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【再掲載小説】恋愛ファンタジー小説:最後の眠り姫(34)

前話

「カロリーネお姉様! どうなさったの?」
「どうもこうもないわ。毎日見合い写真が襲ってくるのよ。アウグスタ様が壁になっていたようであの方がいなくなるとあちこちから見合い写真が送られてくるようになったのよ。もういやっ。メタボな顔ばかり。どうしてこの世界はふっくら男子が美形なの?」
「え? ふっくら男子が美形?」
 私が眠る前はそんな事はなかった。贅沢できる環境ではなかった。皆、細身の人ばかり。筋肉質のお父様のような騎士はいたけれど……。
「この世界の基準、私、全然しらなかった。神所に行って本当に勉強しなきゃ」
 慌てて立つ私をクルトが肩を押して座らせる。
「クルト?」
「まずは、法律からだろ?」
 優しく言うクルトが一瞬輝いて見えた。私、本当にクルトが好きなのね。自分でしみじみ思う。
「姉上、しみじみしてる場合じゃないよ」
「ヴィー! あなたにも筒抜けなの?」
「いや、しみじみーとした表情で兄上を見ていたからすぐわかるよ」
 見つめていた許嫁は頭にお花が咲いていた。見つめるだけでこれじゃ、婚礼の夜どーなるの?
「ちゃんと役目は果たすよ」
「クルト!」
「いやー。ツーカーは便利だねぇ」
「ツーカーって?」
 私とクルトが延々と話しそうになってヴィルヘルムとカロリーネお姉様が私達の腕を引っ張る。
「私の縁談なんとかして」
「姉上、僕の要件が先だよ!」
 姉弟で対決する。クルトは立ち上がると私に手を伸ばす。自然と手を取っていた。これがツーカーなのかしら?
「そうだよ」
「もうっ」
 何時までも怒っていてもしょうがない。ヴィルヘルムの件が宙に浮いている。それでは進展がない。
「カロリーネお姉様は仮病でも何でも使ってお見合い写真の受諾を拒否して。私達はこれからヴィーの婚約式の法律を作らないと行けないの。お姉様の手も借りられれば大いに助かるの。手伝ってくれる?」
「いいわよ。このお見合い写真から逃げられるなら何でもするわ」
「じゃ、僕の執務室までLet's go!」
 まだ、頭にお花が咲いているクルトが図書室から出る。もちろん、私の手をしっかり握って。私も色ボケしてるけれど、クルトは相当、色ボケね。
「君と一緒にいられるならなんでもするよ」
「クルト! なんでも読まないでよ」
「聞こえてくるんだもの。しかたないよ。嫌なことを考えなければいいんだ」
「楽観的な人ね。うらやましいわ」
「俺は君に出会って大きく変わった。何時の日かこのお姫様と結婚するんだってこっそり館に入って君を見ていた。その夢が叶うんだ。嬉しくないなんておかしいだろう?」
 クルトは初恋が見事に叶うってことね。でも、そうするとさっきの「若気の至り」って? 側室おいたらただじゃ置かないんだから!
 もう、筒抜けなのは諦めて思いっきり思考を飛ばす。その側でヴィーが耳を押さえる。
「痴話げんかを脳内でしないで!」
 ヴィルヘルムが文句の声を上げる。
「あなたの婚約のことでなったことよ。ウキウキデートしてる場合じゃないわ」
「それは反省している」
「反省してるならよろしい。じゃ、さっさと決めるわよ。ヴィー。執務室まで競争よ。カロリーネお姉様も一走りしない?」
「いいわね」
 私達は本人を置いてクルトの執務室へ走って行ったのだった。


あとがき
ちょうど、これ。カロリーネの良いところでぶつ切りなんですよね。読んでる人はその後~と言わざるを得ないという。そろそろ番号が迫ってきてます。これを続けた方がいいのかしら。これは本当にてきとうに毎日千字ちょっとを書く、でやっていたのです。筋道もなーんにも考えず。AIも入ってません。緻密な試練もございません。ひたすら恋愛沙汰。これも恋愛ファンタジー小説だわ。最後どうしめようとしていたのかも忘れ去っている。いや。考えてなかったかも。途中でユングかとも言える箇所が出てきていや~と逃げた覚えが。シンボルとかグレートマザーとか。神所の渦巻きはグレートマザーの象徴です。ここにもちょこっと入れ込んでました。実は……。そして白コリ一族の水槽の白濁を取るべく店員さんとかくかくしかじかと打ち合わせして水替え。3つともしちゃいました。ご飯をあげる量も多かったらしく。一日一回で良いと。カラシン類はどうなんでしょう。朝上げて夕方も上げてますけど。明日また聞きに行かないと。白コリ一族が腹減ったと主張している。しかし明日の晩までない。絶食。可哀想に。テトラ水槽の水質検査は惜しかった。もう少しでマシになるのに。二日後また変えないと。と、魚愛を語ってる場合ではなく、更新と執筆が待っている。ユメ更新したらひと息ついてとしたら恐らく執筆時間ないです。星彩がシリアスなので明日がんんばります。当分、再掲載小説が続きます。この2つが終われば訳ありをどーんと載せます。イチから。その間に時間稼ぎ。すみません。執筆遅くて。とここまで読んで下さってありがとうございました。次、ユメ行きます!

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