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写真集CRP TOKYO JR巣鴨駅界隈 山手線周遊03 撮影会⁺写真集 by 10PHOTOGRAPHERS ¥0 無料キャンペーン 5.21pm5~5.24pm5

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写真集 CRP TOKYO JR巣鴨駅界隈  山手線周遊03 2022年4月

10PHOTOGRAPHERS
TERUYO FUKUMOTO HIROYUQUI TACHIHARA SHIGEAKI AONOTATSUYA SATO
TERUMASA ARIMA YUICHI OIDE YUKIKO SUZUKI YUTA HIRAKUBO YOSHINORI KAMEI
ALAO YOKOGI

RP写真集 巣鴨駅界隈 山手線周遊03
「甘い巣鴨」 横木安良夫
池袋、大塚に続き、山手線周遊3番目の写真集は、巣鴨だ。
巣鴨といえば、巣鴨地蔵通り商店街という、旧中山道のとげぬき地蔵でゆうめいな高岩寺がある。その通りは「おばあちゃんの原宿」と呼ばれ、今や東京の観光地として若者やインバウンドで賑わっている。
巣鴨については、ネットで調べれば情報にあふれている。
なので、僕の若い頃のホロにがい話をすることにする。
1975年僕は、著名な写真家のアシスタントから9月に独立した。
フリーランスのカメラマンだ。
その都市の初夏、青山のユアーズの裏の高桑ビル6階に入居し、事務所件住まいとして住み始めた。そこでプロの写真家になるべく準備をしていた。電話を引き、8万円もする高千穂の留守番電話を買った。
部屋の3分の1のスペースを、暗室にするべく間仕切りした。そこに横幅2mの本格的な流し台を友人の父親に作ってもらった。部屋にクーラーはなかったが、友人にもらった一体式のクーラーを手に入れ、壁にはめ込み、排気(熱気)は、屋外ではなく、台所内で済ませた。暗室の中さえ涼しければいいからだ。
風呂はなかったが、青山道路の向こう側に銭湯があった。
その1年前、2年間つきあっていたガールフレンドがアメリカに留学してしまった。
その後、いろいろな女性とめぐり会っていた。
その中のひとり、ずっと気になっていた女性がいた。
ある日、事務所に来るなり暑いと言って、暗室に飛び込み、流し台の上で水浴びをした。
バスタオル体に巻き、髪の毛をドライヤーで乾かすようす、その大胆な態度が、気にいって大好きになってしまった。
それから毎日会うようになった。
ある日、巣鴨の屋内プールにいった。広々としたプールでじゃれあった。
深夜、意味もなくふたりで青山近辺を歩き回った。
オーアンドオーでビールを飲んだ。
そんなある日、近くに住む、僕より先に独立した、著名なカメラマンのアシスタントをしていた友人が、木造の部屋に背景を造作氏してスタジオ状態にした。
そこで皆で写真を取り合った。
その彼は、僕が彼女と付き合い始めていたことを知らなかった。キスもしていない。
彼は、ある晩彼女を撮影した。僕も行く予定だったが、急用があって行けなかった。
彼と彼女は、撮影しながらかなり酔って盛り上がってしまった。
そして成り行き上、寝てしまう。
友人は何も知らなかったのだ。だから「寝た」ことを僕に告白した。
僕は、ショックのあまり、言葉を失った。あの日ドタキャンしたのは僕だ。
僕は彼女を許せなかった。
だからといって、僕たちは、彼女を含めた遊び仲間だったので、会わないという選択はなかった。僕は彼女を目の前にして沈黙した。
友人は寝てしまった彼女に付き合おうと迫ったが、拒否られたという。
そのことを彼は僕に告白した。

だれが悪いわけじゃない。
僕にとって巣鴨は、甘い記憶の場所だった。





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