空と海の婚礼

空と海の婚礼はつつがなく行われた。海は空を呼び、空もまた海を呼んだ。魚には翼が生え、鳥は鱗に覆われた。仲人たる大地は、空と海の交わりをただ眺めるのみ。今や空と海は互いの過去を捨て、かつて何かであった生き物たちを従えて大地と対峙している。静寂が次なる婚礼の幕間のように下りはじめた。

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