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手相が見れてマジックも出来るおじさん

先日参加した飲み会に、手相が見れてマジックもできるおじさんがいた。

私は占いは怖いと避けているタイプだが、一緒に参加した友人は大の占い好き。芸人には疎いくせにエレキコミックのやついいちろう(ゲッターズ飯田と占いイベントをやっているらしい)は知っているというほどだ。だから、その自称手相占い師が、くたびれたシャツを着てすきっ歯で眼鏡が脂ぎっているおっさんだったとかは関係なく、嬉々として手相を見てもらっていた。


私は隣でじっと、おじさんが彼女の手相を見る様子をうかがっていた。
ちなみに彼女はNijiUのミイヒ似でかわいい。言っちゃ悪いが傍から見りゃかわいい女の子に触りたいだけのセクハラにしか見えないんだが、わざとらしくベタベタ触るとか、そういった感じではなく、あくまで手相占い師然とした所作であった。
彼女は結婚運を占ってもらっていたが、〇〇線がどうとかこうとかで、これこれがこうだから結婚できますよ〜とそれっぽいことを言われていた。彼女は性格が良いのでうんうん、と熱心に聞いていた。
占いが終わるとおじさんはさらりと手を話して「ね、嫌らしいことないでしょ」とでも言いたげに、疑いの目を向ける私を一瞥して、得意気な顔をしていた。

飲み会の主催者によると、そのおじさんはマジックもできるらしかった。


モテるための常套手段、マジック。女性の気を簡単に引くことができるらしい。
嵐の二宮やかまいたちの濱家のイメージがあるが確かにいずれも大の人気者だ。

そういえば学生の頃に泊まった宿に、マジックが得意な青年がいた。ロビーで様々なマジックを披露する彼に人々が吸い寄せられ、彼は一晩でその小さな宿の人気者となっていた。私も例に漏れず、マジックをするその彼のミステリアスで知的そうな雰囲気に惹きつけられた。ちゃんとマジックを見たのはそれが初めてだった。目の前でコインが移動したり、カードを予言されたりして、本当に驚いて惹きつけられたことを覚えている。

でも、私はおじさんのマジックを見たいとは思わなかった。友人も占い以外におじさんに興味はねぇといったご様子。占いが終わると間が持たず、なんとも気まずい雰囲気が流れたためおじさんの席を離れた。

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