営業に裏ワザなし その1「まず自分から名乗る」

一発逆転の営業手法があったらいいのに、と淡い希望を持って20年が経ちます。
しかしそんなものは存在しない、ということも理解しています。
今もってどうしたら上手く営業できるかな、と日々模索している人間です。
自分の体験談をお伝えしたいと思います。

営業の基本は「相手と会って話す」ことだと思っています。
会うということにオンラインも含めてよいと思いますが、顧客にとって自分が信用に足る人物であることを感じてもらうことが大切だと考えています。

私は父が一人でやっていた家業を継いだので、専任の営業マンなどおらず、当然、自分が営業をすることになりました。
営業のノウハウなどなにもありませんでしたから、電話帳(懐かしい)でめぼしい会社を見つけて、いきなり訪問する、飛び込み営業をする以外ありませんでした。
最初のうちは、お父ちゃんお母ちゃんがやっている町工場や小規模な会社を訪問していました。

一般的に飛び込み営業というと、「帰れ!」とか罵声を浴びせられるイメージがありますが、私の場合、幸いなことに、とりあえずはお話を聞いてもらえていたように記憶しています。
とにかく怪しまれたくないので、
・会社名
・名前
・簡潔に用件
を真っ先にお伝えしていました(何度もかみながら)。
そして、ご担当の方はおられますか?と続けます。
これは現在も忠実に実行しています。
担当者(ほとんどの場合は社長)に通して頂ければ、
名乗りと用件をお伝えし、
少しお話しを聞いて頂けそうなら、
「自分は駆け出しですが、何かお役に立てないでしょうか」
「前職とは無縁ですが、後継ぎとして父の会社で頑張りたい」
とか、ほとんど顧客無視の自分の身の上話をしていたような記憶があります。
何度か足繫く通ううちに、お仕事を頂けるようになりました。
仕事で来ていますので、毎回、買取価格を提示していました。
この頃、自分の名刺の裏に品名と買取単価を手書きで書いて、お渡ししていました。
今思うと、本当にお恥ずかしいのですが、そんな営業スタイルでした。
こんなふうでも熱意や懸命さが伝わるのか、少しずつ顧客が増えていきました。
見積りぐらいパソコンで作れよ、と思いますが、当時は、会社(個人事業)にパソコンはありませんでした。まずは何事も父のスタイルから外れないように、という遠慮があって、パソコンが欲しいと言わないようにしていました。
私は学生時代からパソコンには慣れ親しんでおり、また、前職は東証一部上場会社で主に設計職をしていたため、人並み以上に使えていました。
自宅にはパソコンもプリンターもあり、見積りをパソコンで作成するなど楽勝でしたが、あえてきちんとしたスタイルの見積書は作りませんでした。
そこは営業訪問先に合わせるという意図があったからです。
見映えや体裁よりも、
現場で汗水流して働いているという仲間意識
のほうが大切だと直感的に感じていたからです。
実際、私も普段は現場作業をして、空いているときに営業に行っていたので、訪問先の社長さんたちにシンパシーを感じていました。

今回のサブタイトルにある
「自分から名乗る」
これは意外と当たり前になされていないと感じます。
みなさん、知らない電話番号から電話かかってきたことがあると思いますが、営業電話の場合、大半の相手が
「〇〇様のお電話でしょうか?」
という文言で始めます。
私はこれは礼を欠いていると思います。
まず自分から名乗るべきです。
名乗った時点で電話を切られることはあるでしょう。
しかし、そこは正々堂々と行うべきです。
電話をしてきて、いきなり相手を探るようでは、信用ポイントはマイナススタートですよね。

今回はこんなところで!

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