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花相の読書紀行№.141『ふたたび嗤う淑女』

最強の悪女を、もう一度体感

【ふたたび嗤う淑女】/中山 七里
<あらすじ>
この悪女、制御不能!
シリーズ累計12万部突破の大ヒット作、待望の文庫化!

巧みな話術で唆し、餌食となった者の人生を狂わせる――
稀代の悪女・蒲生美智留が世間を震撼させた凶悪事件から三年。
「野々宮恭子」と名乗る美貌の投資アドバイザーが現れた。
国会議員・柳井耕一郎の資金団体で事務局長を務める藤沢優美は、
恭子の指南を受け、不正運用に手を染めるが……
金と欲望にまみれた人々を弄ぶ恭子の目的とは! ?
どんでん返しの帝王が放つ、戦慄のミステリー!

人気漫画家・松田洋子氏による、文庫版限定「あとがき漫画」も、
シリーズ第1作『嗤う淑女』につづけて、ふたたび収録!
目次
◆一 藤沢優美
◆二 伊能典膳
◆三 倉橋兵衛
◆四 咲田彩夏
◆五 柳井耕一郎

★感想
「嗤う淑女」の続編を完読しました。
今回は大物政治家を打ち崩すお話し。
その金庫番の団体、後援会などの不正な現金が動くたび、関係者が不運死を遂げます。そこには必ずその裏に“野々宮恭子となった蒲生美智留”が君臨します。
今回も協力者と共に、人間を徹底的に追い込み、現金を掠め、自殺や殺人まで教唆し、今回も徹底的に打ちのめす状況が、何故か爽快すら感じてします。
もちろん被害者には最悪の状況で同情しますが、そうなっても致し方ないと思ってしまう本作の描き方が凄い。
人間、欲と豪が強過ぎてはいけないと、しみじみ思いました。
 
それにしても蒲生美智留がなぜ今回の犯行に及んだのか?
最後の最後に美智留の本心が描かれています。
その本心とは‥‥。
 
皆さん、ラストのどんでん返しも楽しみに読んでくださいね。


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