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【新連載小説】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(66)+【エッセイの勉強】

前話


「ヘレーネ。こっちよ」
 ヘレーネのリードを持ちながら、私は街の荒廃ぶりに衝撃を受けていた。まだ市場は活気があった。人の生活のにおいがした。だけど、下町に近いここには虚無が住んでいた。あちこちに悲しみがあふれていた。もしかして、アルポおじいさんも……、なんて事がよぎった。その角を曲がれば本屋さんだ。角を曲がって、本屋には灯りがなかった。私は思わず、立ち止まった。先を歩いたウルガーが振り向く。
「ゼルマ?」
「ウルガー、アルポおじいさんは……」
「ああ。そうか。忘れたの? 今日は月曜日だよ。定休日。実家の方にいるよ」
 さすがアルポおじいさんの弟子は実家の方まで知っていた。くるっと本屋の裏側に回るとここ、と指さす。灯りがついていた。ほっとする。
「呼び鈴、鳴らしたら?」
「え?」
「アルポおじいさんが亡くなったと勘違いしたんだろう? 大丈夫だから、呼んでごらん」
 ウルガーが促す。私は恐る恐る呼び鈴を鳴らしてアルポおじいさんを呼んだ。
「お邪魔します。ゼルマです。アルポおじいさんいますか?」
 緊張して差して声もろくに出なかったけれど、扉はすぐに開いた。
「ゼルマ姫か! 無事じゃったんじゃな」
 がばり、と大きなおじいちゃんに抱き着かれて私はびっくりして動きを止めてしまった。ウルガーがすぐに腕の中に取り返す。
「いくらアルポおじいさんでもゼルマはだめ! ゼルマは俺の!」
「すまない。久しく顔を見ていなくて心配していたのだ。今日も子供たちがおるぞ」
「おにいちゃん! おねえちゃん! こんにちは!!」
「ちわー」
「わー」
 大小の子供たちが囲んでいた。
「今日は春の子のお誕生日会なのー。絵本読んでー」
「よんでー」
「でー」
 いつも読み聞かせしていたせいかすぐにねだられる。ウルガーはうまく私を確保しながら子供たちと相手をする。そんなに独占欲が強いと将来が怖いわ。子供と取り合うんじゃないかしら。
「お姫さまと王子さまの絵本読んでー。おじいちゃんにもらったの」
 一人の女の子が絵本を持ってきた。いつの間にか私とウルガーはアルポおじいさんの実家に居座っていた。ケーキの残骸とおもちゃと本の散らばった部屋で車座にになって絵本を読む。
「あら。眠りの森の美女、じゃないの。これじゃぁ、おねえちゃんセリフがないわ。眠ったままだもの」
「大丈夫。王子様があつーいキスをしてあげるから」
「教育上よくないちゅーはいたしません!」
「じゃ、教育上いいちゅー」
「そんなものあるの?」
「ゼルマの得意技」
「ああ。ほっぺにちゅー、ね」
 言ったもののじっと見られると恥ずかしい。
「ゼルマちゅー」
「はいはい。ちゅー」
 素早く頬にちゅーすると恥ずかしくなってそっぽを向く。
「ゼルマかわいいー。もっかいほっぺにちゅー」
「何度も致しません!」
 つん、とそっぽを向く。ウルガーはもう頭の上のお花が咲き乱れている。もう、絵本を読める状態ではない。奪って私が最初から最後まで読む。子供たちはいつしか夢の中に。
「可愛い……。こんな子供たちが欲しいわ」
 つぶやいて、あ、と口を押させる。もうウルガーの頭の春爛漫は止めようもなかった。
「ゼルマ。子供が欲しいならいっそ今夜……」
 ばこん!
 可動式ローズウッドのお盆が炸裂する。
「そんなもの、どこに隠していたの」
 痛そうに頭をなでてウルガーが言う。
「お盆はいつでもどこでも携帯してるわよ」
「もう。デートなんだから持たないの」
「致しません!」
「もう~」
 やけになったウルガーが抱きしめたかと思うと脇腹をこちょこちょとくすぐってくる。お盆が落ちる。
「もーらいっ」
「ウルガー! それは嫁入り道具よ! 返しなさいー」
 いつもならこんなにドタバタするとアルポおじいさんの雷が落ちるのに、落ちないからお盆の取り合いっこが続く。あまりにうるさくて、子供たちが目を覚ます。
「あー。ももとぶどうだー」
「ほんとー」
「おいしそー」
「あ」
 二人して顔を見合わせる。桃はお母様へのお土産。上げるわけには。だけど子供たちの目はキラキラ光っていた。


【エッセイの勉強】
はぁ~。あらかた正常にたまっていた記事がでた。でも、照葉の銀閣寺か澄川かゼルマか。照葉にしてみようか、それともオリジナルミニ恋愛小説を新たに書くか。明日は公休なので夜更かしはオッケー。困るのは花と魚。このお二方には苦労かけてます。また、エッセイの勉強中からエッセイの勉強に変えました。どうも学習中なのですが、中とやるとはまらない。勉強してるなら中を入れなくとも察するだろうと、あとで変えます。貯金ないのにもう交流戦? 首位だけど0.5差。怖い。今年はアレンパはないな。いつ転がり落ちるか。輝さんもどらないとむりやろう。とまた野球。ここ数日YouTubeにはまってました。勤務はしてましたが、ゲリラライブが始まったりしてスマホが離れない状態。さすがに今週からは戻ってきてますが。寄付もして名前も載った。ラッピングってあんなんなんだー。とみていた私。いずれ保護猫を飼いたい。夢を持って働く毎日です。動画を見て飼い方を学んでます。まぁ。おちびちゃんから飼うことはできませんが。それに画像の保護の方のおうちの譲渡区域が吸収なので近くで探すことになりますが。物の多い私。トライアウトに受かるでしょうか。落ちそう。猫がびりびりしたそうなものがおおい。ま。それは未来にまかせて、次は創作だ。大竹が六回越して七回だ
ー。奇跡。新たにチャットさんにテーマをいただいて、ショートショートを考えてみます。たまには創作の花を咲かせましょう。それではここまで読んでくださってありがとうございました。


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