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花相の読書紀行№.72『じんかん』

信長に一目置かれた武将、松永弾正久秀

【じんかん】/今村翔吾
<あらすじ>
仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?
時は天正五年(1577年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かしたときに直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。
貧困、不正、暴力…。『童の神』で直木賞候補となった今最も人気の若手歴史作家が、この世の不条理に抗う人すべてへ捧ぐ、圧巻の歴史巨編!

★感想
悪名高い“松永弾正久秀”を別の角度から描いた作品です。
ただひたすら民や臣下を思い、遠い来世の日ノ本を夢見て生きた武将の壮絶な生きざまに心打たれます。
その思いは、織田信長にも通ずるところがあったのでしょう。だから謀反を繰り返してもなお久秀を想う信長の心が切ないです。

ラストは号泣でした••••。

この作品で語られる松永久秀は、三国志の曹操のようは人物のような気がします。
ちなみに私は、三国志の登場人物の中でも曹操がお気に入りです。

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