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「公演行けないけど、あとでビデオ見せてね!」と言ってはいけない理由
友達に公演に誘われたが都合が悪くて行けない時「行けないけど、あとでビデオ見せてね!」と、つい言ってしまう。たぶん私も言ったことがあると思う。応援してるから頑張ってね!という意味だから悪気はないのだ。しかしこれほど嫌な言葉はない。(地理的に遠すぎる人の場合は別)
そもそも何故その友達があなたを誘うのかと言うと、
1)チケットを買ってほしい
2)観客席を埋めてほしい
3)会場をポジティブな氣で満たしてほしい、の三点からである。
これのどれも与えないのにタダで貰うもんだけ貰う、というのはまことにずーずーしい行為なのだ。
言った方には、ひどいことを言った意識はない。興味がない人は無料のビデオさえ見たいとは思わないから。だから少なくとも「興味はある」ことを示している。
つまり、言う方と言われる方の意識のギャップが大きい言葉なのである。
友達を観客動員に換算している時点でみみっちいのだが、しかしあなた、プロになれば、べテランになれば観客動員から開放されると思ってはいけない。渋谷公会堂で公演していた時期の天井桟敷にさえチケットノルマはあった。ビッグなアーティストでさえチケットを手売りすることもある。キャリアが上になるほど責任は重くなる。舞台活動をやっている以上は一生集客の悩みから開放されない。
それにライブと録画したものは別物なのだ。ビデオでどんなに編集を凝らそうと、エフェクトを使おうと、生で観る感動にはかなわない。舞台は絶対ライブで見るべきなのだよ。
それなら、どうすればいいのか?
ベストなのは、「行けないけど、あとでビデオ見せてね」と言う代わりに「自分は行けないけど、興味の有りそうな友達に紹介するよ!」と言うことである。その友達は新しいものをディスカバーできる。これで三者ともHappyになれる。だから友達は多いほうがよいのだ。
有科珠々
Photo: Juju Alishina
写真と本文とは直接関係ないが、この写真はLes Voûtes -Paris13区の冷蔵倉庫跡を利用して作られた劇場。筆者は2012年に公演。
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