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素朴な疑問 3 噛み合わない会話

コロナ禍の中3度目の3月が巡ってきました。
感染者数は減少してきているし、このまま落ち着いた状況になるのでしょうか。
この3年、正体不明だった新型コロナウイルスについてもかなりのことが判明しましたが,まだまだわからないことだらけです。

新型コロナ感染症対策の切り札と言われているワクチン接種も今後は年1回?でよくなるとか…今はまだ接種を薦めるポスターや接種会場への案内を見かけます。

新型コロナワクチンについては、人の体が細胞内でタンパク質を合成する仕組みを利用して、ウイルスの設計図(今回はウイルスの表面にあるスパイクタンパク質の設計図)となるものを注射し、細胞内でウイルスの一部を合成させて、それに対する抗体を作ることにより、感染しても発症を抑えたり重症化を阻止したりできる、と言う理解をしています。
これは高校の生物の知識があればなんとなくイメージできる説明ですが、生物を選択していなかったり習ったけど忘れてしまった人も多いと思います。
理屈としてはなんとなくわかるような気がしても実際にヒトに接種するのは歴史上初めてのことであるわけで、本当に目論見通りの効果があるのかないのか、将来にわたっての安全性はどうなのか、 全ては不明です。
ワクチンについて不安を覚えて検索すると「接種されたmRNA(ウイルスの設計図に当たるもの)は速やかに分解され、合成されたスパイクタンパク質も短期間で分解されて体に残ることはないため、将来にわたって何らかの影響が出ることは考えにくい」と言うような解説を目にします。
厚生労働省のホームページのQ&Aもありますね。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0008.html

そうなんだ!なら安心だね!
そう思いそうになりますが…

体内で速やかに分解してされるmRNAは、元々本人の体にあるもの。タンパク質合成の仕組みの中でmRNAは役目を終えたら分解されます。
一方、自分の体にあったものではないmRNAは、異物ですから体内に入った途端、免疫の攻撃を受けて分解されてしまいます。
これではウイルスの設計図を使うことができません。
そこで新型コロナワクチンに使われるmRNAはそうならないように工夫されているわけです。

壊れにくい構造となった人工mRNAは、注射後どのくらい体内に残るのでしょうか?

気になりますよね。
それについての研究もあるようです。
私がwebで目にしたのは、人工mRNAそのものではなく、スパイスタンパク質がワクチン接種後4ヶ月後も体内から見つかったと言うものです。
論文そのものを読んだわけではありませんから真偽は分かりません。でもデマでしょと片づけることもできません。

本当のことはどうなのだろう?
そのような研究があったなら、国は調査をしないんでしょうか?

ワクチンは免疫に干渉します。
ヒトの免疫はとてつもなく精緻な仕組みです。
ワクチンによる干渉が体にどんな影響を及ぼすのか。
ワクチンを良いものとして推進する立場も、不安を感じて慎重になる立場も、未知の出来事に対しては対等に真摯に向き合うべきなのに、ワクチンに慎重な発言は「反ワク」などと言われてしまいます。
私はワクチンに反対している訳ではありません。
mRNAによるワクチンの話を初めて耳にした時はものすごい技術だと思いました。すばらいと思いました。そして自分なりにどのような仕組みなのだろうと思って調べてみたのです。
するといくつか心配になる要素もあることがわかりました。
もちろん専門家ではありませんから、その情報が正しいか間違っているかは分かりません。そんな人が大多数だろうなと思っていたら、なんの疑問も持たずに接種する人が多くてびっくりしました。
「これで安心」
そう言って笑顔になった友人も沢山います。
接種するしないはリスクとベネフィットをよく見定めて本人が決めること。これはワクチン接種の問診票にも書かれていますし、厚生労働省のホームページにも載っています。
それでも、多くの人が接種してしまった現実。
だって良いことしか耳に入らない(耳に入れない)んだもの。

ここに会話が成り立ちにくい理由があるのだと思います。

誰だって自分の体に入れてしまったものが悪いものとは思いたくはないでしょう。
ワクチンに関する不安を煽るような情報はデマだと信じたい。そんな気持ちになるのはわかるのです。
でも,身近な家族や親しい人がワクチン接種後に重篤な体調不良に襲われたのを目の当たりにしたら…それでも苦しんでいる人にデマを信じないでと言えるでしょうか?

本当は、推進慎重両方の立場の人々が、互いの主張について忌憚なく話し合うべきだと思うのです。世界中で誰も経験したことのない大規模な実験の最中なのですから。
それが行われないのはどうしてなのか。
私がワクチン接種を躊躇っていると心配のあまり泣きそうになりながら「お願いだからワクチンを打って!」と電話をくれた友人もいました。
私は慎重になっている理由を話しましたが、インターネットで得た情報だというと「そんなのよりちゃんと政府や厚生労働省のサイトを見て!いい加減な情報に惑わされないで」と聞いてもらえない…
本当に話が噛み合わないのです。
悲しい気持ちになりました。

こういう問題は個人レベルの話だけではないようです。
なぜこんなことが起きているのか。

それに対して卓越した見解のnoteを知りました。國部克彦さんのnoteです。

しかし,ワクチンをめぐるこれまでの経緯を見る限り,その効果とリスクをめぐって,十分な国民的議論は全くなされていません。これは日本だけの状況ではなく,世界中でほぼ共通の現象です。むしろ,現在はワクチンについて議論することすら,タブー視されているような印象を強くもたらざるを得ない状況に陥っています。

https://note.com/kokubu55/n/n42ea13de40c3

國部さんはワクチンに関連した記事を書籍化されています。
随所に「まさに思っていた通り!」と膝を打ちつたくなる箇所がある読み応えのある書籍です。
ワクチンに対して言語化できないモヤモヤ感をズバリと書き表して下さいました。
モヤモヤを抱えている方もそうでない方も、ぜひご一読することをお勧めします。

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