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【連載小説】恋愛ファンタジー小説:緑の魔法と恋の奇跡 第二十一話 クリスタリウム・ペイク、その試練

前話

 とうとうその日がやってきた。レイナルドにクリスタリウム・ペイク用の装備を借り、元々の装備は修理と改善を頼み、ヴァレリアンを先頭にして登頂を始めた。ヴァレリアンに冬山の登山の仕方を何日か訓練してもらっていたおかげで、冬山には恐れから立ちすくむと言うことはなかった。調子よく登山出来る。一面氷のようになった所で、三人は鎖で互いを繋いで登り始めた。エレナ・シルヴィアの魔法のおかげで、寒さは和らぎ、登りやすくなっていた。だが、そんな順調な登山にも危険は伴っていた。クレバスがあちこちにできるようになるとエレナ・シルヴィアにためらいがでてきた。気を張り詰め、一気に登らないと行けないがクレバスにエレナ・シルヴィアは恐れを感じて遅れ始めていた。大きなクレバスを通り越そうとしてエレナ・シルヴィアはクレバスの亀裂に落ちかけた。ライヴァンが手をつかむ。
「ライ! 手を放して!あなたまで落ちてしまうわ」
「君を失うぐらいなら落ちて上等。こんな最初の所で躓くわけにはいかないんだ」
 ライヴァンの力強い腕で引き上げられる。ライヴァン腕の中でエレナ・シルヴィアは震えていた。
「シルヴィ。体が冷たい。自分に魔法を掛けなかったのかい?」
「忘れていたわ。自分にかけることはあまりないから」
「今すぐ、かけて体温を上げるんだ」
「わかってるわよ」
 不機嫌姫が戻ってきてライヴァンはほっとした。腕の中のエレナ・シルヴィアが少しずつ暖まっていく。
「よし。上出来だ。ヴァレリアン! 野営地点はどこだ?」
「もうすぐ、定点にたどり着く。もうしばらくの辛抱だ。エレナ・シルヴィア!」
「ええ。そうね。がんばらないと」
 ライヴァンの体を手で押すとエレナ・シルヴィアは一人でしっかりと立った。

 このまま頼り切ってはダメ。気付かれてしまうわ。

 片恋の魔物は今や、エレナ・シルヴィアにもとりついていたのだった。

 三人は拠点にたどり着くとテントを立てた。中で温まる。中はエレナ・シルヴィアの炎のアミュレットのおかげで暖かかった。
「不思議だね。そのお守り」
 ヴァレリアンがカップを手にしながらエレナ・シルヴィアの胸元で輝くアミュレットを見て言う。
「私も不思議だわ。この小さなお守りにこんなに力があるなんて。見つけて良かったわ。ねぇ。ライ」
「あ、ああ」
「なぁに。ライ。考え事?」
「まぁ。ヴァレリアン。クリスタリウム・ペイクの頂上はどうなっているんだ? 登頂者全てが神殿に入れるのか?」
 いや、とヴァレリアンは言う。
「神殿はあるが、入ったという話は聞いたことがない。君達はそっちが目的なのかい?」
「まぁ。そこに行かないときっかけにならないんだ。全ての始まりがそこなんだ」
 難しげな顔をして考えていたヴァレリアンだったが、にっこり笑う。
「最大の難所がある。必ず雪崩になるんだ。そこさえクリアできれば大丈夫だよ」
「ふむ。そこはどのようなところなんだい?」
 ライヴァンが身を乗り出す。エレナ・シルヴィアも興味津々だ。
「そこは、誰にも必ず訪れる試練なんだ」
 ヴァレリアンは説明し始めた。クリスタリウム・ペイクにはまだまだ謎が多かった。


あとがき
公休なので、訳ありがかけて後の時間が居眠りするか書くか、載せるかなので日ごろの筆不精の(?)のお詫びについでに進んでいるこの話も持ってきました。あとは何が進んでましたかね。風響の守護者はもはや去年の途中で終わってる。再開したいけれど磯貝過ぎる。GTP頼みなのであれは。なぞなぞを考えてもらってるので。私自身で設定したこともあるのですが、そこがまた難しい。ユレーネの試練がむずい。リリアーナたちはさっさと越しそうですがね。それではここまで読んでくださってありがとうございました。

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