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いらないよ、君に届かぬ声なんて 035









これは高校一年生の春、生まれて初めて詠んだ短歌です。

授業でこれを詠んだらあとから国語科の先生に呼ばれ、「君さえやる気ならこのままこの感性を磨いていって欲しい」という旨のことを言われ、現代短歌の歌集をいただいたことを覚えています。当時はあまり興味を持てなくて、ほとんど読みませんでしたけど……。

その先生は学年主任でもありましたので、3年間本当にたくさん目をかけていただいていました。

少々、いや結構、いやたぶんかなり問題がある生徒だったわたしはことあるごとに呼び出されていましたけど、中でもいちばんインパクトがあったのは「君は他の子より10cmくらい浮いているように見える」と言われたことでした。

「背が高いからや!背が高いから10cmくらい浮いているように見えんねん!」という感じのことを敬語で笑って返しましたけど、(勘違いでなければ)友達は多いタイプでしたし、人とちょうどいい距離感で付き合うことも得意なタイプでしたので、"浮いているように見える"と言われたことはものすごく衝撃的で、いまだにあの言葉を思い出してはぐるぐるすることがあります。

まぁ、そのあと病気をして学校にうまく通えなくなりますので先生の目に狂いはなかったのかもしれませんけど、そのお話はまた別の機会に。

結局、高校一年生の春以降わたしはほとんど短歌を詠みませんでした。

しかし、物を書くことの楽しさに目覚めて作詞のお仕事ができているのも、今またこうして短歌を詠み始められたのも、あの出会いとあの出来事があったおかげだと思っています。

見つけてくれてありがとう、先生。

「水たまり映った空を見下ろしてようやく気づく今日は晴れてる」

わたしの原点です。





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