関節論

関節部が結晶になっている。水色に輝くそれに学名はない。何人もの学者が試みたが、学名をつけるには至らなかった。結晶の中に少年がいて、名前をつけるなと頼むのだと、彼らは去り際に呟くのだ。学者たちは儚い。彼らは全員自殺した。それが、私には見えない少年の謀りによるのかは、知るよしもない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?