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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:風響の守護者と見習い賢者の妹 第三十五話 最初の一歩

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前話

 船はあっという間に、エンシャントウッド近郊の港にたどり着いた。
「ナヴィラード、可愛かったのにー」
 相変わらず、妹は遊び気分だ。レオポルトはこつんと拳骨を落とす。
「いたーい。おにーちゃん!」
「大丈夫? リリアーナ。たんこぶできていない?」
「できたー。可愛い妹の心は傷ついているわ」
「あれぐらいでたんこぶなんてできるもんか。セイレン、構わなくていい。それよりこれからエンシャントウッドに向かう。二人で行ってこい」
「二人? 私とセイレンだけ?」
 ああ、とレオポルトが肯く。あれだけくっついていた兄が妹を放り出して大人組がびっくりする。
「お前らのいい成長材料だ。二人で何かを持って帰ってこい。兄ちゃんはここから先は手も足も出ん。エンシャントウッドの街に入れるのはお前らだけだ。兄ちゃん達は結界があって入れないはずだ」
「そうなの?」
 リリアーナは不安そうだ。そのリリアーナの手を握るセイレンである、
「セイレン……」
「行こう。僕達で。きっと何かがある」
「そうね。馬で行けばいいの?」
 周りに馬は無い。牛はもぉ~と鳴いているが。
「いや、シルフィで行ってこい。その方が安心だ」
「あ。そうか。シルフィを忘れてた」
「シルフィが可哀想だな。拗ねていなければいいな」
 相変わらず、シルフィとなると意地悪する兄だ。
「お兄ちゃん。セイレンには焼き餅妬かないのにシルフィには妬くっておかしいくない?」
 いんや、と兄は言う。
「シルフィはリリアーナの将来を握る一つだからな」
「将来?」
「ええい。つべこべ言わず行ってこい!」
 レオポルトがどんとリリアーナの背中をたたく。
「いたーいおにちゃんー! 帰ってきたらきっとやり返すからねっ。行こ! セイレン!」
 そう言ってシルフィを呼び出すと雲になったシルフィと共にエンシャントウッドに向かっていく。
「がんばってこい」
 去って行く妹に声を掛けるレオポルトである。
「今回の旅はあの二人が鍵を握ってるのね」
 あえて、行動を共にしなかった真意をユレーネが推し量る。
「ま。そんなもんだ。俺達は土産でも買っていよう」
 すたすたと歩いて行く。その後ろをユレーネが文句も言わず追いかける。
「レオはよほどリリアーナが大好きなのね」
「そりゃもう。赤子の時から面倒見ているからな。今も心配で心配でたまらんさ」
「妹ラブなお兄ちゃんね」
「嫁ラブになると思っていたが、両手に花、だな。レオが片手にしか花を持てない日がいずれ来るだろう。その時でしたいようにさえてやれ」
「ふふ。ニコは。レオ様一筋なのね。妬けちゃうわ」
 ローレライが言うとニコは顔をしかめる。
「巻き込まれているだけだ」
「ほんとは大好きなのに……。そういうニコも好きよ」
「む。そうか。じゃ、俺達も土産でも買っていこう」
「そうね」
 夫婦と婚約者達は各々別れて行動し始めた。宿はセイロン船長お勧めの宿がある。すでに予約済みだ。セイロン船長の手柄だ。
 
 
「最初の一歩だ。リリアーナ」
 ぽつん、とレオポルトは女の子が喜びそうな髪飾りを見ながら言う。
 
 こうして。リリアーナとセイレンの試練が始まった。
 


あとがき
意外にも次世代に継がせる話になっております。まぁ、レオとニコは役目を終えていますからね。リリアーナとセイレンの話が中心になっていきます。なんせ「見習い賢者の妹」ですから。今日、休日一日掛けて「星彩の運命と情熱」を書きました。一日家にいたわけではないので。またも一本、老眼鏡を作ってきました。それはこの後に役に立つ試験勉強に使われます。明るい照明ってどこにあるんでしょうか?
ニトリでみたけれど、高い。そんな大きな箱持って帰れない。昼光色がいいんだけどなー。アマゾン見るか。でも、今、伝統の一戦かけてるけれど(スマホからグールグに転送)阪神にホームランが。すごい。勝ち越した。これがあるから野球観戦止められないのよね。暇だしと環境音楽を流してマルチタスクですが。これも予約配信です。一日四記事ほど出さないといけない気もするけれど、ギリギリです。漢検の勉強が。あと一時間半でこなさないといけないタスクが。あとで(ってこれ読む頃は昨日)出せるなら出しますねー。星彩の運命と情熱更新してこよう。

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橘優月/切り替え完了/
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