"おじ"になって思うことは

朝、目が覚めたらおじになっていた。日本にいる妹が無事に出産を終えて嬉しい連絡をくれたのだ。我が３兄弟における初めてのベイビーの誕生に両親含め家族内は大盛り上がりである。連絡を受け、僕が率直に抱いた気持ちは、喜びと身が引き締まる思いだった。

妹が無事であることと新たな命が誕生したことに対する喜びはこの上ない。妹の話によると一筋縄では行かなかったようで、出産は命懸けだから両親に感謝すべきと強く言われた。ベイビーの顔を写真で見ると生命の誕生の神秘さとその可愛い外見に魅せられ、この子にはなんでも買ってあげられると思った。これまで甥、姪が可愛い可愛いとインスタグラムで伝える人たちの気持ちが全くわからなかったが、これはなるほどと言わざるを得ない。頑張った妹夫婦へのささやかなお祝いとして友人が手作り販売している日本酒を贈った。妹よおめでとう、いい母になるよあなたは。

さて同時に沸き起こった身が引き締まる思いの方だが、自分のライフステージを前に進めることを意識せざるを得ない出来事だった。これは早く結婚して家族を作らなければ、といった単純なものではなく、仕事を含めライフステージの前進を見据えてきちんと生きなければならんなと思ったわけである。例えば仕事においては研究だが、きちんと研究を進めることはもちろんだがそれ以上に仕事において重要になってくる英語力や文章力についてはより一層励むべきである。また研究以外の自分の領域を耕しながら経済的に安定できる状態を作りたい。またいいパートナーにいつか巡り合いたいと思うなら見た目はもう少しケアしてみようか、健康な食事に変えてみようか、なんてことを考えている。これまでも抱いていた気持ちはあるが、けつを蹴られたような刺激が体に注入されたように感じる。驚いているのはこれが焦りといった感情ではなく、キラキラとしたポジティブな感情であるということだ。いつまでも大学生気分だった自分が少しずつ大人の階段を登っていくことに希望とワクワクした気持ちが湧き出てくる。思いもよらない形だが、良い転機になるような気がする、ありがとう妹。

さてでは具体的にどんなアクションをしてみようか。ちょっと変えてみたことがいくつかある。朝早めに起きてカフェに飛び込むことにした。オフィスではなくカフェだからこそ気持ちよく、かつ集中してやりたいことをすることができる。朝カフェくらいテンションが上がることがないと早起きなんてできないのだ。アメリカ投資を始めることにした、口座は作ったしETFを少しずつ購入していこうと思う。夜ご飯は自分で作るようになった。できるだけたくさん野菜を入れたスープをまとめて作っている。小田切ヒロのYoutubeをみて美容液、化粧水、クレンジングなどおすすめのものを一式買ってみた。全力で若返りを試みるポスドクはみたことがない。

彼らにとって新たな人生の始まりだがその出来事は僕を含め周りの人々にも影響を与えている。研究にひと段落をつけて日本に戻る日が待ち遠しい