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銀兵衛は、来るゾ・・・

今年もM1が盛り上がっている!!

ありがたいことに3回戦はすべて動画で見られるし準々決勝も有料配信された。一昨年くらいまでは普通に当日券でも会場に入れたのに、昨年から全く観覧チケットが取れない。しばらく生のM1の空気を味わえていないけれど、配信で観れるだけでもありがたい。

今年は金属バットのラストイヤーだなぁと思うと、正直寂しさ半分という心境である。(公式サイトのコンビ情報を見たら結成が2007年になっていた。結成14年目?もしかして金属はラストイヤーではないのか?!)来年以降、楽しみが半減しちゃうなぁ・・・などと思いながら3回戦の動画を見ていたわけだが、一組、金属を初めて見たときの感覚に匹敵するような、かなり独特で中毒性のある漫才をする二人組がいた。

その名も、銀兵衛!

コンビ名はかなり渋めだが、まだ24歳。デカい声で独特な持論を展開する小松くんと、その横であまりしゃべらずボケーっと佇むあゆむのコンビである。小松くんは坊主になって(実は以前チラッと見たことあった動画と比べると)垢抜けて格好良くなった印象、そしてあゆむのボーっとしてる顔はめちゃくちゃおもしろい。

M1のネタは、小松くんの小学生時代、5時間目前の休み時間にひとり机に座りコンパスを眺めながら、聞こえてきたクラスメイトの男女の会話について考えていたことをネタにした内容だった。

正直最後の30秒くらいは何言ってるのだか全く聞き取れなかった。繰り返し再生して聞いてみて、小松くんの持つ「小学校4年生の最高水準のバランス感覚」(←この辺の気取った小難しい言葉選びがひねくれていて良いと思う)で、この戯れる男女の世界に響かせる「ワーー!」という声を出すことが出来た、的なことは理解した。

小松くんの語る内容は、分かるような、分からないような、でもなんか分かるかも!みたいな、痒いところに手が届く感じ、そのめちゃめちゃ絶妙なラインを衝いてくる。

このネタだと、女子児童の「殴るよ」の一言や、ローキックの雰囲気、男子児童のキックのよけ方とか、小学生時代に誰もが見たことある光景かもしれないけど、誰もが受け流し、言葉にしようとなんてして来なかった。小松くんは、その言語化作業をしている。

YouTubeで観た他の漫才の動画だと、「バナナって言い過ぎる奴はバカっぽい」とか、「パン屋さんが笑顔でなかったら誰が笑顔になれる世の中だよ」とか、考えたこともないけど、でもちょっとわかる気がするような主張が展開されている。24歳なのに堂々としていてしゃべり方も立ち居振る舞いもすごく自然で、彼の言葉で語っているというのが伝わってくる。
例えば、ミートボールを食べる瞬間誰しもが惰性であること、例えば、エビチリは食事の中盤くらいで皿の上の汚れになること、とかである。おそらく、は??となる人も多いと思う。当然だ。人類が新しいテクノロジーを手にしたときにたじろぐように、新しい概念が生まれる瞬間も、おそらく簡単には受け入れられないのだ!

んー、うまく言えないが、誰かが言い始めたであろう「本屋に行くと大便がしたくなる」っていうのを初めて聞いたとき私は感動して、このことに気づいて言語化した人すごい、と思った覚えがある。つまり銀兵衛の漫才を見ていると、毎回この感覚が呼び覚まされる、ということだ!

今年は3回戦で落ちてしまったけど、かなり楽しみな漫才師である!

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