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『バーチャル地球を救え!』開発記 前編

ポパピスタジオ代表のアラスカ4世です。本記事では私が公開したフルAI作画ノベルゲーム『バーチャル地球を救え!』の開発中に起こった事や考えた事を書き、読者の皆様と知見を共有したいと考えています。

『バーチャル地球を救え!』について

『バーチャル地球を救え!』は私の制作したノベルゲームで、使用した全てのイラストがAI『StableDiffusion』によって生成されている事が特徴です。
本記事は『バーチャル地球を救え!』のネタバレを含むので、まず下のリンクからゲームをプレイし、その後で記事を読む事を弱く推奨します。15分程度でエンディングまでプレイできる事を想定しており、エンディングは一種類のみの手軽な作品です。
ゲームは以下のリンクからプレイできます。ページ下部の「ブラウザ版を遊ぶ」をクリックしてください。

あらすじとしては、プレイヤーは仮想空間「バーチャル地球」をテロリストの手から守るために冒険を繰り広げたり、ダリやゴッホのAIに絵を描いてもらったりします。

主人公の相棒のAI、アイリスです
バーチャル地球を救うためには、絵を描いてもらう必要があります

楽しくて短い作品なので是非プレイしてください!

自己紹介と開発に至る経緯

後で自己紹介に特化した記事を書く予定ですが、ここでも簡単に自己紹介をします。私はポパピスタジオ代表のアラスカ4世です。基本的にニートです(でした)が、漫画を描いてコミティアで頒布したりしています(した)。一部の漫画はニコニコ静画さんで読めます。

ゲームは好きですが、ノベルゲームよりもrimworldなどの洋ゲーをよくプレイしています。以前WOLF RPGエディターを使って『エルフ始祖連盟の正体』というお行儀の悪いRPGを短期間で作ったことがあり、この経験がある程度役に立ちました。

2022年8月初頭の時点ではこうした活動を含む全てが行き詰まったように感じていたのですが、そんな時に画像生成AI『Midjourney』が話題になり、使ってみました。

Midjourneyで生成したサイタマのスラムの小汚い部屋

これはすごいものが生まれた……と思いつつ夢中になって色々な画像を生成して遊んでいるうちに、StableDiffusionが公開されました。

StableDiffusionは(この時点では)Midjourneyよりも汎用性が高いので、これを使って絵を生成してノベルゲームを作る事がわりと簡単にできそうだと思い、実際にやってみることにしました。

かわいい(主観)女の子のイラストを生成できるようになってきたので、いずれはこんな雰囲気の絵で伝統的なスタイルのノベルゲームを作ってみたい、と思ったのも動機の一つでした。

開発方針を決める

開発は以下の方針で進める事にしました。

①ノベルゲーム制作のノウハウを得るために作る
AIを活用して魅力的なイラストを生成できるようになりつつあること、ノベルゲームを制作している友人に触発されたことなどをきっかけに、ゲームを作ってみたいと思うようになりました。少なくとも当初、本作はそのための習作という位置付けでした。

②画像生成AIのテスト、デモンストレーションのためにAIを使って絵を生成する
現時点のStableDiffusionを使って何ができるのか、何ができないのか知りたかったので、StableDiffusionを最大限活用して制作することにしました。発表の仕方次第では多くの人に見てもらったり、知見を共有したりできることも重要なメリットです。

③基本的にクオリティーよりも速度を重視し、一日でも早くリリースする
この時点の画像生成AI界隈では毎日目新しい何かがリリースされ続けており、この流れに乗り遅れるわけにはいかないと考えました。できれば、先に誰かが同じような作品を公開するより前に完成、公開したい。そうでなくとも、人々は少しずつAIが画像を生成する事に慣れ、飽きっぽくなっていくでしょう。そうなってコンセプトが陳腐化する前に勝負を仕掛けたいと考えました。

中編に続きます。


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