最大の敵は自分

最近、違う2冊の本から偶然同じキーワードを見つけた。タイトルにもあげた「最大の敵は自分」というものだ。

1冊目が「フラット化する世界」。NYタイムスのコラムニストであるトーマス・フリードマンが2008年に書いたベストセラーだ。 

これから個人がグローバルに力を合わせグローバルに競争を繰り広げる「グローバリゼーション3.0」を迎え、個が優位になる時代になると主張した。そして、「グローバリゼーション3.0」においてはテクノロジーの進化により、できることは何でもできる時代になるため、コンテンツを生み出す個のイマジネーションが最重要になる。故に「最大の敵は自分に」なるという。

もう1冊が、一橋ビジネススクールの名和教授の著書、「経営改革大全」だ。

名和教授はこれまでの通説と今後の真説を述べた同著の中で、今後のマネジメントは通説だった「PDCAサイクル」から「OODAループ」へと変わり、PDCAを適切に回すことによる「競争優位」の社会から、学習をし続け変化するものが勝つ「学習優位」の社会に変わるとしている。その結果、「最大の敵は自分になる」と述べている。

二人が「最大の敵は自分になる」と述べるに至った文脈は微妙に違うものの、いずれもVUCAの時代において個が力を持つことによる必然性を説いている。

「最大の敵は自分」の時代を厳しい時代と捉えるか、チャンスに溢れた幸せな時代と捉えるか、人によって異なるだろう。「自分にはそんな才能がない。」「やりたいことなんてない。」と卑下する人もいれば、いつもそんなに強い自分でいられるわけでもなく、楽な方に逃げてしまう人もいるだろう。私にもそういう時もあるし、そういう一面もある。

しかし、時代は確実に変わっているのだ。決められた線路の上をただ走るだけではなく、自分の力やクリエイティビティを信じてとにかく動いてみる。遠回りでも自分の足で歩いてみる。それによってきっとチャンスがくる。そう信じられる時代が来ているのだ。

そう背中を押してくれる2冊だった。

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