の言葉で己が欲を満たすかと。

プペルのえんとつを貴様の墓標にしてやろうかと。

アラフォはすっかり恐れ慄き、五体を倒置して伏した。
これにて一件は落着するかに思えた。

だが、アラフォは今回諦めてはいなかった。

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