ドキドキ!東京奇人探訪記

この前誰かが、「エレベーターで、ひとり壁に向かって立ってる人がいたらめっちゃ怖いでしょ?」と言っていて、考えてみたことも無かったけど、確かにそんな人いたらめっちゃ怖いと戦慄した。

多様性を認める社会になってきているけれど、それでもなお、個性が強すぎる人間は近寄りがたいし、人と違った行動を取る人間は怖い。そんで、東京は人口一位なだけあって、奇人がめちゃくちゃ多い。

例えばこの前新宿で、赤信号をガン無視して横断歩道をつっきるおじさんを見た。ヴィジュアルはエレファントカシマシのボーカルみたいな感じで、髪の毛はボサボサ、服装は薄汚いジャージだった。うつむき加減でタバコをふかしながらとぼとぼと歩いていた。車にクラクションを鳴らされても一切気にする様子もない。横断歩道を渡り切ったところでぴたりと脚を止めて、うつ向いたままタバコをふかし続けていた。そこは新宿の、多くの人々が足早に通り過ぎる歩道のど真ん中。少なくない人々がおじさんのことを怪訝そうにジロジロみながら通り過ぎて行った。おじさんの醸し出すオーラが怖すぎて、私は走って逃げた。本当に何かとんでもないことをやらかしそうな雰囲気を出していた。家に帰ったときニュースになってなければいいな・・・とまで不安になったが、それは杞憂に終わった。

電車の中もけっこうな奇人出没スポットである。仕事帰りの電車で座ってボーっとしてたら、向かいの席にロングヘアの女性が座った、その刹那、ゾッとするとはこういうことか、という光景が。なんとその人、前髪で顔面をすべて覆い隠していた。顔の角度的にはまっ直ぐにこちらを眺めている。でも前髪が顔面を隠しているから、こちらから見えるのは胸のあたりまで伸びた黒々とした直毛だけ。観察しようにも、毛の隙間からこちらの様子をうかがっているかもしれないという恐怖心で思うようにいかない。視線を右から左へ、左から右へ移すふりをしてチラッと彼女の方を観察すると、良い姿勢で座ったまま、ピクリとも動かない。私は狙われてるのか、それとも・・・ただ寝てるだけか?

だとしたらこの前髪は、寝顔を隠すための彼女なりの工夫なのだろうか?口を開けたままの寝顔を見られるくらいなら、前髪で顔を隠しちゃえって?奇人と天才は紙一重とはまさにこのことか・・・。にしても、周りの人はなぜ何にも気にしていない!?こんな非日常な光景が目の前で起こっているのに怖くないのか!?もしかして私にしか見えてない・・・?

怖すぎるので車両を移った。


最後に、東京一の奇人出没スポットの紹介だ。

それはズバリ、池袋。

歩道のわきで編み物をしているおばさんを見たし、横断歩道で跪いて歯磨きをしているおじさんを見た。

そいういうわけで、私は出来るだけ池袋には近づきたくない。

この世に奇人がいる限り、私の旅は終わらない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?