竜の背中

竜の背中に森と川がある。森の奥には、青煉瓦作りの小さな家ぎ建っており、中では娘が一人で住んでいる。娘は森の木を薪にして火を起こし、料理を作る。火は竜の背中を軽く炙る。竜はそれが嫌で堪らないのだが、娘が作る山菜焼きや炙り魚が極上なので、腹に背は変えられぬと、我慢しながら生きている。

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