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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:風響の守護者と見習い賢者の妹 第二話 凍った薔薇

前話

 ユレーネは自分を見つめているレオポルトと視線を交わすと舞台の上で舞い始めた。氷の国の舞姫にだけ踊れる舞だ。レオポルトは剣舞を舞うが、炎の国に舞姫はいない。いるとすれば、ユレーネ達から教えてもらっているリリアーナが最初の舞姫だ。
 ユレーネは雪の結晶が空から舞い降りてくるように流れるような舞を舞う。躍動的な舞を挟み、ふわふわと降る雪や激しく吹き荒れる吹雪を表現する。様々な氷の国の雪を表現する。
 ユレーネは今までで一番輝いていた。レオポルトは毎日のようにユレーネの舞を見ていたが、今日はいつにも増して美しかった。レオポルトはそんなユレーネをまた好きになった。ユレーネの全てがそこにあった。辛いときも悲しいときも嬉しいときもすべて舞とユレーネは一緒だった。ユレーネはあの、はじめて会ったときから自分を見つめ直し、あらゆる自分を見て成長させた。舞はユレーネそのものだった。やがて、舞は終わる。静かに舞終わると観客席に礼をして離れる。一瞬、レオポルトと視線が交わった。レオポルトは静かに肯き、ユレーネも確認するかのように見て舞台から降りた。静かだった客席から割れんばかりの拍手が鳴り響いた。いつまでも続く拍手にユレーネが最上位の舞姫と認められたとレオポルトは思った。そして、審査を通った舞姫達にそれぞれ称号が与えられる。ローレライは最上位の次点の舞姫の称号を手に入れた。残る舞姫はユレーネただ一人。ユレーネには当然のことながら最上位の称号が与えられた。
「お兄ちゃん。花嫁の条件通り越したよ」
 隣に座るリリアーナが言う。
「ませたことばかり言ってるんじゃない。ユレーネには当然の称号が与えられたんだ。すべてを舞に込めていたんだ。毎日氷の練習場で自分を見つめ、成長させたんだ。お前もそれぐらいの賢者になれ」
 レオポルトが言うとリリアーナが固まる。
「どうした?」
「お兄ちゃんが、賢者の道を認めてくれた。あれだけお爺ちゃんから離れろって言ってたのに」
 リリアーナの目には涙がたまっている。
「ばーか。こんなことで泣いていたら賢者になれないぞ」
 コツン、と妹の頭に拳を落とす。
「いたーい。暴力はんたーい」
「何が暴力だ。兄の愛だ」
 二人は血がつながっていない。リリアーナは炎の国の宮廷を牛耳っていた魔術師アドルフと国王の後妻のマルタの娘だ。王家の血は一滴も入っていない。そしてリリアーナはかつてアデーレという名前の娘だった。この氷の国に来て自らリリアーナの名前を選んだ。そして兄と妹は本当の兄妹になった。
「結婚式と即位式、どこでやるの?」
 背後からユレーネの声が聞こえて兄と妹は飛び上がらんばかりに驚いた。
「おねーちゃん。驚かさないでよー」
「ユレーネ、こんな所に来ていいのか?」
 二人しててんでバラバラな言葉を話すが、ユレーネは聞き取った。
「見て欲しくて。これが最上位の舞姫の印よ」
 胸元には氷で凍った薔薇の花があった。
「これは永久に解けないの。お母様のも見たことあるわ」
「リリアーナも見た! 壊れそうなのに壊れないんだよね」
 もう姉と妹となっている。レオポルトと結婚すれば義理の姉になる。もうこの二年間ずっとこんな調子だ。あらゆる人物がレオポルトとリリアーナの家族だった。
「これからフロリアンの所に行かない?」
「フロリアンか。しばらく行ってないな」
 国随一のフロリアンの武器で宿敵アドルフを討った。武器屋の親父、フロリアンも自分達の父親のような者だ。
「お祝いの料理を作って待ってくれてるのですって。リリアーナの大好きなミルクがゆも作ったって聞いているわ」
 それを聞いたリリアーナがすくっと立つ。
「行こう! お兄ちゃん!」
 リリアーナが手を引く。
「わかったから引っ張るな」
 そう答えながら、そういえば正式な即位式と成婚の式はどこでするんだろうか、とレオポルトは頭の片隅で考えていたのだった。


あとがき
はい。しばらく平和です。その代わり漫才が繰り広げられます。そして新しい国は? なのです。ってマガジンの説明にありますが。そこは本当人本編というか第一部と繋ぐ部分で大事だけど特に面白みもないのです。多少、戦闘に表現力が出てきた今日この頃。でも難しいですねぇ。殺陣は。今日は更新時間が遅れました。処方された薬は短めの効き目と聞いていますが、効いてるみたいです。翌日も。昼まで寝てました。

明日も寝ているかもしれません。でも、今日は野球の中継がありました。どうも見たときは書かれてなくて今見るとない日もありますが火曜日は最初から最後まで見れる局でした。やったー。と浮かれております。

もっとも漢検の勉強があるので、ちょっと大変ですが。この字も書くの?という事が多くて。三冊基礎を続けていて同じ字が追跡されることがあるのでそこはいいです。漢検の公式本の基礎には書き順も着いていてすごく便利です。おすすめです。あとは感じをひとつひとつ練習したい場合は学研のテキストです。そして一番早く進むのが成美堂さんです。多いよー。一回に覚える字がー、という所です。
ま。その内テキストの記事書くのでお待ちください。

今日のこれからの更新の予定は「影の騎士真珠の姫」、「星彩の運命と情熱」です。当分これを流して他の話を書いていきます。たまに「訳あり姫」とか「ユメ~」とかです。よろしくお願いします。

あー。お腹空いたー。そろそろ料理をしようか……。でもなー。更新と執筆したいしなー。魚がご飯を欲求している。先にご飯あげて、動きましょうか。

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