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第29回 全日本自転車競技選手権大会 シクロクロス 男子マスターズ 40-49 レースレポート

愛媛県の内子大会からシクロクロス全日本選手権への挑戦を始め、今回で5年連続5回目の挑戦。昨年はディフェンディングチャンピオンとして臨んだが、気持ちが先行してしまって空回り気味だった。なので、今回は少し心に余裕を持ちながら節制しすぎず、かといって手を抜かずに、過去イチ厳しいインターバルトレーニングを積んできた。

関西シクロクロスのカテ1選手が複数参戦することから厳しいレースになることが事前に分かっていたが、厳しいトレーニングを積み上げていく中で、怯むどころか、むしろ一緒に走れることがとても楽しみになっていった。狙うのはもちろんただ一つだ。

機材

---BIKE---
バイク:Toyo Frame HYBRID CX-D
ホイール:アダック謹製&K's Gallery補修 手組ホイール(チューブラー)
タイヤ:challenge Grifo 1.1bar / 1.2bar(レース後実測)
ギア:フロント46-39 リア11-34
チェーンオイル:EXLUB

試走の結果から、リム打ちしない空気圧として1.4barちょいぐらいで行くことにした。ところが、空気を充填した12時からレーススタート時間までに気温が急低下(宇都宮気象台では8度近く低下)。恐らくこれによって圧が下がってしまったようで、レース後に図ったら1.1~1.2barしかなかった。スタート直前に再度チェックしようとしなかったのは、まさに経験不足。

---WEAR---
ヘルメット:KASK protone
ジャージ:オンヨネ ワンピース
インナー:オンヨネ肚力×アンダーアーマー長袖
ソックス:オンヨネ腱力ソックス
インソール:田村義肢カスタムインソール
アイウェア:OAKLEY SUTRO (レンズ:プリズムトレイル) customed by EYECUE

---サプリ&補給---
○レース前
・ZENトラ
・MAGMA
・パラチノース70g
○レース後
・ZENダルマ
・MAGMA

コース

①スタート直後に砂セクション
②間髪入れずに3段坂
③林道を経て登り返し
④平坦~ドッグラン前半~平坦
⑤ドッグラン後半のキャンバー~シケイン
⑥ジープロード
⑦平坦~ゴール

差が付くポイントとしては、①からの②、そして⑤。
①の砂はディスアドバンテージだが、②と⑤は上位陣と変わらずだろう。とすれば、その他をフィジカルでカバーすれば勝てる可能性は十分にある。

目標

・優勝

公には言ってこなかったが、強い気持ちで優勝を目標に頑張ってきた。頑張ってきたといえるぐらいの、厳しいトレーニングをこなしてきた。

コンディション

体重58.4kg
CTL91 TSB+22 
睡眠スコア 68/100
ボディバッテリー 46/100

体重は例年より重めだが、その分パワーも出ており、パワーウェイトレシオは例年通り。それもあって推進力に繋がっていると思っている。
大会前日の緊張感から、睡眠スコアやボディバッテリーが低い。能登でも低かったけど結果を残せているから、いつもどおりと割り切る。

レース

ゼッケンナンバーは10番でスタートは2列目。最も左側のレーンを選択。
直線の後の最初のコーナーが右折のため、みな自然と右寄りになるので、そこを左側から抜いていく狙い。

他のカテゴリーでは、審判がコース外に出てから3~4秒でスタートの合図が出されていたので、そのタイミングを意識。少し長く感じたけど概ね感覚通りにスタートの合図。

ペダルキャッチは成功。左端のラインをキープして加速していく。

All photo by Masao Sida. special thanks!

狙い通り左側の視界が開けていき、コーナーぎりぎりまで加速してターン。
減速を最小限にしていき、コースインした時には5番手付近まで順位を上げられた。

フィニッシュラインを通過し、すぐに砂セクション。
試走時からうまく自転車を進められていなかったが、練習で出来ないことは本番でもできず、スピードに乗せきれずに後退。
でもこれはレース前から想定していたこと。砂で2~3秒失っても、他で10秒を取り返せる。

3段坂はゴチャゴチャしていたので、途中で無理せず降車。1周目は前を逃さないようにすれば良い。

ドッグランの後半のキャンバー区間。昨日の試走では乗車で行けることが多かったが、1周目は確実にいくために降車。みんなもそうしていた。
斜面上部までは上がらずに斜面上で乗車していく。だが、強まっていく雪によって、かなり滑りやすくなっていて、56さんが目の前で転倒。降車時も乗車時も慎重な動きが必要になっていた。

ジープロードに出て、一気にブリッジしようと思っていたが、思ったようにバイクが進まずに順位を上げられない。1周目は先頭から5秒差の5番手で通過。まずまずの出だし。

2周目の砂でも失速。こればかりは、現状のスキルではどうにもならない。
56さん、中島さん?に抜かれる。スッキリした3段坂を乗車でクリアするはずが、バイクが思ったように進まずスタック。その後の登り返しは問題なく乗車で通過。

56さんと前を追い、ドッグラン後半のキャンバー区間で目の前に迫るが、いまいち付ききれない。

どんどん降雪が強まり、キャンバーは泥の状態が悪化。ますます動きが硬くなっていった。よく見えていなかったが、ITさんは一気に上まで駆け上ってから乗車。数人をごぼう抜きした模様。自分には臨機応変な対応が不足していた。

