都合の良い性別

女性として生を受け、得したことも損したこともある。多分この損得は男性にも何かしらあるだろう。

そしてこのnoteはフェミでも性差別の話でもない。ただ、都合の良いように自分でも使っているというだけの話である。なので意識高い内容を求めてるのであれば戻ることをオススメする。


男と女の違いは性染色体により決まる。これを生物学的な性分離という。時折稀にどちらも持つ半陰陽があるがその事は今回は別なので置いておこう。

性染色体から始まる性分離は第二次成長期に顕著になる。女性のシンボル(?)とも言われる乳房の発達や臀部の丸み。皮下脂肪が増え丸みのある体となる。初潮が起こり、次世代を育む準備が行われる。

中学生の頃はターゲットになる事は無かったが、性被害の事案は全校集会で報告され、注意を促されていた。「丈の短い服を着るな」「人気の無いところを歩くな」「夜の繁華街は危険だ」などなど。被害者になるのを防ぐという意味合いで女子に注意を向けられていた。誘うような素振りをみせるなということであった。まぁ確かに誘うような格好をすれば女子に非があると言われるわけで。(犯罪者の方が悪いのは当たり前として)少なくとも私はこちらが注意を払う必要がある。

私はそれを女性として生を受けた以上払うコストだと思っている。生理用品やブラジャーと同じように。


高校生、大学生になると電車通学になった。下り電車とはいえそれなりに混雑する路線だったため数ヶ月に1度は痴漢にあっていた。トータルすると何回だったのだろう。乗換駅で電車待ちのあいだに「3万でどう?」と声かけられた事もある。実に気持ち悪いことだ。とはいえ「痴漢です!」なんぞ言えず警察につきだす勇気もなくただじっと耐えていた。恐怖や衝撃で固まってしまうのだ。

スカート切りつけられたり、気持ち悪いが体液かけられたり、盗撮された同級生や同じぐらいの学生を見聞きしていた。上り電車で激混みで来る子はもはや日常と言っていた。友人同士で「また痴漢された~」「良くあることだよ」「痴漢されるほど魅力なんだよ」「モテモテじゃんw」みたいに

女子高生だし、女子大生だから狙われるんだ。仕方ないことなんだと良くあることと思い込んでいた。犯罪だけど。


極端な話、JKやJDとブランド化してる現状、狙われやすいし、性被害は残念なことに当たり前となっている。でもそれを逆手にとって性的商品として売りに出すことも出来る。そして需要が高いこと。(合法非合法は別としても)

実際大学の同級生は夜の世界でバイトしてたし給与も良いと言っていた。二十歳のピチピチってだけで諭吉が増えるのだ。おさわり禁止の店なら安全だし、黒服がいるお店って子も居た。


仕事を休職し金銭的に心配になった私は「若い女性」であることを武器に商売をした。

繁華街で水商売と呼ばれる業種についた。

もちろんこっそりなのだが。(ダメです)

お店の服を借り、黒タイツに足を包む。ストレスで激痩せしたので細身になったからちょうど良い笑

胸や尻が見える見えないのギリギリラインの服。濃いめにメイクして飲んでないけど酔ったフリをする。少し高めの声で。猫が好きとお客が言えばバックヤードからネコミミを持ち出す。フードメニューはあーんして食べさせる。おさわり禁止だけどしれっと太ももや腰を近づける。

数日だけのヘルプとして居たのだが、

ビックリする位儲かるのだ。

この世界にハマる人ははまるな。ただ期限が短いなとも思った。

若さが勝負の世界。年を重ねると束ねる側になるしあしらいかたや接し方、お酒の飲ませかた…と20代の子とは違う接客をしないといけない。

この世界は私には向かないな。と確信した瞬間がある

お客の咥えたタバコに火を灯したとき

「何万ならヤれる?」と聞かれたのだ。

本能的にというか生理的というか「気持ち悪い」

と思ってしまったのだ。

女性であることをウリにするのは向いてない。お金にはなるが。かといってすれ違いざまに「痴漢」として消費されるのは嫌だ。矛盾する自我は都合よく性別を。女性であることを使っていると気づいたのだ。

今後金銭的に激しく困ったらまたこの世界に戻るかもしれない。なるべくそうはなりたくないが。金額を考えると揺らぐモノはある。でも好きでもないオッサンたちに胸やけ尻をおさわりされたりパンチラされたり、酒とタバコの口臭混じる吐息で囁かれたくない。極端な話、ある程度の諭吉をもらって共に一夜は御免被りたい。

性被害と受けとるか、それとも商品として売りに出すかは自分次第であり、買われたなどと都合よく被害者の顔をするのは自分には出来ないだろう。性別とそれに付随するブランドを武器としたことがあるから


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