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スマホ入試不正の巧妙化と今後の対策

はじめに
 早大の入試でスマートグラスを使った不正があったのを覚えている方も多いと思います。とうとうスマートデバイスが入試不正に使われるようになってしまったか、と暗い気持ちになります。

 今回はこの不正の概要を理解した上で対策を考えてみたいと思います。

不正の概要
 今回、当該受験生は
・前もってXで優秀な人を見つけて、報酬を出して解答してもらうことを約束してもらう(相手は不正の認識なし
・スマートグラスで問題の撮影
・自分のスマホに転送した上でXに投稿
という流れで不正を行っていたそうです。

今のところ、この数年増えているスマホやデジタルデバイスを使って外部と連絡を取るタイプの不正は全て見つかって通報されてるようですが(捕まってない人は居るかもしれないですよね、バレてないだけで)手段は年々巧妙化しています。今回の男子学生も、2回目の不正で見つかっており、1回目は無事?やりおおせているとのこと。

他にも外部に協力者がいて、受験者は送信まで担当、協力者が画像を静止画にした上で他の協力者に送信する、など手口は巧妙化しているようです。

国内の対策
 国内の対策は今のところ心もとありません。
・啓発活動
・試験前にスマホの電源を切ってカバンにしまうよう指示
・監督者による見回り

全体的にはこれだけのようです。勿論小規模な私大の場合はスマホを預かるなども出来そうですが、全体的に不正者側の工夫に全く対策が追いついていない印象です。

海外の対策事例
 これに対して、日本より熾烈な受験戦争で有名な中国や韓国では、不正行為も多く、より強い対策が取られているようです。例えば

中国では
・不正行為を重大な刑法犯罪と位置付け
・ドローンで試験場周辺の電波検出
韓国では
・スマホ持ち込み自体制限

など。日本は偽計業務妨害で書類送検ですから、刑法罰の強烈さが際立ちますね。

日本の今後の対策
 大学入試センターも電波遮断装置の導入は検討したそうですが、
・電波法に基づき国の免許取得要
・設置経費が全国で72億円
ということでコストが見合わない、と見送り

スマホを預かるという方法も、受験者数を考えると非現実的、と見送りとなっているようです。

私のアイデア
 ここからは不正対策として私見を書きます。

・スマホを預けるというのが非現実的なら、電波遮断素材のケースを各机に置いて、受験者にそこに入れてもらう。
これなら、監督者は試験中も見回ってチェックすることが出来ますし、予算も低く抑えられます。
・上のアイデアに加えて受験生に相互チェックしてもらう。
すべて監督者でやろうとせず、受験生自身がチェックします。お互い知り合いである確率は低いですから機能すると思います。
・電波遮断装置の72億円を見直す。
大学入試センターは独立行政法人。所管は文科省。ということは、この予算は民間から見たらかなり高い金額と思われます。コンペなどで民間企業からアイデア出し、からやって貰えば恐らくずっと安くなると思います。

まとめ
 以上、デジタルデバイスを使った不正に対する対策を考えてみました。にしてもこの不正、外部に協力者がいるパターンなどはオレオレ詐欺みたいですよね。商売として成立するなら、不正行為はさらにヒートアップしそうで怖いです。

 そして、生成AIが利用されるようになったら、対策はどうすれば良いのか。やはりスマホを物理的にケースに入れさせる、というアナログな対策が最強かも知れません 笑


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