幽体離脱的落下論

幽体離脱をして、空に向かってゆっくり落ちていく。雲ひとつない青空は、永遠に終わらないゴールテープ。生前唯一の特技だった千里眼で、数年前に離脱した自分の身体を覗いて見れば、真下で棒立ちになって朽ち果てている。ああ、汚い骨。戻れたとしてもありゃダメだと笑いながら、私は今も落ちている。

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