AI絵師を合法にする方法【レポート】

　現在、人工知能（AI）が話題になっている。人工知能（AI）とは

　人工的な手段で実現され，知覚，インタラクション，推論（推理），問題解決，言語，連想，学習などの知的情報処理を自律的に遂行することができる情報処理メカニズム。（引用１）

である。代表的なのがchatGPTというサービスで、文章を入力し自動でアイデアを考えてくれるテキスト生成AIがある。生成AIは、既存の文章・音楽・イラスト等をAIに学習させ生成させる技術であり、急速に普及したテクノロジーである。生成AIを使用したサービスでは、作曲家を学習させ真似て曲を生成したり、人の声を学習させ、AIに歌わせるという著作権侵害などになり得る事件が数多く問題視されている。
　生成AIには、イラストを生成する沢山の生成AIが発表されている。イラストを生成するAI絵師という者が存在しており、AI絵師は、生成AIを使用したAIイラスト作品を生み出している。問題点として、他者が描いた作品をAIに学習させ、学習済みのモデルから生成させる類似した絵柄が生まれる。表現やアイデアは、著作物ではないのが日本の法律である。法令上生成AIは、他人の著作物をAIに学習させる事は認められているが、著作権を持つ者のイラストから不正に利益を得る事は原則として禁止されている。つまり無断で機械学習に使用され、販売されたイラストレーターは損害賠償請求する事ができる。また、AIイラストは類似物のイラストで生成された作品だが、生成されたイラストは、絵の理解も不十分であり、手などをよく見ると形がどこかおかしい事に気が付く。骨格・機能・構造など作者の美術知識が乏しく問題が生じている。発表する作品としては不完全な状態である場合が多く、それが生成AIイラストの特徴といえる。AI絵師と手書き絵師の境界線としてAI絵師の作品内容はコラージュ作品である。コラージュとは、
　
　画面に印刷物，布，針金，木片，砂，木の葉などさまざまなものを貼りつけて構成する絵画技法，あるいはこのような技法によって制作された作品をさす。（引用２）

そもそもコラージュ作品としてAI絵師達には認識のズレがある。コラージュ作品と理解していない者もいるのだ。文字を入力すると簡単に生成されてしまうため、自分がオリジナルで描いた物と誤解している人々が多いのだ。AI絵師達がイラストを描くことは娯楽では無く作業工程の一環であり、新しい画像を生産し続ける事に意味を見出している。元がある以上AI絵師はコラージュ作家となる。作品が完成する経緯を辿れば明確であり、イラストを描く絵師には、下書・線描き・色塗りといった描く工程に娯楽を感じる人々もいる。一方AIのイラストでは、作成の過程がインターネット上にあるイラストをAIに学習させ素材を作るのみである。
　AIイラストがここまで絵描きに嫌悪される理由については、無断でAIに学習させ使用している可能性がある事だ。そしてその生成イラストで商売する者がいるのが現状である。取り締まりはしているが、イタチごっこ状態であり、引用先が無いため使用しているのか分からない状態である。また、SNSでイラスト作品を発表した物を無断でAI学習に使用し、生成させ己の作品としているのだ。当然だが著作権の侵害にあたるが、証拠がつかめないのが現状である。イラスト学習を禁止させている絵師にとっては違法行為であり迷惑行為そのものだ。大学のレポートなどは引用先が書いてあり、参考元にリスペクトがあるが、無数に学習させた生成AIは、引用先、つまり覚えさせた素材が書かれていない。私は生成イラストには、引用先などが必要だと考えている。生成AIは、テクノロジー技術が発達した現代が生み出したアートである。そして、美術作品の価値においては作品のストーリーも必要であり絵描き達へのリスペクトが必要だ。生成AIは便利だがオリジナル作品を生み出した人間が存在している事を忘れてはならない。

設問1引用
（引用１）ブリタニカ国際大百科事典　小項目事典 “人工知能”
https://japan.eb.com/rg/article-05861200
[アクセス日： 2023.10.12]

（引用２） ブリタニカ国際大百科事典　小項目事典 “コラージュ”
https://japan.eb.com/rg/article-04322900
[アクセス日： 2023.10.12]

参考
A I と著作権、令和5年６月、文化庁著作権課
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
[アクセス日： 2023.10.12]