第八回 Gt 虎 |MOVIE TORAVIA「 『BLEACH』と『ワイスピ』における“リアル” 論」

虎 第2回
『BLEACH』と『ワイスピ』における“リアル”論

「アメリカはCGでリアルを追求し続けたあげく、本物に到達しちゃったんだと思う」

前回はアイアンマンの話からハリウッドのCG技術がどんなにすごいのかってことを話したと思うんだけど。今回は、日本映画のCGはそんなハリウッドクオリティーにどこまで近づいたのかっていうところから話をしていこうかな。

最近俺が観た日本映画で、わりとちゃんとしてるなと思ったのが『BLEACH』。CGはすごくちゃんとしてたよ。ハリウッドクオリティーに追いつけとばかりに、俺的にはすごい頑張ってるなと思えた作品だった。俺がこんな偉そうにいうことでもないけどね(笑)。
ハリウッド映画と日本映画を比べてみたとき「なんか日本のCGってチープだな」って変な感覚、違和感をおぼえるときって、大体が建物の影が映り込んでいないとか、地面から足が浮いちゃってるとか、そういうことなんだけど。『BLEACH』を観たときは俺、そんなに気にならなかったんだよね。違和感を感じなかった。

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映画『BLEACH』
(c)久保帯人/集英社 (c)2018映画「BLEACH」製作委員会

あとは、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』のCG も凄かったよね。まあこっちはチープな部分も多少はあったけど、頑張ろうとしてる姿勢は伝わってきた。
この2本もそうだけど、最近の日本映画のなかで、とくに原作がアニメ系の映画はCGをすごい頑張ってる気がする。
それはね、たぶんだけど、CGを制作できる人が増えてきたからだと思う。
だから、今後は更にいろんな発展が見えてくるんじゃないかな。ソフトを簡単にいじれる若い子たちがどんどんCG制作の現場に加わるようになっていって。そこは、一時期の音楽シーンと同じだよ。プロじゃなくても、ソフトを使えば誰でも音楽が作れる時代がやってきて。次は、その分野で“プロ”といわれる若い世代の人たちが現れる時代になってきた。そういう流れが、どんどん映画界にも広がっていくんじゃないかな。
CGを何も使ってない映画と、ゴリゴリに使ってる映画。同じ値段を払うんだったら、どうせなら制作にお金がかかってるほうを観たいと思わない?
ストーリー重視で観るのもありだけど、俺はなるべくならCGを使ってて、制作時間も人件費もお金もかかったほうを観たい。
例えば、映画のなかに戦闘シーンが出てきたとする。

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