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花相の読書紀行№.127『浮世女房洒落日記』
お江戸の女房、お洒落に日々を逞しく生きていく。
浮世女房洒落日記】/木内 昇
<あらすじ>
お江戸は神田の小間物屋、27歳ちょい年増、甘いものには目がないけれど、美肌の執着、果てはなし。
すっぽん、火消が大の好き、でもって、財布はスカンピン…良しも悪しきもこの世のすべて、笑って怒って一年終わる―あぁ、こんな時代に生きてみたかった!
江戸の女房の、せわしな楽し毎日。
(「BOOK」データベースより)
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★感想
小説の書き出しがちょっと変ってます。
「その夜私は奇妙な物音で目を覚ました。
ゲリゲリゲリ、と細い爪で‥‥」
と、旧館に棲む鼠の話から始まるこの物語は、どんなお話なんだろうと読み進むと、なんと江戸長屋で小さな小間物問屋の女将が綴った1年間の日記なんです。
何かちょっとしたどんでん返しが有るのかも•••って思ったけど何もなく終わってしまいます。
でもね、主人公“お葛”が、家族とともに逞しく生きている様子や風物が手に取るように分かってくる。
しかも貧乏ながらも“お葛”は、狂言や落語、読書も嗜む意外と賢い女性、その設定がまた良い。
こんなジャンルの小説も読めちゃうところが、友オススメの本なのです。
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