ジープロードに出て、前方に4名ほどの関西トレイン。それを追うが、ジープロードで全くスピードがでない。この辺りで空気圧が低いことに気付く。
2周目は先頭から14秒差の5番手で通過。まだ1コーナー差。なんとかなる。

3周目に入る頃には、ますます降雪が強まっていく。中厚のグローブでは防寒が足りず指がかじかみ感覚がなくなってきた。グローブの選択をミスった。
砂を無難にこなして3段坂を駆け上るが、の途中で失速し転倒しかけた。
去年の宇都宮のレースでは乗車で問題なくこなせたが、今日はいまいち自転車の進む感覚が鈍い。

ピット手前のレンガ区間に入るところで、羽鳥さんから気を付けるように声が掛かる。慎重に入ったつもりだったが、リカバリーする時間が一切ないぐらいの勢いでスライディング。
運よく機材は問題なく、すぐにリスタート。

折り返すような区間で先頭との差を図れるが、少しずつ開いていっているのが分かる。目の前には國分さんがいて、追い付きそうで追い付けない。
ジープロードで56さんが前に出て引いていく。後ろにいても余裕がない。空気圧が明らかに低い感じはするけど、抜けきっていく様子はない。
ロスタイムや交換用車輪の仕様を踏まえると、車輪を交換するメリットは無さそうなので、このまま行くしかない。こういう時のために代車が必要なのだが。3周目は56さんの後ろ、6番手で通過。

4周目に入る。追い込んでいるつもりなのだが、身体が少しずつ冷えていき、パワーを生み出せられない。

3段坂は2段目までがやっとで、あとは降車で登坂。

目の前にいる56さんと國分さんを抜けば、まだ表彰台のチャンスはある。そう考えて奮い立たすもとにかくスピードに乗せられず、詰め切れない。離されないのがやっとという状況が続く。

ジャンがなって最終周回の5周目。
3段坂の1段目までしか乗車できないほどに身体が動かなくなってきた。
当然、前2人との差は少しずつ開いていく。状況打開の糸口がなく、持てる力でただただゴールを目指した。

雪が舞う中、ゴール。順位は6位だった。

あれだけ辛いインターバルトレーニングをしてきて6位かよ、と思った途端に、悔しくて泣いた。それだけ頑張った自負があったから。

だが、フィジカルだけがシクロクロスじゃない。スキル、コースへの適応、機材のセットアップ、気象への対応、全てが揃ってようやく優勝の挑戦権を得られる。上位選手に対して、足りていない部分があった。それだけのことだ。

優勝は、村田選手。どんな状況でも勝ち切る強さをもっている。まさにチャンピオン。3位になんと56さんが入った。あそこから猛追して3位をもぎ取る力に、驚くしかなかった。
そういえば、3年前の飯山でも、後半に一気に追い上げてきて、3位争いのゴールスプリントになったことを思い出した。荒天の後半に強い。

関西勢の牙城を崩すべく、鼻息を荒くして臨んだ全日本だったが、結果は自分より上位5人のうち4人が関西勢、1人が東海という勢力図に。まさに完敗だった。

レース後にタイヤの空気圧を計ってみると、1.1barと1.2bar(前後は失念)だった。走りが重たいのも合点がいった。

残念なことに、心拍数データはあまり正確に計測されていないのだが、安定して計測されている箇所を読み取ると、レース中は150bpm前後。上山田CXや能登CXでは平均で155bpmだったことを踏まえると、いつも通りのパフォーマンスを発揮できていなかった。

こういった機材面や気象適応を含めて、シクロクロスの実力なのだ。

今回良かったこと、不足していたことをしっかり学んで、また来年挑戦しようと思う。

最後に

長かった2023年シーズンが終わった。

ニセコ、全日本ロード、鳥海山、ツールド福島、ツールド沖縄、そしてCX全日本。挑戦にあたって新たな発見もあった。40代半ばにして、まだ伸びる要素があると感じられる素晴らしシーズンになった。

振り返りはまた後日にするとして、まずはシーズンを無事に終えることができたことに安堵するとともに、今シーズン応援してくれた皆さん、このnoteを購読してくれた皆さんに感謝致します。
1年間、本当にありがとうございました。

体重が高位安定しているので、早めに2024年の目標設定をして、再始動していきたいと思っています。
引き続き、応援、そしてnoteのご購読のほど、よろしくお願い致します。
重ね重ねありがとうございました。

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意識の仕方、ちょっとの工夫、継続、そんな少しずつの積み重ねで、同じ練習内容でも得られる結果は変わってきます。沖縄4位、ニセコ総合優勝、国体ロード7位、乗鞍2位、Mt.Fuji優勝、数々の戦歴を残してこれました。いまは年齢に抗いながら、新たな工夫や意識を加えながら日々努力。一緒に頑張りましょう!!!

40代半ばのサラリーマン。そんな筆者が、家庭と仕事のバランスに苦悩しながら、ツールド沖縄、ニセコクラシック、マスターズ全日本選手権で上位を…

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